Web広告を運用した経験がある方は、その難易度の高さと業務量の多さにうんざりしたことがあるのではないでしょうか?
今回はなぜ、広告運用が辛いと感じるのかについて分析したいと思います。
Web広告の種類の多さ
Webで集客をするにあたって、「どの広告が自社に最も適しているか?」と頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか?Web広告の種類は様々で、ターゲティングできるユーザーも異なります。適した広告を使用することで、広告効果は飛躍的に上がります。それでは、代表的なWeb広告とその特徴を簡単にご紹介します。
- リスティング広告
検索連動型広告とも言われる広告です。ユーザーが検索エンジンに入力するキーワードに関連した広告を出せるのがリスティング広告です。リスティング広告を使えば、パソコンやスマートフォンなどのデバイスで検索している人を広告主のWebサイトへと誘導することも可能です。ユーザーが検索している関心が高い時に広告が表示されるため、高い効果を発揮します。
- ディスプレイ広告
Webサイトやブログ、アプリなどの決められた広告枠に表示される広告です。検索広告が「いますぐその商品を買いたい!」と思っている人にアプローチするのに対して、ディスプレイ広告は「今すぐ買いたいわけではないけど、その商品に興味があるかも」と思っている人をターゲティングしています。つまり、潜在顧客へのアプローチがディスプレイ広告の特徴です。
- アフィリエイト広告
成果報酬型広告のことです。その広告に対して何らかのアクションが発生した際に費用が発生する広告です。アクションが発生しない限り費用が発生しないため、インターネット広告の中でもCPAは低く抑えられます。なので、効率よく運用することが可能な広告といえるでしょう。
- ネイティブ広告
SNSやニュースサイトで記事やフィードに混じって、自然な形で表示される記事広告のことです。「見るからに広告」という体裁をしていないため、ユーザーに受け入れやすいといえます。ユーザーの関心が高い内容である場合が多いので、アクション喚起率も高くなります。これらの他にも、SNS広告、動画広告、メール広告など様々な広告があり、ターゲティングしているユーザー合わせて使い分けましょう。
無数の指標を確認しなければいけない
広告効果を分析する際の「広告指標」は、費用対効果をしっかり把握するために理解しておかなければいけないものです。なぜそのような結果になったのかを分析し、次により良い結果を出すために必要なことです。しかし、媒体によって数多くの種類が存在するこれらの指標を理解し活用することは、広告運用において大変な側面です。
- キャンペーンの目的によって指標が違う
まず、広告の目的によって求める広告効果は異なります。
その目的は大きく(認知、誘導、獲得)に分けることが出来ます。それでは、これらの広告効果を把握するためにチェックすべき指標を簡単に整理します。チェックすべき指標は広告の目的や施策によって変化しますが、基本的な広告指標のチェックポイントは次のようになります。
・ブランドや商品サービスの認知拡大が目的(インプレッション効果)
認知を目的とする場合はインプレッションやインプレッション単価を中心に広告効果を把握し、ターゲットへのリーチ、フリークエンシーを適切に設定することが重要です。
・インプレッション(Imp):広告が表示された回数
・インプレッション単価(CPM):広告表示1000回当たりの単価
・リーチ(Reach):配信した広告が何人に見られたか、配信した広告に一回以上接触した人の比率
・フリークエンシー(Frequency):ターゲットユーザーに何回広告が表示されたかを示す値
・ランディングページへの誘導が目的(トラフィック効果)
誘導を目的とする場合はクリック数、クリック率、クリック単価を中心に広告効果を把握し、バナーが期待通りにクリックされ、ターゲットユーザーを誘導できているかを確認しましょう。
・クリック数(Click):広告がクリックされた回数
・クリック率(CTR):広告の表示回数に対してクリックされた比率
・クリック単価(CPC):広告1クリック当たりの広告単価
・アクションの獲得が目的(レスポンス効果)
