マーケティング基本戦略の立て方《マーケティング担当者必見》

マーケティングの基本戦略

「マーケティング」と聞くと何を想像しますか?

市場調査や広告をイメージされる方も多いと思います。もちろん、市場調査や広告などもマーケティングの一部の機能であるので間違いではありませんが、マーケティングの全てというわけではありません。

今回はマーケティングとはそもそも何なのか、また、マーケティング戦略の基本やマーケティング戦略に役立つフレームワークなどご説明したいと思います。

マーケティングとは?

“正確にマーケティングを定義すると、「企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である」

引用 : 日本マーケティング協会-マーケティングの定義

日本マーケティング協会のマーケティングの定義には上記のように記されています。

少し難しいと感じるかもしれませんが、マーケティングとはつまり「儲かり続ける仕組みを作ること」です。しかし、大切なのは自社のみが儲かるのではなく顧客も儲かり続ける必要があるということです。自社と顧客の間にWin-Winの関係が永く続く必要があります。

マーケティングの戦略とは何か?

マーケティング戦略とは、自社と周辺環境に照らし合わせて無限にある戦術から、最も効率的にマーケティング目標を達成できる手段や方法を選択していくプロセスです。

そもそも戦略とは「優先順位」をつけることですが、目的を達成するために、限られたリソース(ヒト、モノ、カネ、情報、時間、ブランドなど)をいかに効率よく活用するのかを考える必要があります。目的→戦略→戦術といったように大きいところから順に考える戦略的思考が必要です。

① 戦況分析

② 目的 (達成すべきゴールは?)

③ 目標 (誰に?)

④ 戦略 (どんな価値を?)

⑤ 戦術 (どうやって提供するのか?)

の順番で、必ず目的に近いところから順番に考えていきましょう。

具体的には、「誰に(セグメンテーションとターゲティング)」「どんな価値を(ポジショニングとバリュープロポジション)」「どのように提供するか(4C)」を定めていくことになります。

※4Cについては後ほど詳しく説明します。

例えば、商品開発部門のマーケターであれば、新商品をヒットさせるために商品コンセプトをどうするか、ターゲットは誰にするのか、いつ発売するのかを決めていくことになります。

また、マーケティング戦略の策定には、自社の強みや市場など分析や調査は欠かせません。昨今、高度なマーケティングリサーチに基づくマーケティング戦略の策定が多くの企業でも行われており、小手先の対応では市場で勝ち抜くことは困難です。

マーケティング戦略と戦術の違い

マーケティング戦略を考える際、間違われやすいのがマーケティング戦術です。戦術とは、戦略によって決められた方向性を達成するための具体的な手法になります。

例えば、コンビニの新商品(秋のデザート)を20〜30代の独身女性向けにプロモーションをするにあたって、どのようなメディアでどういったアプローチをしていくのかを考えるのが戦術になります。戦略の方が戦術よりも大事ですが、最終結果を大きく左右するのは戦術となります。

マーケティング戦略に役立つフレームワーク

フレームワークとは直訳すると「枠組み」「骨組み」「構造」になります。

マーケティングにおけるフレームワークは数多くありますが、今回は代表的な5つをご紹介します。

① マーケティングの基本のフレームワーク「4P」「4C」

マーケターなら誰もが知っている基本のフレームワークが「4P」「4C」です。

マーケティングの世界の4Pとは

・Product(商品)

・Price(価格)

・Place(流通)

・Promotion(プロモーション) 

のことです。頭文字がすべて「P」で始まるため、4Pと呼ばれています。この4つのPを組み合わせながら、企業に最適なマーケティング手法を考えるのが、マーケティングの基本となります。

そして、4Pを消費者視点で解釈し直した4Cとは

・Customer Value(顧客にとっての価値)

・Customer Cost(顧客の負担)

・Convenience(入手の容易性)

・Communication(コミュニケーション) 

のことです。

この4Cは4Pにとって代わるものではなく、どちらかというと対になるものであり、4P、4C双方の観点(企業側、消費者側の両方の視点)からマーケティングは考える必要があります。

② 戦況分析の「5C分析」

マーケティングを成功させるためには、戦況分析を行って顧客や自社、市場構造を理解し、市場を味方につけることが最も大事です。

5C分析とは、Company(自社の理解)、Consumer(消費者の理解)、Competitor(競合他社の理解)、Customer(流通など中間顧客の理解)、Community(ビジネスを取りまく地域社会の理解)に着目した市場細分化分析をおこない、ポジショニングをすべき市場セグメントを見つけ出すマーケティング手法を指します。

このうち、Company、Consumer、Competitorの3つはよく知られており、3C分析とも呼ばれます。

5C分析でのポイントは下記の通りです。

◎ Company

・会社の目指す方向性、イメージ

・自社の強み・弱み

◎ Consumer

・量的理解(年齢、性別、家族構成など)

・質的理解(消費者ニーズ)

◎ Competitor

・競合他社

◎ Customer

・全体戦略

◎ Community

・世論

・景気

③ 課題発見のためのフレームワーク「PEST分析」

マーケティング戦略 PEST分析

PEST分析では、事業を取り巻く外部環境を、政治、経済、社会、技術の4つの視点で分析します。そうすることで、自社分析だけでは気づくことができない外部環境の分析を行うことが可能です。

④ 漏れなく全体を網羅するためのフレームワーク「MECE」

MECE(ミーシー)とは、「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の略で、直訳すると「お互いに重複せず、全体に漏れがない」になります。

物事を整理する際、ある部分が重複していたり抜けてしまったりすることを可能な限り防ぐための基本です。いわゆる「抜け漏れなく」ということですね。

⑤ ブラッシュアップし続けるためのフレームワーク「PDCA」

「PDCA」はマーケターではない方も一度は聞いたことがあるかもしれません。このPDCAとは、「Plan→Do→Check→Action」の4つのステップで管理する方法です。

この4ステップが一度回ったからといって完了ではなく、何度も繰り返し実行と改善を行い、プロセスをブラッシュアップしていきます。

マーケティングの基本戦略の立て方のまとめ

いかがでしょうか?マーケティングはなかなか奥が深いですよね!

マーケティングの基本、マーケティング戦略の基本をおさえて効果的なマーケティングを実施しましょう。

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2018.11.09