LINE広告(旧:LINE Ads Platform)をご存知でしょうか?
コミュニケーションアプリとして認知度が非常に高いLINEですが、そのLINEが2016年6月より開始した運用型広告プラットフォームです。
なにかと話題の広告ですが、今回は、2018年8月にシステムの大幅刷新を実施したこの新LAPについてご紹介したいと思います。
LINE広告とは?
LINE内での高いMAUを誇る「タイムライン」とLINE NEWSへの配信に加え、LINEユーザーが最もよく使う「トークリスト」の上部に掲載されるSmart Channelや、総勢2,500組以上のブロガーが活躍するLINE BLOGとダウンロード数2,000万を超えるLINEマンガ、LINEポイントなどへの広告配信が可能です。
https://www.linebiz.com/jp/service/line-ads/
LINE広告の6つの特徴
LINE広告には下記のように大きく6つの特徴があります。
② クリック課金型(CPC型)の広告
③ インフィード型の広告
④ 多様なターゲティング
⑤ LINE Tag(タグ)
⑥ オーディエンス作成
- LINEへの広告配信
まず、最大の特徴と言えるのが LINE内に広告配信できることです。
先述した通りLINEのタイムラインとLINE NEWSへの配信に加え、LINE BLOG、LINEマンガ、LINEポイントへの配信が可能です。特にタイムラインユーザーは非常に多く、女性の比率がやや高く、20-40代を中心に幅広い年齢層に利用されています。月間アクティブユーザー数が6,800万人を超える国内最大規模のアプリユーザーを抱えているだけに、FacebookやTwitterといったSNSだけではリーチ出来ないユーザー層へのリーチが可能です。
2019年8月からは「LAP for Publishers」(LINE 広告ネットワーク)が開始され、LINE 外のアプリ面にも広告配信面が拡大しました。以下のような提携アプリへの広告配信が可能になります。
また、2020年2月からは「動画リワード広告」が開始され、ユーザーが動画視聴でポイントがもらえる配信面に対しても広告配信可能になりました。
実際に LAP の管理画面からは、広告の配信先として以下のように配信先を選択することができます。
- 課金形態
インターネット広告には、広告が表示された回数に応じて費用が発生するインプレッション課金型(CPM課金)や、クリックされた際に費用が発生するクリック課金型(CPC課金)など様々な課金形態があります。LINE広告は基本的には、静止画はクリック課金型(CPC課金)、動画はインプレッション課金型(CPM課金)の広告です。 - インフィード型の広告
LINE広告はインフィード型で表示されるタイプで、LINEのタイムラインやニュース上に違和感なく表示されます。タイムラインやニュースを見ている際に、コンテンツの1つのように表示されるため、広告感をあまり出さずユーザーにアプローチすることが可能です。静止画だけでなく動画でも配信できるため、リッチな表現も可能です。広告に使えるフォーマットは以下の通りです。
画像- ファイル形式:JPG、PNG
- ファイルサイズ:最大5MB/画像
- 画像サイズ:1200×628、1080×1080
動画- ファイル形式:MP4
- ファイルサイズ:最大100MB/動画
- アスペクト比:1:1、16:9
- 長さ:120秒以内
- ターゲティングの多彩さ
LINE内での行動履歴や蓄積データをもとに、ユーザーの年齢や性別、地域、興味関心(ゲーム、ショッピング、コスメ、金融など18種類のインタレストカテゴリから選択可能)に応じた多様なターゲティングが可能です。また、一度サイトを訪れたユーザーへ配信をする「リターゲティング機能」も使えるので、自社の広告に反応を起こしそうなユーザーへ広告を配信することが可能になります。さらに、ソースセグメント(CVセグメントやアップロードした顧客情報)などのユーザーを元にした類似オーディエンスへの拡張配信機能「Lookalike(類似配信)」も利用可能になりました。今後は記事にいいね!したユーザーやLINE@アカウントとも連携したオーディエンス拡張ができるようになると活用の幅も広がりそうですね。
- LINE Tag(タグ)
LINE広告では、トラッキングタグとして「LINE Tag」があります。提供しているタグは主に2種類。「ベースコード」と「コンバージョンコード」です。両タグ共に1つのURLに設置できる上限個数は10個までとなっています。「ベースコード」はリマーケティング用に全ページに設置し、「コンバージョンタグ」は成果地点(コンバージョンポイント)に設置するのが良いでしょう。
また、ベースコードに付随して、「カスタムイベントコード」を設置することで、あとでイベント名でオーディエンスを作成することができます。
注意すべきは、ベースコードは設置しただけではオーディエンス情報は蓄積されず、必ずカスタムオーディエンスを作成する必要があるということです。
- オーディエンス作成
