「インスタ映え」という言葉を当たり前のように聞くようになった昨今、マーケティング業界においてもInstagramへの注目度は急速に高まりました。そして、マーケターのInstagram広告利用も非常に増えてきています。
そこで今回は、Instagram広告の種類や特徴、費用やメリット・デメリットについてご説明したいと思います。
【目次】
Instagram(インスタグラム)広告とは?
そもそもInstagramとは、画像や動画を投稿して共有できる世界最大級のユーザー数を誇るアプリです。日本ではまだまだ利用者数も伸びており、若者を中心に注目されているサービスです。
そして、Instagram広告とは、そのInstagramのフィード上に画像や動画などを掲載できる広告のことです。
すべてのInstagram広告の右上には[広告]アイコンが表示され、画像の下にCTA(コールトゥアクション)ボタンが表示される場合もあります。広告のキャプションも画像の下に表示されます。
Instagram広告の特徴としては、大きく以下の3点が挙げられます。
- 多彩なターゲティング
- キャンペーン目的に合わせたCTA
- ハッシュタグ
- 多彩なターゲティング
Instagram広告のターゲティングは、Facebook広告で活用されているターゲティング機能を活用しているため多彩なターゲティングが可能です。
地域・年齢・性別はもちろんのこと、興味関心や行動、言語や既存の顧客データを用いたカスタムオーディエンスといったものまで、様々なターゲティングができます。つまり、自社ブランドがリーチしたいターゲットユーザーに対してピンポイントに広告を配信することができるというわけです。
Instagram広告のターゲティングに関しては以下の記事をご覧ください。
- キャンペーン目的に合わせたCTA
Instagram広告では、キャンペーン目的を選択することができ、それに伴い、適切なCTA(コールトゥアクション)を設定することができます。様々なキャンペーン目的から選択できるので、プロモーションの目的に合ったものを選ぶようにしましょう。
Instagram広告で選択できる広告の目的は以下のようなものがあります。
- ブランドの認知度アップ
- リーチ
- トラフィック(ウェブサイトへのクリック数またはアプリストアへのクリック数)
- エンゲージメント(投稿のエンゲージメントのみ)
- アプリのインストール
- 動画再生数アップ
- リード獲得
- コンバージョン(ウェブサイトでのコンバージョンまたはアプリ内コンバージョン)
また、CTAにも様々な種類があり、選択できるCTAは広告の目的や広告の種類によって変わります。例えば以下のようなものがあります。
- アプリを利用
- 音楽を聞く
- ビデオを見る
- リンクを開く
- インストールする
- ゲームをプレイ
- 登録する
- 予約する
- 他の動画を視聴
ビジュアルに特化しているInstagramですが、広告を出稿する際は目的とCTAにもこだわらなければ成果を上げることはできませんので、こちらもしっかり抑えると良いでしょう。
- ハッシュタグ
ハッシュタグとは、InstagramなどのSNSで投稿する際に、テキスト部分に入力する「#」のことを指します。ハッシュタグの役割としては、投稿内容を表したり、ユーザーの好きなものや趣味を表したりと個人によって異なります。
Instagramにおいては、ハッシュタグで検索をかけるユーザーも多く重要な要素です。しかし、注意点としてハッシュタグで検索をかけても広告は表示されませんので、あくまでユーザーがどんなハッシュタグを使って投稿しているか気にするくらいで大丈夫です。
また、ハッシュタグをツールを使ってどんなハッシュタグが多く使われているのかなど分析することも可能です。
Instagram広告の種類
Instagramの広告は5種類あります。
①写真広告
②動画広告
③カルーセル広告
④ストーリーズ広告
⑤コレクション広告
①写真広告
Instagramのフィード画面に表示されるシンプルな広告で、3種類のフォーマット(正方形(600×600px)、長方形(600×315px)、縦長(600×750px))があります。
②動画広告
