インターネット広告の中でも「純広告」というキーワードを耳にしたことがあるのではないでしょうか?
今回は、運用型広告との違いと共に「純広告」についてご紹介していきます。
純広告とは?
純広告とは、WEB媒体の広告枠を一定期間買い取り、テキストや画像や動画などを掲載する「予約型広告」のことです。いわゆる「リザベーション広告」や「枠買い」とも呼ばれます。
純広告の代表例は、Yahoo! JAPAN のトップページ右上にある、「ブランドパネル」と呼ばれる広告枠です。
ちなみに、複数の媒体の広告枠を束ねたアドネットワークとは異なります。
純広告と運用型広告の違い
純広告は、広告枠を一定期間購入して広告素材を入稿したら、掲載期間が終了するまで基本的に何もできません。
それに対して運用型広告は、広告プラットフォーム上で広告枠と広告主がオークション形式で自動的にマッチングされるため、媒体の管理画面を通じて掲載期間や入札価格や広告素材などの調整を随時行いながら広告運用ができる、柔軟性のある広告形態です。
運用型広告のメリットとして、広告出稿のリスクを下げることができます。なぜなら、掲載期間を決めたり、ターゲットに応じたキーワードやユーザー属性の選定を行いながら、リアルタイムに配信結果が分かるため、広告効果が悪ければ配信を停止したり、広告効果が良ければ予算を追加したりできるからです。
一方で、運用型広告のデメリットは、広告のクリエイティブやキーワードの選定、配信する時間や地域などの細かい設定ができるため、広告運用における経験や知識、分析力が必要となることです。
運用型広告の特徴や詳細についてはこちらで書かれているので読んでみてください。
純広告のメリット
1.認知度を高められる
広告枠を一定期間買い取ることで、一定のインプレッション(広告表示)が保証されているため、多くのユーザーにリーチすることができます。より目立つ場所にある広告枠ほど、より多くのユーザー層にリーチできます。
2.ブランディング効果がある
Yahoo! JAPANなどの、不特定多数の人が見ている有名な媒体に掲載されることで「ブランディング効果」が見込めます。また自社の商材に特化した広告媒体に掲載することで、その商材に対して興味・関心やリテラシーの高い層にリーチすることができるのでとても効果的です。
3.信頼度が高くなる
広告枠には掲載可否というのが存在します。掲載可否では、業種や商材や企業を厳しく審査されます。そのため、有名な広告媒体に掲載できるということは、掲載に値するだけの価値があるということで、ユーザーからの信頼度が高くなるということを意味します。
純広告のデメリット
1.広告費用が高い
純広告は一般に、媒体の中でも最も目立つ枠であることが多く、価格が高額なことが多いです。そのため、ある程度まとまった広告予算が必要です。
例えば、先ほど紹介した、Yahoo! JAPAN の「ブランドパネル」という国内トップクラスの広告枠は、5日間の広告掲載で500万円〜という価格です。他にもサイトの背景画像も変更できるダイナミックな広告の場合は1000万円を超えるものもあります。
2.費用対効果が悪い
純広告のインプレッション単価は、運用型広告や成果報酬型広告に比べて、圧倒的に高いです。そのため、認知度向上には良いですが、登録や資料請求や購入などの獲得を目的とした広告としては費用対効果が悪くなります。
3.細かいターゲティングに向いてない
純広告は多くのユーザーにリーチすることを目的としており、細かいターゲティングは基本できません。一部、地域、性別、年齢などでターゲティングできる純広告もありますが、検索キーワードなどでターゲティングできるリスティング広告などのように、よりユーザーの詳細なニーズに基づくセグメントはできません。
また、ターゲティングしないブロードリーチの純広告と比べて、インプレッション単価はさらに高くなる傾向にあります。
純広告の種類と料金相場
純広告で掲載できる広告の種類と料金相場は以下のようになっています。
1.バナー広告
画像やアニメーションを使用して広告を表示させるものです。
料金相場は、想定インプレッション数×0.5~1円。
2.テキスト広告
テキストのみで表示するものであり、キャッチコピーや説明文などを記載します。
料金相場は、想定インプレッション数×0.5~1円。
3.リッチ広告
画像やアニメーションが拡大縮小したり、背景画像をジャックしたり、よりインパクトのあるダイナミックな動きがある広告です。
料金相場は、想定インプレッション数×1~3円。
4.動画広告
動画を利用した広告であり、YouTube を中心に広がりを見せており、現在増えている広告の一つでもあります。
料金相場は、想定再生数×0.5~1円。
5.タイアップ広告・記事広告
記事やコンテンツを広告として表示するものであり、媒体側と協力して商品やサービスを宣伝する手法です。料金相場は、想定PV数×20~150円。
純広告に出稿するにあたってのポイント
純広告に出稿する際のポイントは、「ターゲットとの相性」と「費用対効果のシミュレーション」と「最適なクリエイティブ」です。
① ターゲットとの相性
自社の商品やサービスと相性の良い媒体かどうかを見極めてください。純広告はより広くユーザーにリーチする手法ですが、自社の商品やサービスに関心のあるユーザーにリーチした方がよりお客さんになる可能性が高くなります。
自社の商品やサービスについて知りたいと思うユーザーが多いほど、商品の認知度向上や広告のクリック率も高くなります。
例えば、男性が多く見る媒体に女性向けの化粧品の広告を掲載しても、商品に対する興味・関心は高くならないでしょう。また購買にもつながりにくいでしょう。
② 費用対効果のシミュレーション
純広告は想定の広告表示(インプレッション)数xインプレッション単価で広告費用が決まります。広告表示に対してどれぐらいのクリック率がありそうか、その後どれぐらいのコンバージョンにつながりそうかを媒体担当者から過去実績をヒアリングして、シミュレーションしてみてください。
あらかじめシミュレーションしておくことで、実際に配信した後の結果と見比べて、それが想定通りなのか想定外なのかを把握できます。そして、どこを改善すべきなのかが分かるため次に活かすことができます。
③ 最適なクリエイティブ
純広告は運用型広告とは違い細かく広告素材(クリエイティブ)を調整できません。そのため、あらかじめいくつかのクリエイティブを入稿しておくか、本番出稿の前により小規模な広告枠でテスト配信し、最適なクリエイティブを見つけてから本番出稿するといった工夫が必要です。
純広告まとめ
いかがでしたでしょうか。
純広告は細かいターゲティングには向いていませんが、認知度や信頼度を高めるには効果的な広告です。ユーザーの記憶に残るインパクトのある広告を出稿することもできますので、自社の商品やサービスに合わせて検討してみてはいかがでしょうか?