今さら聞けない!運用型広告の特徴や種類

今さら聞けない!運用型広告の特徴や種類

皆さんは運用型広告とは何か説明できますでしょうか?

検索エンジンで何かワードを検索した時に目にするものや、SNS上で表示されるものなど運用型広告には様々な種類があります。今日は運用型広告の特徴や種類についてご説明したいと思います。

運用型広告とは

運用型広告とは、その名の通り「運用」する広告のことで、予算やキーワード、広告クリエイティブをリアルタイムで設定を変更させながら出稿するタイプの広告です。

なぜ運用する必要があるかというと広告配信プラットフォームがオークション形式になっており、一つの広告枠に対して他の広告主と競合しながら配信するからです。Google、Facebook、Twitter、LINE などの主要な広告プラットフォームはこの運用型広告が主流になっており、インターネット広告市場の8割を占めると言われています。

インターネット広告市場内訳

出典:https://www.cci.co.jp/wp/wp-content/uploads/2018/03/180328.pdf

Yahoo!ブランドパネルのようなバナー広告や記事広告(タイアップ広告)のように、枠を購入する純広告(予約型広告)と異なり、広告主の裁量によって予算や効果が変動しやすいのが特徴です。インプレッション数やクリック数など効果測定もリアルタイムで行うことができ、それらに基づいて予算やターゲティング、配信数、期間などをリアルタイムで調整もしくは自動的に最適化させることができる手法です。

電通は、運用型広告とは「膨大なデータを処理するアドテクノロジーを活用したプラットフォームにより、広告の最適化を自動的にもしくは即時的に支援するような広告手法のこと。枠売り広告のほか、 タイアップ広告やアフィリエイト広告などは、運用型広告には含まれない。」としています。

運用型広告の例

引用:https://netshop.impress.co.jp/node/1917

運用型広告の例02

引用:https://netshop.impress.co.jp/node/1917

「運用型広告」は、上述の通り予算やキーワードなどを運用する広告配信方法であり様々なWeb広告が含まれます。代表的なものではYahoo!やGoogleの検索連動型広告やディスプレイ広告、YouTube等の動画広告、FacebookやTwitter等のSNS広告などが主体となり、広義にはこの運用型広告の中にDSPと呼ばれるアドテクノロジーを活用して出稿する広告も含まれます。

運用型広告のメリット・デメリット

<メリット>

メリットとしては予算上限や配信期間、配信方法をコントロールできる事が挙げられます。リアルタイムで計測が出来るので効果がなければ停止したり、効果があれば追加したりとすぐに調整ができます。インプレッション数やクリック数に応じて課金する料金体系なので、求めるインプレッション数に応じて予算を調整できます。

枠買い型と比べて、社内の広告予算に併せて出稿しやすいです。またユーザーの属性や地域、PCやスマホなどのデバイスなど細かくターゲットを絞ることが出来たり、広告面をターゲットに合わせて変えたりすることも出来たりします。

<デメリット>

デメリットとしては、広告内容やキーワード、配信する地域や時間など細かい設定が出来る分、経験や知識、リアルタイムでの変更、結果の分析等が必要となり、目標とする結果を出すために、たくさんの時間と労力がかかる事です。

運用型広告の一つであるリスティング広告の場合、配信したいキーワードに対して入札します。競合が多く人気のあるキーワードほど入札単価が高くなる仕組みです。そのため、狙うキーワードや配信媒体を予算と照らし合わせながら運用し、配信に見合った効果が出せているのか日頃から検証する必要があります。そのため運用を代理店に委託している企業も多くあります。逆に社内で行うケースを「インハウス運用」と言ったりもします。

運用型広告の種類

運用型広告には主に次の5つがあります。

・リスティング広告

・ディスプレイネットワーク広告

・SNS広告

・DSP広告

・リターゲティング広告(リマケ広告)

リスティング広告

リスティング広告は検索連動型広告とも呼ばれ、Yahoo!やGoogleの検索サイトの検索結果の上部に表示させる広告配信方法です。インターネットでユーザーが検索サイトを利用したり、サイトを閲覧したりするときに、入力したキーワードや閲覧しているサイトの内容に連動した広告を画面に表示する広告手法です。