写真広告と同様にInstagramのフィード部分に動画を表示させることができる広告で、2種類のフォーマット(正方形(600×600px)、長方形(600×315px))があります。
③カルーセル広告
横にスライドさせると複数枚の画像を表示させることができる広告です。フォーマットは正方形(600×600px)のみで、Instagramでは特に見てもらえる可能性の高い広告です。
④ストーリーズ広告
2017年3月に全広告主が利用できるようになった比較的新しい広告フォーマットで、Instagramのフィードの上部に表示されます。ストーリーズの投稿と投稿の間に表示されるため自然にリーチすることが可能です。フォーマットとしては全画面に表示されるタイプです。
ストーリーズは24時間で消えてしまいますが、ストーリーズ広告は24時間で消えるということはありません。
ストーリーズ広告の活用方法に関しては、以下の記事をご覧ください。
⑤コレクション広告
2018年7月に、全広告主が利用できるようになったフォーマットです。
1つの広告内で、複数の商品やサービスを宣伝できるまさにカタログのような広告を配信できるので、アパレルブランドやコスメブランドなどに利便性の高い広告フォーマットだと言えます。
また、ブランドとしてのストーリーを伝えることが可能なので、ブランディングにも繋がるでしょう。
Instagramの広告料金
Instagram広告には以下の4つの課金方法があります。
・CPM
・CPC
・CPI
・CPV
① CPM (Cost Per Mill)
インプレッションの数によって料金が変わる課金方式で、WEB広告でよく見られるスタンダードなものです。このタイプは広告が1,000回表示された時点で課金されるタイプで、認知拡大やリーチ拡大を目的とする広告に最適な課金方式です。
CPMは、何回クリックされても費用は変わりませんが、広告がユーザーのフィードに表示されるだけで費用が発生します。1リーチあたり0.5〜1円が目安です。
② CPC (Cost Per Click)
広告がクリックされる度に料金が発生する課金方法で、CPMとともによく使われます。自社サイトやアプリダウンロードページへの誘導、商品購入が目的である時になどに向いています。1クリック40〜100円が目安です。
③ CPI (Cost Per Install)
アプリがインストールされる度に料金が発生する課金方法です。アプリのインストールを目的としているキャンペーンに向いています。
Instagramの性質上、スマートフォンユーザーが非常に多いためアプリ広告との相性が良く使われることが多いです。1インストール100〜150円が目安です。
④ CPV (Cost Per View)
動画の再生時間に応じて料金が発生する課金方法です。動画のほとんどが再生される、または再生数が合計10秒以上になると費用が発生します。1再生4〜7円が目安です。
動画広告はCPMかCPVのいずれかから選択できます。選び方のポイントとしてはより多くの人にリーチさせたい場合はCPM、興味が高いユーザーにしっかりリーチさせたい場合はCPVを選ぶと良いでしょう。
Instagram広告にかかる費用についてはこちらの記事をご覧ください。
Instagram広告のメリット・デメリット
今まではInstagram広告についてご紹介してきました。ここからは、Instagram広告の利用を検討されている方に向けて、Instagram広告のメリットとデメリットをご紹介していきたいと思います。
Instagram広告を利用するメリット
・20~40代女性ユーザーにリーチできる
Instagramのユーザーは以下のグラフから読み取れるように、20~40代では特に女性が多いです。なので、若年層の女性をターゲットにした商品やサービスを宣伝するのに最適な場所です。また、若い世代の顧客を獲得できるプラットフォームというのは、案外少ないもので、特に若い女性に多くリーチできるメディアとなるとかなり貴重です。
・インパクトのある写真で商品のアピールができる
Instagramは他のメディアと比較して、文字ではなく写真や動画で視覚的に商品をユーザーにアピールできることが特徴です。文字よりも写真や動画で商品をアピールすることによって、ユーザーも商品のイメージがつきやすくなり、何よりもユーザーの目を引きつけることができます。つまり、しっかりとしたターゲティングができれば確実なアピールに繋がるということです。
