今回は、デジタルマーケティング、インターネット広告の中でもDSP広告を取り扱う「FreakOut」に着目したいと思います。
そもそもDSP広告とはどんな仕組みなのか、他の広告媒体と何が違うのか、広告効果はどうなのか、さまざまな観点からご紹介していきたいと思います。
【目次】
DSP広告とは?
DSPとは「Demand-Side Platform」の略称で、広告主のプラットフォームの一種です。広告在庫を提供するSSP(Supply-Side Platform)とシステム的に連携することで広告配信をすることが可能です。
DSPとSSPを接続する際にリアルタイム入札(RTB)をすることで、広告1インプレッション単位で入札を行い、広告の最適配信を目指す仕組みです。
「アドネットワーク」との違いは、アドネットワークは複数の広告配信メディアを束ねただけなのに対し、DSPはそれらアドネットワークやSSPにまたいで広告配信できるプラットフォームです。
ただし、DSP で配信できる広告配信面(メディア)は限定されており、例えば Facebook や Google に配信できたとしても、Exchangeと呼ばれる(自社で広告配信できなかった余り広告在庫を他社に売る)仕組みを通して提供された配信面のみに配信できますので、広告在庫の質という意味では玉石混交となります。
FreakOut(フリークアウト)のDSP
DSP広告を売りにする企業は多く存在しますが、日本でその草分け的存在でもあるFreakOut(フリークアウト)についてご紹介します。
2010年10月に設立されたFreakOutは先程ご紹介したDSPを専業とする株式会社FreakOutが運営するDSP広告サービスです。
「人に人らしい仕事を」をミッションとする株式会社FreakOutは日本で最初にDSPの市場展開に成功した企業です。要因としては「DSP事業」だけに特化しているということが挙げられます。創業時から複数の事業を行わずに、いかに自分たちのプロダクトの性能を上げるかを追及してきました。
創業者である本田譲氏は実業家・エンジェル投資家・連続起業家であり、現在はFreakOutホールディングスとして海外事業も展開しています。
FreakOut DSP の仕組み
それでは、FreakOutのDSP広告が実際にどのような仕組みになっているのか、解説していきたいと思います。
DSPに限らず多くの広告プラットフォームでは基本的に以下の2つの仕組みで広告運用を行います。
- アルゴリズム最適化
広告の配信設定や配信結果をもとに、DSP独自のアルゴリズムによって広告の配信を最適化する仕組みです。
自動で広告運用を行ってくれるので運用コストを削減できます。
- 手動運用
実際の広告パフォーマンスをもとに手動で運用していく仕組みです。
手動で運用していくということで手間はかかりますが、細かな設定変更が効くため、柔軟なアプローチをとることができます。
FreakOutは手動運用寄りなプラットフォームで、実際の運用はFreakOut社員によって行われます。
FreakOut DSP の特色
他のDSP広告にはない、FreakOut が持っている特色を3つご紹介したいと思います。
- 圧倒的なリーチ力
FreakOutは接続先であるSSP(広告配信先)が非常に豊富です。
PCで約1700億imp/月、モバイルで約4500億imp/月を誇る広告在庫を確保しています。更にAIの学習機能を用いて、最適なユーザーと広告枠を選び出してマッチングを行います。更に2017年より、優良アプリの買い付け・独占枠の提供を開始したことによりこの強みは益々際立っています。これらの点よりリーチの拡大、リターゲティングの効率化を図ることができるでしょう。
- 柔軟なコミュニケーション設計
先程も述べたように、FreakOutのDSPは手動運用寄りです。DSP専業による豊富なノウハウとAIの学習機能を用いた最適化エンジンによって、パーソナライズされた最適案の提示・臨機応変な対応を取ることが可能なのです。上記画像のようなフルファネルに対応しているということもありどの段階でどういう施策をすればいいのかという課題も包括的に管理してくれます。
- ブランド施策効果に長けている
FreakOutは一般的にブランド施策に長けていると言われています。具体的にはブランドイメージを損なわせないための「アドベリフィケーションの搭載」という面が大きいです。FreakOutのアドベリフィケーションは主に2つの機能から出来ています。
① ブランドセーフティ機能
アドネットワークを用いた広告配信は多数のメディアに露出の機会が増えるというメリットを持つ一方で、どこに配信されているのかを広告主が確認出来ないというデメリットもあります。場合によってはブランドイメージにそぐわない、もしくはイメージを損なうような種類のメディアに出稿されてしまうかも知れません。しかしFreakOutのアドベリフィケーションツールであれば公序良俗に反するようなメディアへの配信はされなくなるので、ユーザーが広告に対してネガティブな反応を示しにくくなります。
② ビューアビリティの保証
DSP広告は広告に対するインプレッションに課金が発生する仕組みを取っています。広告インプレッションは広告が記載されているWebページがロードされるタイミングで発生するため、ユーザーがその広告を見たかどうかは関係なく課金されてしまうのです。FreakOutは広告が画面に1秒以上(動画の場合は2秒以上)表示されないものには配信を促さないというビューアビリティの保証も行っています。
FreakOut DSP の注意すべき点
こちらの「DSP の課題」でも書きましたが、DSP での広告配信にはいくつか注意すべき点があります。
- 優良広告在庫にアクセスできない
DSP の特徴は様々なメディアの余った広告在庫に効率的に配信することです。裏を返すと、優良広告在庫にはアクセスできないことになります。
広告枠には効果の良い掲載面というのが存在します。例えば、ユーザーが一番よく見るファーストビューや何かのアクションを完了した後のページなどです。また、Google や Facebook も自ら広告プラットフォームを提供していますので、優良な広告在庫は自分たちで広告主に売るのが基本です。そのため、DSP に提供される広告在庫は基本的に効果のあまり良くない掲載面を束ねたものになります。
効果の良い広告掲載面に広告配信したいのであれば、それぞれの広告プラットフォームに直接出稿するのが良いでしょう。
- ターゲティング方法が不明瞭
DSP のターゲティングは、ブラウザに保存されたクッキーやユーザーのアクセスしている端末情報、他のサイトのアクセス履歴など様々な情報を使ってターゲティングを行います。
そのため、昨今問題になっている個人情報やプライバシーの問題と密に関係してきます。ユーザーが情報を提供しなくなれば、DSP広告のターゲティング精度に根本的に影響します。また、ユーザーからするとDSPから広告配信されたというのは分かりませんので、広告主の情報管理体制が問われることになります。
- 獲得系のクライアントには向いていない
一般的にDSP広告を利用するのは、リーチを稼ぎたい大手ブランドや動画の視聴促進などの目的で使われることが多いです。
前述のように、広告在庫の質とターゲティング精度の問題から、ECサイトやリード獲得のような獲得系案件においては、CPAを抑えて広告配信することは難しいと言えます。自社のプロモーションにおいてDSP広告が最適化どうかを考えて出稿することをおすすめします。
DSP広告「FreakOut」まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は国内DSP市場を開拓したFreakOutについてご紹介しました。
DSP広告の特徴と課題をしっかり理解した上で、自社のプロモーションにDSP広告が最適かを検討されるのが良いと思います。