近年、広告ビジネスの拡大に乗り出しているAmazon。
しかし、まだまだ事例なども少ないため、Amazon広告をどのように運用すればいいのかわからないという方も多いかと思います。
そこで今回は、Amazon広告の効果的な運用方法についてご紹介していこうと思います。
Amazon(アマゾン)広告とは?
Amazon広告は、その名の通り世界最大のECサイトであるAmazonで自社商品をPRすることができる広告です。
多くのユーザーに一度にアプローチができる一方で、膨大な数の商品を掲載していることから、その商品の検索結果の2ページ目以降を閲覧するユーザーの割合はわずか30%ほどと言われています。
また、広告に設定されている商品の在庫がなくなると、広告が表示されなくなるので注意が必要です。
Amazon広告の代表的な例は、Amazon内の検索結果画面上部に広告を表示させるスポンサープロダクト広告というものです。
Amazonを訪れるユーザーは、商品を購入する前提で訪れているためAmazon広告を出稿すると、購買意欲の高い顧客へ商品をアピールすることができることからも広告主(特にEC事業者)側のメリットは大きいといえます。
Amazon広告の仕組み
Amazon広告はクリック課金型広告で、ユーザーが1回クリックするたびに広告費が発生します。何回表示されても、クリックしなければ広告料が発生しないので、費用対効果が非常に明確でわかりやすいです。
また、Amazon広告には以下のような種類があります。
- スポンサープロダクト広告
- スポンサーブランド広告
- ディスプレイ広告
- 動画広告
- カスタム広告
- Amazon DSP
上の3つは、Amazonのサイト内で表示される広告なのですが、他はAmazonのDSP広告となるため、Amazonと連携する外部のメディア上でも配信される広告です。
Amazon広告の詳しいメニューについてはこちらの記事を参考にしてください。
Amazon広告のメリット・デメリット
メリット
・購買意欲の高い顧客へアプローチ
先ほども書きましたが、Amazonを訪れるユーザー商品を買うという前提で訪れています。
つまり、Amazon広告を活用することで、購買意欲の高い、すぐに購入に繋がる優良顧客へアピールすることができるというわけです。
・売れるほど、検索結果で上位表示される
Amazonでは、よく売れる商品が上位に表示されるというアルゴリズムがあります。そのため、広告を出稿した商品が売れれば売れるほど、検索結果でも上位に表示されるようになり露出機会が増えます。
・費用対効果が高い
Amazon広告は、購買意欲が高いユーザーにターゲットできるため、他の広告媒体よりも費用対効果が高いと言われており、広告費に対する収益性(ROAS)が高い傾向にあります。
また、キーワードターゲティングなどのより細かいターゲティングにより、高いパフォーマンスを出していくことも可能です。
デメリット
・商品コンセプトのテストには向かない
Amazon広告は、ユーザーニーズが顕在化しすぎているため商品訴求がユーザーニーズと合っているかどうかを検証するのが難しいです。まずはリスティング広告などで商品コンセプトの検証や売れ筋商品などを見極めてから実施するのが良いでしょう。
・認知拡大には向かない
Amazonを訪れているユーザーは商品を買うという前提で訪れているので、一般キーワードや悩み系キーワードでの検索ボリュームが少ないです。より具体的な商品名や商品カテゴリといったロングテールキーワードが多く存在するといったイメージとなります。
そのため、認知拡大や潜在顧客の獲得という目的には、Amazon広告は向いていないと言えるでしょう。
Amazon広告の効果的な運用方法
今回はAmazon広告で一番代表的であるスポンサープロダクト広告の効果的な運用方法についてご紹介していきたいと思います。
① 最初は「オートターゲティング」でデータを取る
Amazonのスポンサープロダクト広告には、「オートターゲティング」と「マニュアルターゲティング」という2種類のターゲティング方法があります。
オートターゲティングは、Amazonが自動で広告配信を行ってくれる方式です。実際の顧客データを分析した上でAmazon側でキーワードを選別し、自動的に広告を最適化してくれるため、マニュアルで行うよりも幅広いユーザーに商品が露出されます。
マニュアルターゲティングは、出品者が自らキーワード設定を行う方式です。初心者には少し難しい方式だと思います。
潜在的なキーワードを活用するためにも、最初はオートターゲティングを用いて、インプレッション数やクリック数、購入率などのデータをしっかり取っていきましょう。ある程度のデータが取れれば、マニュアルターゲティングに移行して最適化された広告運用をすることができるはずです。
② キーワードの「マッチタイプ」を調整する
Amazon広告では、他のリスティング広告と同じようにマッチタイプを設定することができます。マッチタイプには、「完全一致」「部分一致」「フレーズ一致」の三種類があります。
完全一致では、キーワードが完全一致した人にしか広告が露出されないため、より広告との関連性が高くなります。部分一致は、部分的にキーワードが一致すれば広告露出され、フレーズ一致は指定したキーワードフレーズが含まれている場合に露出されます。そのため、より幅広いユーザーへリーチすることができます。
オートターゲティングでデータを取った後に、効果的なキーワードに対し、マニュアルターゲティングでマッチタイプの調整を行なっていくことをオススメします。
③ 効果の悪い商品をキャンペーンから除外する
広告費は売上金額の一定割合以下に抑えることが最適と言われています。Amazonではそれを評価する数値として「ACoS(売上広告費比率)」という指標が使われています。
ACos は、「広告費 ÷ 売上」で計算されます。この ACoS が商品の粗利率以下に収まっていれば広告によって利益を最大化することができます。例えば、粗利率が30%であれば、ACoSが30%以内に収まるように運用するようにしましょう。
Amazonのスポンサープロダクト広告では、かけた広告費とそれによる売上がはっきりと分かります。クリック数は多いのに、購入に至らない商品は費用対効果が低い商品なので、広告対象から除外して、より効果的な商品群で挑むようにしましょう。
まとめ
今回は、Amazon広告の効果的な運用方法についてご紹介してきました。
多くの購買ユーザーを抱えるAmazonに出稿できるAmazon広告は、特にEC・通販事業者にとって、今後主要な広告媒体になっていくことは確実でしょう。
また、費用対効果も非常に高いので、EC事業を運営されている方はぜひ検討してみてください。