・世界中のユーザーに発信できる
Instagramは8億人以上のアクティブユーザーがいる世界規模の写真投稿サイトです。Instagram広告を利用すると、国内だけでなく海外に向けても簡単に商品やサービスを宣伝することができます。また、ハッシュタグを活用することでその商品やサービスに関心があるユーザー層の目に触れることも多くなり、サービスの促進に繋がるでしょう。また、Instagramは特性上、画像や動画といったビジュアルがメインなので言語面でのハードルが他媒体と比べて極めて低いです。
・自然な宣伝ができる
今、「広告っぽさ」や「あからさまな宣伝」に抵抗感をもつユーザーが徐々に増えてきており、それに伴って「ネイティブ広告」という広告が増えてきています。ネイティブ広告とは、広告らしさを感じさせない広告のことです。
Instagram広告は「タイムラインに流れる画像や動画の中の1つ」として掲載されるので、広告っぽさの少ない宣伝ができます。
【写真広告】
【ストーリー広告】
Instagram広告を利用するデメリット
・BtoB向けのプロモーションとの相性が好ましくない
Instagramはあくまでユーザーへの情報発信ツールなので、BtoB向けの商品やサービスを提供している企業にとっては相性が悪いかもしれません。
・相互性のあるコミュニケーションを取りにくい
フォロワーの友達などに投稿した写真が見られることはありません。なので、拡散力が低いです。また、TwitterやFacebookのように文字をメインとした媒体ではないので、コミュニケーションが取りづらい点ではデメリットと言えるでしょう。
Instagram広告の活用事例
・LIPTON(@lipton_japan)
紅茶の専門家リプトンでは、水出しアイスティーを使った「フルーツインティー」の専門店の告知が高い反応を得ていました。写真の美しさだけではなく、涼しげで夏らしい一枚に思わず飲んでみたいと思われた方も多いのではないでしょうか。今話題の「インスタ映え」な商品です。このように季節やタイミングを捉えた商品はInstagram上でも反響を得やすくなります。
・ダイソー(@daiso_official)
ダイソーでは、色やデザインの近いステーショナリーを並べて投稿することで、統一感や世界観を持たせながら、一度に複数のアイテムを紹介しています。写真の見栄えが良いと買いたくなりますよね。100均であるからこそ、製品の魅力を最大限に引き出そうとする工夫が見受けられます。また、キャプションには品番や製品名を記載しています。ユーザーが店舗で商品を探したり、店員に確認したりする際にも便利ですね。こうした小さな気遣いが販売促進に繋がったように思えます。
・バイトル(@baitoru_official)
日本最大級のアルバイト・パート求人サイトであるバイトルは、ストーリーズの利用者の伸びが急成長していることに注目しました。接触機会を最大化するために、ストーリーズの利用を試みていました。しかし、9:16の縦長クリエイティブを数多く供給することが難しい体制であったため、なかなか積極的な活用ができていませんでした。
その後、ストーリーズ広告にフィードのクリエイティブを共用できる新機能(フルスクリーンサポート)が加わったことにより、9:16以外のアスペクト比の素材も入稿できるようになりました。バイトルはこの機能を活用し、フィード用に展開していた1:1の静止画をストーリーズにも展開することになりました。それによって、使用可能な素材の数が5倍に増え、バイトルはストーリーズ広告を最大限に活用し、効率的に獲得数を伸ばすことに成功しました。
Instagram広告のまとめ
Instagram広告は低予算から出稿でき、特に女性をターゲットする場合は非常に有効的な広告です。
しかし、広告のクリック率によってInstagramの表示優先順位を下げられてしまう可能性があります。Instagram広告を利用する場合は、自社の商材のターゲットに対し、効果が最大化される広告の種類と課金方法を選択するよう心がけてください。
Instagram広告については以下の記事も参考にしてみてください。