商品購入などの獲得を目的とする場合はコンバージョン数、コンバージョン率、顧客一人当たりの獲得コストなどを中心に広告効果を把握します。ランディングページに移動した後で、商品購入などの獲得効果に繋がっているか、獲得効率が目標値の範囲内かを確認しましょう。
・コンバージョン数(CV):広告を経由して資料請求、会員登録、商品購入などの獲得成果に至った件数
・コンバージョン率(CVR):広告を経由してサイトを訪れたユーザーの内、獲得成果に至った件数の比率
・顧客獲得単価(CPA)、オーダー獲得単価(CPO):1コンバージョン当たりの広告単価を示し、広告費をコンバージョン数で割った値
商品購入など、企業が達成すべき目標の達成度合いを測る定量的な指標のことを、重要業績評価指標といいます。
- 費用対効果の把握
広告指標を把握したら、次に広告指標と合わせて、広告費に対する売上額や利益額の割合などを中心に広告効果を確認しなければいけません。
・ROAS:広告費用対効果のことです。投資した広告費に対して得られた売上金額の割合を示します。
・ROI:投資収益率ともいいます。投資したコストに対して生み出した利益の割合のことです。
広告費に対する広告効果の良し悪しを判断するには、「数」「率」「単価」の視点から広告指標を見て、効果を確認します。
複眼的な視点が必要
Web広告運用において、ひいては集客施策全般においては長期視点と短期視点、またマクロとミクロといった複眼的な思考が必要となります。
- 長期視点と短期視点
どういう顧客にどのようにリーチするべきかを考え、すぐには効果が上がらないかもしれないが認知を上げるためには大事というような長期施策と、すぐに効果を上げて売上に貢献するための短期施策があります。
目的に応じて、利用する媒体や運用方法も異なってきます。これらのバランスや配分は運用担当者の力量ともいえます。
- マクロ視点とミクロ視点
マクロ視点は、主に施策、キャンペーンごとの予算配分や配信ボリュームを決めるものです。この施策は効率がいいから強めに、効率が悪いから弱めに、などを考えます。成果のインパクトを考慮しながら施策を実施するか否か、また、最適な予算配分はなにかを考えていく視点です。
ミクロ視点は各施策の精度を高める取り組みのことで、細かい運用の精度を高めることです。キャンペーン毎の予算を見ながら、広告グループ(ターゲット)ごとの効果を見比べ、広告(クリエイティブ)ごとの成果を見極め、最終成果を最大化します。運用型広告はまさにミクロの考え方が必要です。日々の運用はさながら株のデイトレード(短期投資)に近いかもしれません。
広告の出稿サイクルが早い
アパレル業界やコンビニなどは、新商品をシーズンごとに発売して勝負を仕掛ける必要があるので、必然的に出稿媒体を増やしたり、広告の出稿媒体が早くなっていきます。
1つの施策を決める際に、広告代理店が考えるプランは1つではありません。
30、40と沢山の案を考える必要があります。
なので、広告の出稿が早いことということは、運用も大変になるし、短いスパンで沢山のアイデアを出さなければいけないので、激務に繋がります。しかし、その出稿した広告が自分の運用によって効果が出て、クライアントやユーザーに喜んでもらえる時、すごくやりがいを感じるかと思います。
Web広告運用のやりがいとは?
これだけ大変なWeb広告運用にもやりがいはあります。
最後にご紹介します。
先ほど紹介したように広告には様々な媒体があるのですが、その様々な広告の配信設定を調整して、アプローチを変えればその広告の結果も変わってきます。
広告を運用していく中で、過去データを分析し、仮説をたて、それを実行し、またそれを分析するというPDCAサイクルを回すことで、結果として確実に現れてくるためそれをやりがいと感じる人が多いです。
また近年のAIやインターネットの発達により、次々と新しい技術や機能が登場しているので、それを使い、また自分のスキルが増えていくこともやりがいに繋がるという人もいます。
Web広告運用はなぜ辛いのかのまとめ
広告運用は、こうした複数の要素が複雑に絡み合っているため大変なものとなります。広告それぞれの特性や見るべき指標をしっかりと理解し、運用することでその広告効果は上がっていきます。ご参考までに。