グノシーのアドフラウド事例とその対策

グノシーのアドフラウド事例とその対策

皆さんアドフラウドという言葉をご存知でしょうか。アドフラウドとは広告費用に対する成約件数や効果を不正に水増しする不正な広告のことを指します。

近年の広告業界の健全性を脅かす問題として、注目を集めています。実際、アドフラウドの具体的な問題の把握や対策を行なっている企業がまだまだ少ない中、ニュースアプリを提供するグノシー社はいち早く対策に取り組んできました。

今日はそんなグノシー社のアドフラウド事例とその対策についてご紹介したいと思います。

アドフラウドとは

アドフラウドとは、無効なインプレッションやクリックによって広告費用に対する成約件数や効果を不正に水増しする不正な広告のことです。広告詐欺や広告不正とも呼ばれます。

アドフラウドとは

引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000016.000013903.html

現在の日本のモバイル広告不正発生率は10%から20%を超えていると言われており、潜在的にはそれ以上の広告被害があることも推測されています。

アドフラウドの被害は、ネット広告の成長に伴い、世界全体で拡大の一途をたどっており、調査会社フォレスター・リサーチによると、2016年の被害額は推定74億ドル(約8300億円)。世界広告主連盟によると、2025年時点で500億ドル(5兆6000万円)を超えるとまで予想されています。

また、広告の57%が新しいテクノロジーを利用したものと言われており、アドフラウドそのものも日々進化していることがわかります。それにも関わらずアドフラウドを知らない日本のマーケターは80%以上と言われており対策がかなり遅れています。

「アドフラウド(Ad Fraud)の種類と対策とは」の記事はこちらをご覧ください。

アドフラウド(Ad Fraud)の種類と対策とは

2018.11.14

アドフラウドは以下のような不自然な配信ログの動きによって見分けられます。

  • ユーザーが起動後ある日を境に急にいなくなる
  • 会員登録などのアプリ内イベントが全く発生していない
  • オリジナルで作成したイベントが発生していない
  • デバイスがタブレットに集中している

グノシー社のアドフラウド事例

このようにアドフラウド対策を行なっている企業がまだ少ない中で、グノシー社はアドフラウドの問題をいち早く認識し、対策に取り組んできました。

2019年1月、グノシー社は自社の国内ニュースアプリで最も人気の高いアプリ「Gunosy(グノシー)」にAdjust(効果測定ツール)のアドフラウド防止機能導入した事例を発表しました。

Adjust株式会社とは

モバイル計測およびアドフラウド防止業界のリーディングカンパニーです。Adjust SDK搭載のアプリのアクティブユーザーは世界で13億を超えており、グローバルで最も使用されています。また、クラウドサービスを使用せず、自社のサーバーからサービスを提供する、業界でも特別な存在となっています。

透明性の高いオープンソースのSDKや、長期間のデータの保存が可能なこと、取得できるデータの多様性と正確性、さらにアドフラウドをリアルタイムで除外する機能などがAdjustの強みとなっています。

Adjustは、Facebook、Twitter、Google、LINEの正式マーケティングパートナーになっており、国内外の主要広告ネットワークパートナーとも連携済みです。楽天、リクルート、メルカリなど国内400社以上のトップパブリッシャーを始め、25,000以上のアプリで、パフォーマンス向上のためにAdjustのソリューションが導入されています。

「アプリの計測ツール3選」の記事はこちらをご覧ください。

adjust、Appsflyer、TUNE、アプリの計測ツール3選

2018.11.28

導入背景

グノシーのプロモーションチームは、2017年の春に、アプリキャンペーンの拡大のための配信ネットワークを増やし、Adjustから受信するログデータの分析を始めました。その中で、継続率(インストール後にアプリを使い続けるユーザーの率)の配信ログに不自然な数字の動きが見られたため、分析したところアドフラウドの被害に遭っていたことが判明しました。

その後、Gunosyメディア運営推進部プロモーションチームマネージャー石渡氏とプロモーションチームは、ログデータの確認作業や返金交渉を行う時間のロス、アドフラウドによる広告コストの削減のため、不正検知と除外をオートメーションすることが可能なAdjustのアドフラウド防止機能を導入することにしました。