カスタムオーディエンスを作成することで、ウェブサイトやアプリなどにアクセスした特定のユーザーに広告をターゲティングできるようになります。オーディエンスの作成方法は5種類あります。
・ウェブトラフィックオーディエンス使い方としては、上位4つの方法でカスタムオーディエンスを作成した後に、「類似オーディエンス」で既存のカスタムオーディエンスに似たユーザーグループを作成することで、広告を拡張配信することでできるようになります。
・モバイルアプリオーディエンス
・IDFA/AAIDアップロード
・LINE公式アカウント友達オーディエンス
・類似オーディエンス
LINE広告運用時の注意点
LINE広告への広告出稿は、広告代理店経由はもちろんですが、オンラインから無料で広告アカウントを開設できるようになりました(セルフサーブ型)。
https://www.linebiz.com/lp/self-serve/
広告出稿する際には以下の点にご注意ください。
- 広告掲載基準(NG業種・商材)
LINE広告では掲載可否基準が細かく設定されているため注意してください。
例えば、宗教関連、エステ(一部除く)、ギャンブル関連などですが、以下のNG業種・商材を出稿前に確認してください。 - 審査期間
広告アカウント開設時の商材審査(約3〜5営業日)、および広告出稿時のクリエイティブ・LP審査(約5営業日)において、相応の時間がかかります。タイミングにもよりますが、早くても1-2週間はかかると考えておいた方が良いと思います。 - クリエイティブ
LINE広告で配信できるクリエイティブは大きく画像と動画の2種類です。画像は、テキスト要素は少なめで、インスタ映えするような画像が効果的です。動画配信面はまだ少なく CPC は高めですが、CVR も高いため CPA は下がる傾向にあります。
- ターゲティング
LINEでは基本ユーザーのデモグラ情報を取っていないので、デモグラや興味関心ターゲティングの精度は低めです。一方で、コンバージョンタグや既存ユーザーのリストを活用した類似オーディエンスを活用した広告配信をすることで高い効果を発揮します。オーディエンスを活用するにはある程度イベント数が必要ですので、先にLINE Tagを設置してコンバージョンを貯めておくのが良いでしょう。
- 入札単価
LINE広告には「自動入札」(コンバージョン数の最適化を目的に自動で設定)と「手動入札」が存在します。「自動入札」では、「クリック」もしくは「コンバージョン」「カスタムコンバージョン」を成果地点として最適化を行います。その際に、入札金額の上限を設定することができ、CPCの場合36円、CPAの場合1200円以上となります。「手動入札」では、CPCの場合24円、CPMの場合200円以上が最低入札単価となります。入札する際にはこの金額以上に設定する必要があります。
また、LAP for Publishers では、最低入札単価がCPM/CPCともに1円からと非常に安いため配信単価が大幅に下がる可能性があります。ただし、CVR も低い場合が多いため、配信面ごとに CPA をチェックされることをお勧めします。
また、自動入札にするとLAPのシステムが自動的に最適な入札単価を設定します。
- 効果測定方法
アプリ事業者においては、Adjust, Appsflyer, TUNE などのメジャーな広告効果測定ツールと連携していますので、すぐに広告出稿できるでしょう。一方でウェブへの誘導を目的とする場合には、上記のコンバージョンタグ(LINE Tag)の設置が必要ですので、あらかじめシステム担当の方とすり合わせておいた方が良いでしょう。アトリビューションウィンドウはデフォルトでは、クリックから30日以内をコンバージョンとみなすようになっています。カスタムコンバージョンを作成すれば、クリックから180日以内で任意に設定することが可能です。
- 成果地点と最適化ポイント
通常は、タグで設定したコンバージョンポイントにて最適化を行いますが、カスタムコンバージョン(マイクロコンバージョン)を設定することで、より多くのコンバージョン数にて最適化を行うことが可能です。LINE広告の場合は、広告グループあたり「40 CV」が機械学習がまわり最適化される目安ですので、ある程度CV数を貯める必要があります。そのため、CV数が少ないキャンペーンなどの場合は、カスタムコンバージョンにて最適化することも検討してみてください。 - 広告マネージャー(管理画面)
LINE広告の管理画面は「広告マネージャー」と呼ばれ、以下のようになっています。管理画面は頻繁にアップデートがあり、使い方や見え方が変わることがあるので注意してください。
LINE広告のまとめ
LINE広告への広告出稿企業は年々増えており、成功事例も続々と出てきています。特に、アプリ、金融、コスメ、健康食品、人材、ブランド、通販系の企業とは相性が良いようです。
LINE広告には、ソーシャル広告ではリーチできないユーザー層にもリーチができるメリットがあります。広告出稿を検討されている方はぜひ、参考にしてみてくださいね。