【Roboma 導入事例】グノシーのマーケターが考えるベストなインハウス運用体制とは(株式会社Gunosy)

Gunosy_エントランス写真

株式会社Gunosy(以下 Gunosy)では、TVCM からインターネット広告まで様々なプロモーションを行なっています。

その中でも、特にデジタルマーケティング領域の広告運用は社内で行うインハウス体制を敷いており、大量のクリエイティブ分析を効率的に行うために、Roboma をご活用いただいています。

広告運用は広告代理店に任せるべきか、インハウスで行うべきかの二元論で語られがちですが、ベストな運用組織体制を知りたいという方も多いのではないでしょうか?

今回は、Gunosyのマーケティング担当である野崎様に、Gunosyがインハウス運用に切り替えた経緯と、そのメリット・デメリットについてお伺いしました。

ー Gunosyの事業内容、マーケティングについて教えてください。

弊社の事業は大きくメディア事業、広告事業、新規事業に分かれます。

メディア事業では、主に3つのアプリ、情報キュレーションアプリの「グノシー」、KDDI 社と共同提供のニュース配信アプリ「ニュースパス」、女性向け情報アプリの「LUCRA(ルクラ)」を運営しています。

ー マーケターとして担当されている業務の範囲を教えてください。

私は、「LUCRA」 のマーケティングチームに所属しています。

主な業務はプロモーションで、広告による集客に最も時間を割いています。

グノシー社の3つのメディアアプリ

ー 現在の広告運用体制を教えてください。

マーケティングチームは5〜10数名ほどです。

先ほどのメディアごとにチームが分かれており、インターンのアルバイトが実際に広告運用やクリエイティブ制作を行うケースもあります。

インハウス運用に切り替えるタイミングでアルバイトを増やし始めました。

基本は、事業部ごとにKPIを管理していますが、マーケティングチーム全体でも定期的に情報共有を行っています。

ー なぜインハウス運用に移行したのでしょうか。

ちょうど1年半ぐらい前から徐々に移行し始めました。一番大きいのはインハウス運用できる環境・体制が整ってきたからです。

特に 「LUCRA」 と「ニュースパス」は新しい事業のため、インハウス化前提の体制をいち早く敷くことができました。

Facebook 広告や Google 広告など、今後成長する見込みがある広告媒体を中心に自社運用に切り替えました。

現在インハウスで運用している媒体は、Facebook、Google、LAP(LINE Ads Platform)、Twitter、Kurashiru、TokTok ぐらいです。

その他のアドネットワーク、DSP、記事アフィリエイトなどは今も複数の代理店さんにお願いしています。

ー 広告代理店はどのように活用していますか。

媒体によっては代理店さんにお願いしています。

広告代理店の良いところは、最新情報をいただけることです。

また、工数のかかるリスティングなどはプロの代理店の方が慣れているため任せた方が良い場合もあります。

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インハウス運用にして、検証スピードを上げられました(PDCA が早くなった)。
また、施策の幅も広がりました。

ー インハウス運用にして良かった点は何ですか。

インハウス運用にして一番良かったのは、検証スピードを上げられた(PDCA が早くなった)ことです。

一日に30本のクリエイティブを作って広告入稿し、圧倒的な量の PDCA を回していました。運用工数を割けたことによって、結果は大きく改善しました。

また、マーケティングとしてできる施策の幅が広がりました。

例えば、弊社で行っている「クーポン訴求」(マクドナルドや吉野家などのクーポンを広告のクリエイティブに活用して配信すること)などは、プロダクトサイドとの連携が必要なので代理店さんからは出てこないアイデアです。アプリ内のコンテンツをすぐに活用して検証できるというのはインハウス運用ならではメリットです。

ー インハウス運用にして困った点は何ですか。

インハウスにすると運用が属人的になりがちです。

人が抜けると知見がなくなってしまうリスクがあります。また社外に目が向きづらくなってしまいます。

その辺りは、情報共有の仕組み化、システム化、一元管理を行なっていきたいと思っています。担当が替わっても引き継げる体制にしたいと考えています。

ー 実際にどのように広告運用のPDCAを回していますか。

モバイル広告の良いところはすぐに効果(結果)が出ることです。

毎朝30分ぐらいかけて数字の共有と分析を行い、その日の TODO(タスク)を決めます。

予算・入札調整をする運用者と、クリエイティブを制作するデザイナーは担当を分けています。

クリエイティブは摩耗してからではなく、摩耗する前に常に新しいクリエイティブを入れるように心がけています。とにかく PDCA を早く回すことを重視しています。

あとは、週1回の定例で、マーケチーム全体でプロダクト横断の情報共有などを行っています。

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インハウス運用には、明確なビジョンとリソースが必要。腹を括ってできるかが大事。

ー Gunosyが考える、ベストな広告運用体制とは何ですか。

弊社の場合、インハウス運用が実現できたのは知見、運用工数があったからだと考えています。

無理にインハウスにする必要はないと思います。なぜなら、運用体制の立ち上げ期は大変なことが多いからです。体制づくり(メンバー採用)、運用方法(レポーティング、BI ツールの整備)などを全て見なければいけないからです。その他にも、モバイル広告自体の黎明期だったので、アドフラウド対策、業務の分担方法などで、1年ぐらいは苦しんだように思います。

また、弊社のマーケティングチームのリーダーが明確なビジョンを持っていたのも大きいです。腹をくくってやらないといけないと思います。

ですので、徐々にインハウス運用体制に移行してみて、広告代理店さんとの向き合い方やコミュニケーション方法を見直す努力は必要だと思います。

ー 今後の課題を教えてください。

現在は、モバイル広告の KPI を「CPD7」(7日後継続ユーザーあたりの獲得コスト)で見ていますが、それが最適な指標なのかは今後も見直していきたいと考えています。

新しい媒体などもどんどん増やしていきたいと考えています。

また、プロモーションチームではなく、マーケティングチームなので、数値的な KPI だけにとらわれない思考が必要だと考えています。

ありがとうございました!