皆さんはVTuber(ブイチューバー)という言葉をご存知でしょうか。VTuberとは、2Dや3Dのアバターを使って動画投稿や配信活動を行っている人を指します。
2017年12月頃から急激に人気となり、企業からも大きく注目されています。2018年4月には株式会社GREEがWright Flyer Live Entertainmentを設立し、VTuber事業に本格参入し話題となりました。
今日はそんなVTuberについてご紹介したいと思います。
【目次】
VTuber(ブイチューバー)とは?
Vtuberは「Virtual(バーチャル)YouTuber」の略語で、2Dまたは3Dのアバターを使って動画投稿や配信活動を行っている人の総称です。
基本的にはYouTuberの派生語ですが、YouTube以外の動画配信プラットフォームを拠点として活動している人もいます。
例えば、VTuberの火付け役と言われ不動の人気を誇っているのが「キズナアイ」です。
キズナアイは2016年10月から動画配信をスタート。現在チャンネル登録者数は240万人を突破しており世界中にファンがいます。
キズナアイはゲームの実況やVRゲームの紹介を中心としたコンテンツや時事ネタ、ニュースに関するコメント動画やまとめ動画を多く配信しています。訪日観光のプロモーションキャラクターに起用されたり、ローソンとのコラボ企画をスタートしたりとその影響力は非常に大きなものとなっています。
VTuberとYouTuberの違い
YouTuberは動画が再生されるごとに支払われる広告料で生計を立てている人のことを指します。2017年におけるYouTuberの市場規模は219億円と言われ(前年比2.2倍)、2022年には579億円の市場規模にまで成長すると予測されています。
YouTuberは人間の配信主が動画の制作や配信に関わり、芸能人のように知名度が高いYouTuberもいます。動画は短時間で多くの情報を与えるため、Youtubeは企業の広告塔としても非常に大きな影響力を持ちます。その知名度・影響力から企業が直接YouTuberに広告の依頼をすることもあります。
VTuberがYouTuberと違う点は、動画に写っているのが生身の人間ではなくバーチャルキャラクターであることです。
YouTuberはもし不適切な言動で炎上した場合ネット上で個人的な中傷を受けることもありますが、バーチャルキャラクターは配信主と別の人格であるため、中傷をされたとしても個人への攻撃を回避することができる点がメリットとして挙げられます。
一方でVTuberはリアルさが求められる動画の作成には不向きです。バーチャルである以上現実での体験に近づけることは難しく、リアルさが求められるコンテンツは生身の人間が配信したほうが伝わりやすいといえます。
VTuberを使ったインフルエンサーマーケティング
Vtuberは新時代のインフルエンサーとして企業からの注目を集めています。「インフルエンサー・マーケティング」と言えば、これまでソーシャルメディア上で多くのフォロワーを持つ有名人・著名人との販売促進活動を指していました。
多くのチャンネル登録者を持つVTuberの登場により、3次元キャラクターをインフルエンサーと見立てたキャンペーンが可能となり、新たなマーケティング手法の確立が見込まれます。先ほどご紹介したキズナアイをはじめとして、世界に対しても影響力を持っています。
VTuber特有のメリット
他のインフルエンサーと比べると影響力はまだ不明瞭な部分も多いとも言えますが、それにも関わらず企業がこぞってVTbuer市場へ参入する理由としては以下のようなVTuber特有のメリット3つが挙げられます。
- 企業イメージを損ねるリスクが低い
- 企画単位での制作が可能
- プロモーションに合わせたキャラクターの制作が可能
- 企業イメージを損ねるリスクが低い
VTuberはYouTuberなどの既存のインフルエンサーと比べ、企業イメージを損ねるリスクが低いと言われます。企業としては、プロモーションを任せているインフルエンサーのスキャンダルやSNSでの炎上などは企業イメージに悪影響を及ぼします。通常の有名人を起用した場合と違い、VTuberにはこのような心配はありません。企業が安心してプロモーションを依頼することができます。
- 企画単位での制作が可能
ドラマや映画を制作するのと同じように企画単位でVTuberを制作することができます。制作したVTuberが成功しファンを一定数獲得できたなら、そのまま運用することもできますし、新たなVTuberプロジェクトを立ち上げるなどといった柔軟な運用が可能です。
- プロモーションに合わせたキャラクターの制作が可能
YouTuberなどの人物を起用する場合、プロモーションしたいものとその人物のイメージを考慮しなくてはいけません。一方、VTuberの場合はプロモーションを行いたい企業が商品やサービスに合わせてVTuberを作ることができます。
VTuberの動画配信方法
Vtuberは基本的に、リアルの人間の体の動きや表情を2Dもしくは3Dのアバターに反映させることによって配信していますが、その撮影形式は多く存在します。ここでは代表的なスマホアプリを使う方法とPCを使う方法をご紹介します。
スマホを使う方法
スマホは最も低コストな配信方法の一つです。アバターメイクから配信まで行えるアプリが既に沢山登場しており、かなり本格的な活動を行うことも可能です。「パペ文字」、「ホロライブ」、「カスタムキャスト」などのアプリを利用すれば特別な機材を用意しなくともスマホ一台でアバター作成から配信まで、誰でも簡単にできます。
iPhoneXを使えばスマホだけで高度なフェイストラッキングが出来るほか、それ以外のスマホでも、声に合わせてキャラクターの口が動くリップシンク機能などにより、生き生きしたキャラクターの表現も可能です。欠点としては、ボイスチェンジャーが使えないため声が地声になってしまうことと、アバターのカスタマイズに制限があることです。それでも最近ではかなりオリジナリティのあるアバターをスマホだけでも作れるようになってきました。
PCを使う方法
VTuberをやるなら、PCを使用するのが一般的です。PCは自由度やカスタマイズ性が圧倒的に高く、全身の動きを取り込んで、モデルに反映させることができます。またライブ配信や動画作成には、PCを使うのが一般的であり特にゲーム実況などに向いています。
代表的なソフトは「FaceRig」で、価格は1480円。プラス100円で「Live2D」に対応させることができ、2Dのアニメキャラクターのようなアバターを使用することもできます。PCのスペックもあまり必要とせず、一般的なノートPCでも配信が可能なので、低コストで導入できます。
企業によるVTuber活用方法
企業がVTuberと関わる方法としては、まず「タイアップ」によるマーケティング活動が考えられます。
既に多くのチャンネル登録者を抱えるVTuberと協力すれば、動画を主として情報収集を行う若者に対して、商品認知を高め、ブランドを構築できる可能性があるからです。企画次第では、いわゆる「バズ」を生み、多くの若者の間で共有され、話題に上るようになります。
また、企業が「専属のVTuberキャラクター」を制作する方法もあります。
自社のブランド・イメージに合わせて、活発に動画配信を行えば、これまで興味を示さなかった層からの顧客獲得が期待されます。自社の専門分野について解説する動画を定期的に公開すれば、ブログで文章を書く場合とは異なる効果が得られます。そして、VTuber同士の交流が増えるなど、従来のマーケティングでは考えられなかった新しいキャラクターマーケティングの可能性もあります。
例えば、サントリー公式VTuber「燦鳥ノム」のキャラクター設定やビジュアルには、サントリーの要素が随所に詰め込まれています。
投稿している動画自体はYouTubeの人気動画カテゴリーのものが多いですが、普段の活動そのものが継続的なプロモーションになり、投稿した動画や集めた人気は蓄積され、資産性があります。
VTuberのまとめ
従来のインフルエンサーに比べリスクが低く、企業自身による制作も可能なVTuberを使ったマーケティングは今後も注目を集めていきそうです。