ACoS(売上高広告費比率)とは?

ROASと似た指標「売上広告費比率(ACoS)」とは?

「売上高広告費比率」のことを示す「ACoS」をご存知ですか?

よく広告の費用対効果を示す指標として「ROAS」が使われますが、こちらのACoSもEC事業者にとっては重要な指標です。

今回はACoSとはいったいどういった指標なのか?といった基本的な概念からROASとはなにが違うのか?そもそも読み方は存在するのか?といった疑問までご説明させていただきます。

ACoSとは?

「ACoS」(Advertising Cost of Sale)とは、Amazonのスポンサープロダクトからの直接的な売り上げ、または広告キャンペーンによるヘッドライト検索広告からのブランド全体売上に対する広告費の割合のことです。日本語表記だと「売上高広告費比率」となります。Amazon独自の指標であるため、聞きなれない方も中にはいるかもしれません。

これは広告費総額を売上総額で割って算出します。これを式にして見やすくすると以下のようになります。

広告費 ÷ 売上高 = ACoS

例を出して説明します。

500円の広告費をかけて1000円の商品を売った場合、

500円÷1000円×100倍=50%

ACoSは50%となります。売り上げに対して広告費が何%掛ったかを示す指標になるので、これは「1000円の売り上げ」に対して広告費が50%かかったということです。

しかし、そんな便利な指標であるACoSにも大きな問題が一つあります。

それは何と呼ぶのか定まっていないということです。

検索しても、読み方のフリガナが出てきません。Amazonの社員は読み方を「エーシーオーエス」としているみたいです。しかし、これは世間一般に言われている読み方ではありません。読み方は人それぞれにあるため、自分に合った読み方をしましょう。

ACoSの使用方法

簡潔に言うと、ACoSを理解すれば収益率が分かるということです。詳しく言うと、商品の粗利率をACoSが超えたら赤字ということになります。

粗利率とは

まず、粗利とは「売上高から売上原価を引いたもの」です。粗利とは提供した付加価値の大きさを示します。

これを式にすると以下のようになります。

売上高 - 売上原価 = 粗利

例を出して説明します。

売上高が1000円、売上原価が300円の時、粗利は

1000円-300円=700円

「売上が1000円だけど、売上原価が300円のため、もうけは700円」ということになります。

それを踏まえて粗利率を説明します。

粗利率とは、「売上高のうち、もうかった額の割合を大雑把に表した割合」です。

これを式にすると以下のようになります。

粗利 ÷ 売上高 = 粗利率

粗利率はあくまで大雑把な割合だということを心に留めていてください。

前述で述べたように商品の粗利率をACoSが超えたら赤字であると一目で分かります。

例えば、粗利率40%の商品でACoSが42%だとしたらその商品は2%の分の赤字となります。

ROASとは?

ここでは、よくACoSと混同されがちな「ROAS」のことについてお話します。どちらもWeb広告の効果を測定する際や広告費の予算決めに便利なのですが、ROASはACoSとなにが違うのでしょうか?

ここでACoSの計算方法をおさらいしましょう。

広告費 ÷ 売上高 = ACoS です。

一方でROASの計算方法は

売上高 ÷ 広告費 = ROAS です。

ROASはReturn on Advertising Spreadの略で、支出した広告費に対して何%の売上を増やすことが出来たかを測定する指標です。

ROASについてはこちらの記事をご覧ください。

【広告運用者必見】ROASとは?ROI・CPAとの違いや目標値の出し方も解説

2018.11.22

ACoSとROASとの違いとは?

ACoSとROASの二つがよく混同されるのは計算方法が似ている点からきます。これはよく勘違いされやすいので、以下でこの二つの違いを言葉で説明します。

ACoSは、コストや投資などのインプットの観点を重視している指標です。また、広告費の予算決め、事業計画の作成の際など、事前の計画の際に使いやすい指標です。

それに対してROASは、売上などの成果や効果といったアウトプットの観点を重視している指標です。また、事後的な広告の成果を測定する際や、リスティング広告、ディスプレイ広告、などのいくつかのWeb広告の中から比較検討する際に使いやすい指標です。

いずれにしても、広告費の効果や成果を表す大切な指標ですので違いはしっかり分かるようにしておくと便利です。

ACoSの活用方法

ACoSは、広告費のキャンペーン効果を測定するのに便利です。ACoSが低いということは、その分売上に対する広告費の割合が低いということです。

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出典:https://advertising.amazon.co.jp/products/sponsored-products

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まとめ

「ACoS」を理解することで、広告のコスト管理を効果的に行うことができます。ご参考までに。

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2019.09.04