ハイパーオートメーションで複数の業務を自動化

ハイパーオートメーションで複数の業務を自動化

「ハイパーオートメーション」という言葉をご存じですか?

日本ではまだあまり馴染みの無い言葉かもしれませんが、RPAを活用した新たな業務効率化の概念として注目を集めています。

そこで今回は、そんなハイパーオートメーションについてご紹介していきたいと思います。

RPAについての記事はこちらからご覧ください。

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ハイパーオートメーションとは?

ハイパーオートメーションとは、複数のAI(人工知能)や機械学習を組み合わせて活用し、これまで人間が行っていた一連の業務を自動化することです。

ハイパーオートメーション Gartner IT Symposium/Xpo 2019

公式サイト:https://gartner-em.jp/symposium/

2019年11月に行われた「Gartner IT Symposium/Xpo 2019」においてガートナー社が発表した「戦略的テクノロジ・トレンドのトップ10」でハイパーオートメーションが1位として紹介されたことで注目を集めるようになりました。今後日本においても、このハイパーオートメーションによってデジタルトランスフォーメーションが推進されていくことが期待されます。

デジタルトランスフォーメーションについての記事はこちらをご覧ください。

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ハイパーオートメーションとRPAの違い

ハイパーオートメーション RPA 違い

ハイパーオートメーションは、RPA(ロボットによる業務自動化)から始まった概念です。

しかし、ただ単にRPAだけではなくその他のiBPMS(IT機能制御システム)やワークフローシステムなどの複数のツールを組み合わせ、それらを活用して実行段階まで移すことを指しています。

その上でただ自動化ツールを組み合わせるだけではなく、「発見→分析→設計→自動化→測定→モニタリング→再評価」という現在の自動化の手順さえも考え直す必要があるとガートナー社のDavid Cearley氏は答えています。

ハイパーオートメーションのメリット

ハイパーオートメーションを導入・活用することで得られるメリットについてご紹介します。

  • 業務の効率化
    ハイパーオートメーションを活用することによって、以下のメリットがあります。

    ・24時間365日稼働できる
    ・人間関係のトラブルがない
    ・操作ミスが無くなる
    ・スピード感が向上する

    人間が行うことによって起こり得るミスが無くなる上に、今より早いスピード感で業務をこなすことが可能になるので業務効率化に繋がるでしょう。またRPAよりも幅広い業務を自動化することができるので、高い効果を得ることができます。

  • 生産性の向上
    ハイパーオートメーションの活用により、膨大な量の事務作業が機械によって互換されます。そのため本来ビジネスパーソンがやるべき、課題解決や創造的な業務などの仕事に注力することができます。

  • 複数業務の自動化によるシナジー効果
    ハイパーオートメーションは「発見→分析→設計→自動化→測定→モニタリング→再評価」という一連の流れを自動化することだけでなく、これらをどのように組み合わせることで良くなるかを理解することでもあります。その中で、人間には考えることができないような新たな問題解決プロセスや複数業務の組み合わせによる新たな価値の創出といったシナジーが期待できます。

ハイパーオートメーションの普及によってどう変わるのか

では、ハイパーオートメーションが普及することで今後のビジネスはどのように変化していくのでしょうか?ガートナー社のプレスリリースをもとにいくつかピックアップしてご紹介したいと思います。

  • 専門性の民主化
    今までは、技術的な専門性(機械学習やアプリ開発)またはビジネス分野の専門性(経済分析など)の高い分野は専門家でない限り関わることができませんでした。しかしハイパーオートメーションの活用によって、このような分野に対して知識のない人でも、広く専門的な技術や知識にアクセスすることができるようになります。つまり、専門家でなくても特別な技術や知識が必要な業務に関わることができるようになります。

    ハイパーオートメーション 専門性の民主化

    2023年末までにこれら4つの分野は民主化が加速すると予測されています。

  • デジタルレイバーの確保
    ハイパーオートメーションを活用することによって、デジタルレイバーと呼ばれる新たな労働力を確保できるようになります。デジタルレイバーとは、これまで人間がパソコンで行ってきた業務を自動化するシステムのことを指します。膨大な作業を短時間で行うデジタルレイバーがいれば人的リソースとコストの削減につながるでしょう。一方でデジタルレイバーは導入すればすぐに使えるわけではなく、代行業務を現場で覚えさせるプロセスが必要になります。さらに、管理者の業務の手順が変わるたびにそれを反映させるためのカスタマイズが必要になるので、導入時にはコストを割く必要があるでしょう。

ハイパーオートメーションの懸念点

ハイパーオートメーションの普及によって、幅広い分野で様々な業務が効率化出来るようになります。しかし一方で、IoT、クラウドコンピュータ、マイクロサービスの関係性は複雑化するのでこれらを悪用しようとする人にとっての攻撃ポイントが多くなります。そのため、セキュリティ対策にはより一層力をいれる必要があるでしょう。

ハイパーオートメーションのまとめ

業務自動化ツールを活用する企業は増え続けています。少子化が進み、働き方改革が推進されている日本では、人手不足の打開策としてハイパーオートメーションの導入が今後のビジネスにおいて重要なポイントの1つとなっていくでしょう。

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