リスティング広告

引用:https://www.pro-s.co.jp/marketingblog/webmarketing/56

メリットとしては、ユーザーが自発的に検索したキーワードに対して広告を出せるため、数あるネット広告の中でもかなりニーズの顕在化したユーザーに対してアプローチが可能です。また、入札金額と広告の品質次第ではすぐにでも掲載が可能なため、SEO対策などと比べると即効性があることも魅力的です。リスティング広告で集めた一定量のアクセス結果を分析することで、設定したキーワードで流入したユーザーが離脱率や回遊率、CV完了数などにどれくらいの影響を及ぼすかを短期的にリサーチすることができます。このリサーチ結果をもとに、影響力の高いキーワードから優先的にSEO対策していけば、効率的に結果を出すことができます。

ディスプレイネットワーク広告

アドネットワーク(広告媒体のWebサイトを多数集めて「広告配信ネットワーク」を形成し、多数のWebサイト上で広告を配信する広告配信手法)上で買付け可能なホームページやブログの枠をネットワーク化して配信する方法です。純広告のようなバナー広告とは違い、ユーザーの関心の高いと思われる層に配信したりすることができます。リスティング広告がニーズの明確なユーザーにアプローチしやすいのに対し、ディスプレイネットワーク広告は潜在的なニーズに対するアプローチが行いやすいという特徴があります。

SNS広告(ソーシャル広告)

SNS広告

LINEやTwitter、FacebookなどのSNSを通して、ソーシャルメディアへ情報を広める仕組みを備えた広告手法です。メリットとしては、いいねやリツイートなどSNS特有のユーザー同士の共有・拡散により自動的に記事や広告が拡散されることが挙げられます。また、運用を除けば比較的安価に行えます。一方で、情報はユーザー間で広がって行くため、発信者側でのコントロールが難しく時間をかけた運用が必要であることも事実です。

DSP広告

Demand Side Platformの略称であり、複数のアドネット枠を横断的に広告配信をすることが出来る仕組みのツールです。媒体側の配信プラットフォームSSPと接続してインプレッションごとに課金をする仕組みです。ネット広告におけるアドテクノロジーの発展により、広告主が狙いたい属性のターゲットユーザーに対して、リアルタイムに広告枠の入札が行えるようになりました。

DSP広告

引用:https://www.innovation.co.jp/urumo/dsp/

DSP広告ではまず、広告のインプレッション(表示)が行われると、それがDSPと対をなすSSPに通知されます。通知を受けたSSPは、ユーザー属性などの情報とともにDSPへ入札要請を行います。DSP側では、広告主側の条件と照らし合わせ、条件の合う広告主の間で入札を行います。入札結果は、DSPごとに集計されて媒体側へ送られ、媒体側はそのなかからもっとも高値を付けた広告主の広告を掲載します。この一連の流れがインプレッションごとに瞬時に行われます。

課金方法はCPM(掲載数1,000回あたりの課金)が主流で、一部CPC(クリック数1回あたりの課金)、GTS(表示時間単位の課金)もあります。DSPのメリットとしては、事前に予算、サイト情報、配信設定、目標設定などを登録すれば、効果的な広告を自動的に配信ができることです。

DSP広告についてはこちらをご覧ください。

DSP (Demand-Side Platform) の仕組みと課題

2018.11.09

リターゲティング広告(リマケ広告)

色々な配信方法で該当ページにユーザーを連れてきますが、必ずしも1回の訪問でコンバージョンには至らないケースもあります。この場合、ユーザーのcookie情報を取得し、この情報をもとに別のサイトを見ている時に表示される配信方法です。コンバージョン獲得には効率の良い配信方法ですが、実際にはボリュームに限界があり、様々なセグメントや配信面の調節、過去にコンバージョンしたユーザーの拡張など最適化を図りながら運用されます。

まとめ

枠買い型の純広告とは違い、広告テクノロジーを活用した運用型広告には様々な種類があることが分かっていただけたかと思います。運用には知識や技術、時間が必要ですがそれぞれの運用型広告の特徴を理解して上手く利用しましょう。