インフルエンサーマーケティングをやってみた学びと未来

インフルエンサーマーケティング

※本投稿はマーケターによる寄稿です。実際の体験談に基づいた個人の見解を述べているものです。

「リスティングやディスプレイはもちろん、SNSの広告も試したんだけど。次はやっぱりインフルエンサー広告?」と思われるマーケター担当の方も多いのではないでしょうか。今回は私の経験を元にしたインフルエンサーマーケティングの仕組みと今後の展望をお伝えできればと思います。

インフルエンサーマーケティングとは

そもそもインフルエンサーとは、「世間に与える影響力が大きい人物」のこと。最近ではYouTuberやインスタグラマーなどを思い浮かべる方も多いと思いますが、遡ればブロガー、読者モデル、芸能人、著名人も同じジャンルと言えます。

インフルエンサーマーケティングを一言で言うと、「インフルエンサーの発言や行動を企業がマーケティングに活用する活動全般」を指しています。商品の販売促進・PRはもちろん、周りにいるファンの活動から、定量的な分析(ネガポジ分析・意見の収集など)も含まれます。

インフルエンサーマーケティングの歴史

2018年現在、インフルエンサーマーケティングは第二の盛り上がりを見せていると言われています。

第一次ブームは2004年頃、利用者が急増したブログの出現時です。ブログ利用者の中には数千〜数万人の読者を持つカリスマブロガーなどと呼ばれる人物が現れ、その人物が発信した情報が数十万人単位に広まり、大きな宣伝効果を持つようになりました。

この頃はまだ「インフルエンサー」という言葉があまり使われませんでした。インフルエンサーマーケティングに火をつけたのはやはりYouTuberの登場でしょう。ブログよりも簡単に個人が動画を通じて発信でき、ファンとのやり取りがダイレクトに行われ反応を見ることができる。その後Instagramの登場と発展により、この手法は急速に認知・発達してきました。

実施背景とやったこと

実際に私が実施したのは、2016年〜2017年にかけてでした。

YouTube、C-Channelと言った動画プラットフォームが盛り上がり、再度インフルエンサーマーケティングに注目が集まり始めた頃かと思います。当時BtoC向けのデジタルサービスのマーケティング担当だった私は、広告施策としてアフィリエイトやSEM、ADNW、SNSも配信済み、オウンドメディアの運営と記事の外部配信など、様々な手法を試していました。しかし、どれも頭打ちになりつつあり、新規獲得のネタが尽きているところでした。

その頃、動画広告もブームでしたが、CM予算があるわけでもなく、ゲームのような動画素材があるわけでもない商材の場合、制作費を考えると完全にROIが合わずあまり注力できませんでした。

KPIを刈り取りだけに置いていてはこのまま伸び悩んでしまう、PR効果も踏まえてインフルエンサー広告にトライしてみよう、と言う社内許可が出たのは、半期に一度のトライアル予算が降りた2016年の年末のことでした。

実際にやったこと
・代理店の調査

・媒体選定

・インフルエンサー選定

・KPIの設定

・PR商材の選定

・エントリーシートの記入

・収録

・効果分析

やってみた結果と学び

数字の結論から言うと、当初の予想通り、ROIやCPAは全く合いませんでした。ただ以下のような知見を得ることができました。

① ユーザの反応を生で確認することができた

Web上で提供するサービスは、ユーザー理解を深めたくても、なかなか接触機会が少ないかと思います。広告での体験はもちろんですが、実際にユーザーがサービスを使ってくれている様子を確認できたのは貴重でした。

② 自社サービスでの実績値が取得できた

新しい広告手法が次々と生まれる中、他社実績もWeb上ですぐに検索することが可能でしょう。ただ、どれだけデータが出回っても、自分の会社のサービスで試した結果は全く違うものです。広告を担当されている方は、トレンドの把握という意味でも、新しい広告媒体は試すだけで価値があるものという認識をされるのもありかと思います。

③ インフルエンサーのコントロールは難しい

自社サービスに思い入れがあればあるほど、色々コントロールしたくなるものです(だんだん演出家の気分になってくる方もいらっしゃるのでは)。インフルエンサーを使う大きな意味の一つとして「リアル感」があります。KPIと目的をきちんと伝えた上で、演出のコントロールは基本不可能と考える方がお互い良いものが生まれる可能性が高いと思います。

④ 代理店は大小それぞれ良いところがある

今回、YouTuberといえば、という大手代理店Aと、新興代理店Bの2社に提案を頼みました。A社はきちんとしたマニュアルがあって抜け漏れがなく安心感がありますが、トライアルや微調整が難しい部分がありました。B社は立ち上げたばかりというところで、都度の確認が多く一緒に作る姿勢でしたが、その分柔軟な対応をお願いすることができました。

当時予算がなかったので継続しての出稿に繋がりませんでしたが、サービスを一人で使うか二人で使うか、動画として魅せるにはどうしたら効果的か、という新しい視点を得ることはできました。

インフルエンサーマーケティングの未来について

使う予算、商材によって状況は様々だと思いますが、インフルエンサーに商材を試してもらう、という流れはしばらく続くと予想します。

個人の情報発信力が高まりつつあるものの「この人に頼めばみんな認知してくれる!」というマス的な使い方ではなく、「マイクロインフルエンサー」と呼ばれる小規模のインフルエンサーに注目される企業も多いでしょう。また、代理店を使わずに直接コミュニケーションを取り、各企業・サービスの理念に共感してくれる方を囲い込む手法も一般的になりそうです。

ただ、個人の力なのでそれ単体で大きな効果を生むことは難しいでしょう。継続的に行うか、大規模に行うかでしか、他のマーケティング手法と比較してKPI的に正当化するのは難しい気がします。定量的な結果よりも定性的な学びを得ると割り切って行うのは良いかもしれません。