検出された不正タイプ

2017年5月の導入以来、グノシーからは主に以下の3つのタイプが検出されています。

不正タイプ

引用:https://www.adjust.com/ja/resources/case-studies/gunosy/

① SDKスプーフィング

SDKスプーフィングは、インストールは実際に発生していないのに、表面上正当に見えるなりすましのインストールを生成することで、広告主の予算を横取りする不正手口です。

② クリックスパム

クリックインジェクションの一種で、ユーザーの自覚や同意、意図なしに、ユーザーに代わって広告のクリックを大量に実行する不正手口です。

③ クリックインジェクション

クリックインジェクションは、広告のマネタイズを目的としたアプリをユーザーにインストールさせ、そのユーザーが新しいアプリをインストールするタイミングに合わせて不正クリックを注入し、アトリビューションを横取りする不正です。

「クリックインジェクション」は導入当初最も多かった不正タイプの1つで、媒体によっては8~9割がこの不正である場合もありました。

「SDKスプーフィング」は2018年7月に「SDK Signature」機能を導入して以来、クリックインジェクションに代わり最も多く検知されている不正です。11月には導入当初最も多かった数万件単位で検出され、2番目に多かった「クリックインジェクション」の約5倍に達しました。

不正インストール数の推移

不正インストール数推移

引用:https://www.adjust.com/ja/resources/case-studies/gunosy/

Adjustのデータによると、グノシーは導入以来1ヶ月間で最高約3万件の不正を検出しました。Gunosyはアドフラウド防止ツールのデータを利用し、不正の多い媒体を厳密に選定しています。現在はアドフラウドの検出が少なく安定した少数の媒体のみを利用することができるため、アドフラウド被害は、業界水準以下に抑えられています。

ツール導入による改善点

Gunosyの石渡さんによると、Adjustのアドフラウド防止機能を利用したことで以下の5つの改善点がみられました。

① 無駄な広告予算を削減

アドフラウド防止機能導入の一番大きなメリットは、大幅なコストカットです。Gunosyではアドフラウド防止機能の導入費用の、10~20倍のコスト削減ができるようになりました。また、アドフラウドは広告費を奪うだけではなく、オーガニックを含めたキャンペーン全体のデータを歪めるため広告効果の判断に影響を及ぼします。不正を排除することにで、より正確なデータに基づくマーケティング施策が可能になりました。

② 不正検出のために費やしていた時間を削減

グノシーでは1日に非常に多くのインストールが発生します。このような大規模の配信ログから不正を特定する作業は、多くの時間を要します。Adjustのアドフラウド防止ツールはアドフラウドを瞬時に検知し、除外することが可能です。

③ 媒体との返金交渉の手間を省略

導入以前は、チームメンバーが連日媒体の担当者に連絡し、不正があることを説明する必要がありました。正常なインストールと不正なインストールを媒体側に分けてポストバックすることが可能になり、媒体との返金交渉の手間が省けました。

④不正の多い媒体を特定

アドフラウドが多いネットワークを明確にし、信頼できる媒体のみを利用することが可能になりました。Gunosyは不正媒体を特定し、結果導入時と比較して、受信するアドフラウド自体を削減することに成功しました。

⑤新規媒体へのチャレンジ

多少リスクがあったとしても、防止機能があれば不正を除外できるため、新規の媒体にも安心して取り組めるようになります。新規ユーザーの開拓やキャンペーンを新たな媒体を通して行う場合などは、リアルタイムで不正検知・除外を確実に行ってくれるツールの導入が重要です。

まとめ

近年の広告業界の健全性を脅かす問題として、注目を集めているアドフラウド。

アドフラウド対策を行なっている企業はおろか、アドフラウドを正しく認識していないマーケターが大半であるのが現状です。そんな中いち早く対策に取り組んできましたグノシーの事例をご紹介しました。

具体的な対策が分からないという方はぜひ参考にしてみてください。

グノシーのアドフラウド事例とその対策

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