インバウンドマーケティングとは?アウトバウンドマーケティングとの違いやコンテンツマーケティングとの違いや事例もご紹介

皆さんはお店から商品・サービスの案内の電話がかかって来たり、たくさんのダイレクトメールが送られてくるのに圧迫感を覚えたことはないでしょうか。情報が溢れる現代ではこういったマーケティングの方法は効果的でなくなってきていると言われています。そういったマーケティンングに代わり注目されている「インバウンドマーケティング」についてご紹介したいと思います。

インバウンドマーケティングとは?

インバウンドマーケティングとは顧客に商品・サービスを「自ら見つけてもらう(プル型)」ことを目指すものです。具体的には、SEOやブログ、ソーシャルメディアなどが挙げられます。企業側が顧客に働きかけるアウトバウンドマーケティングと対をなす概念です。

インバウンドとアウトバウンド

引用:https://north-media.jp/WebBoard/data/7/page_7_13.html

インバウンドマーケティングは2006年に米国HubSpot社の2人の創業者、ブライアン・ハリガン氏とダーメッシュ・シャー氏によって提唱されたもので、「こちらから人々に向かっていくマーケティングから、向かってくる人々に対応するマーケティングへ」という考え方です。

どれだけ広告を出しても「もともと関心があること」や「自分に関係があると感じられるもの」でなければ基本的に気付いてもらえないと言われています。膨大な量の情報が溢れる近年では情報は顧客が能動的に探し、取捨選択するものとなっています。こういった背景からインバウンドマーケティングが生まれたといえます。

インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングの違い

ここではインバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングの違いについてご説明します。
アウトバウンドマーケティングとは、企業側から顧客に対して広告出稿や電話営業など、プッシュのアプローチを行うマーケティング手法です。

これを踏まえて、インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングの違いとして、インバウンドマーケティングは顧客に情報を見つけてもらうものに対して、アウトバウンドマーケティングは顧客の意思に関係なく情報を届けることができるということがあります。

市場の認知度に合わせて、インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングの両方をうまく使い分けることが理想的だといえるでしょう。

インバウンドマーケティングとコンテンツマーケティングの違い

ここまでこの記事を読んで、インバウンドマーケティングはコンテンツマーケティングと同じではないのか?と疑問に思っている方もいるかと思います。
確かに同じような意味ではあるのですが、コンテンツマーケティングはインバウンドマーケティングの中の手法だと考えていただいた方がいいかもしれません。

下で説明するのですが、インバウンドマーケティングは、顧客に商品やサービスを購入してもらいファンにし、拡散するまでのプロセスです。
そのプロセスの中の顧客を「惹き付ける」部分をコンテンツマーケティングが担うのです。つまり、コンテンツマーケティングは潜在顧客に興味を持ってもらうための手法だと思っていただければいいかと思います。

インバウンドマーケティングのメリット・デメリット

メリットは主に4点挙げられます。

  • 顧客に嫌われない
    先ほどから述べているように訪問営業やDM、バナーなど、情報を押し付けられることに、現代人はかなりのストレスを感じています。望んでいない情報、特に押し売りに近いサービス紹介を一方的に見せられることは、送り主に対して良いイメージを持つことが難しいといえるでしょう。インバウンドマーケティングであれば、求めていない情報の押し売りを防ぎ、ブランドやサービスに悪い印象を抱く可能性が低くなります。
  • 広告コストを削減できる
    従来の広告をはじめとする告知方法は、マスメディアに対して高額な費用を支払ってきました。インターネット上のリスティング広告やバナー広告、Eメールなどの広告費削減にも期待ができるでしょう。ただし、インバウンドマーケティングを実行しながらも、親和性の高いインターネット広告を併用するケースはあります。
  • ターゲットセグメントを絞り込める
    従来の広告、特にテレビや新聞、雑誌などマスメディアでは、できる限りたくさんの人々に見てもらうことが重要でした。それに対しインバウンドマーケティングは、見込み顧客が検索しうるキーワードを盛り込むことで、あらかじめサービスに関心の高い人に情報を届けることが可能となりました。興味・関心の高さから、実際の購入といったアクションにつながりやすく、質の高いリードを獲得できます。
  • クチコミの利用で、より拡散できる
    ソーシャルメディアの広まりにより、優れたコンテンツは人から人へとシェアされ拡散されるようになりました。ソーシャルメディアをはじめとする口コミの利点は、情報の広がりだけにとどまらず、広告と比べ、知人からの情報提供という信頼の価値が付加され、購買の意思決定に大きく寄与すると考えられます。

一方で、デメリットとしては、成果がでるまでに時間を要することが挙げられます。インバウンドマーケティング施策のためにコンテンツを作成する場合、作成するまでに要する時間、見つけてもらうために工夫をする時間などが必要となります。いわゆるSEO対策が必要です。

インバウンドマーケティングの4ステップ

インバウンドマーケティングには以下の4つのステップがあります。

インバウンドマーケティングの4ステップ

引用:https://webtan.impress.co.jp/e/2014/01/08/16656

  1. 惹きつける(ATTRACT)
    潜在顧客に自社サイトを見つけてもらい、訪問してもらうためのステージです。いわゆる集客と違うのが、誰でもいいからなるべく多くの訪問者を集めればというわけではなく、ビジネスターゲットとなる適切なユーザーを惹きつけ、サイトに訪問してもらうことがインバウンドマーケティングでは重要であるとされています。
  2. 転換する(CONVERT)
    リード育成のための情報として中でも重要なのは、Eメールアドレスです。ユーザーのニーズを把握しながら、適切な情報を最適な手段で提供していきます。インバウンドマーケティングで用いられている手法としては、ホワイトペーパーやe-bookの提供、動画の配信やオンラインセミナーへの招待です。
  3. クロージングする(CLOSE)
    リードを育成し、購入という意思決定まで導きます。重要なのは、どの段階で購入というアクションを促すかであり、最適なタイミングを見極めるために、育成プロセスの可視化やスコアリングなどを行なうことが効果的です。スコアリングとは、育成段階ごとにポイントを決め、何ポイントまで進んだら購入を促すというものです。
  4. 喜んでもらう(DELIGHT)
    購入してもらうことができた後にもやるべきことがあります。顧客にプロモーター(推薦者)になってもらうことです。アフターサポートを行ったりすることによって顧客の満足度を高め、知人に商品やサービスを紹介してくれるプロモーターになってもらうのです。ソーシャルメディアやEメールなどが主に用いられます。

インバウンドマーケティングの事例

Brichbox(バーチボックス)

Brichboxは化粧品サンプルの定期購入サービスを提供する企業です。メイクやヘアケア、美容関連の流行情報だけでなく、女性が興味を持ちそうなDIYや健康といったライフスタイルをテーマにしたコンテンツを配信しています。また、パーソナライゼーションに力を入れ、最適な商品をEメールで提案しています。2017年の時点で会員数は100万人に到達し、創業以来初の黒字化も達成しました。

KIRIN(キリン)

KIRINは「キリンレシピノート」というレシピサイトを開設。食材・テーマ別に検索可能な「おつまみ」の作り方にテーマが絞られています。KIRINの販売しているお酒のジャンルに合うおつまみのレシピを紹介しており、商品を無理に宣伝されているという感覚を与えにくくしています。

インバウンドマーケティングのまとめ

人々は自ら検索し情報を探すようになり、情報に対する行動そのものが大きく変わってきています。インバウンドマーケティングでユーザーにとって価値のあるコンテンツを提供し、新規顧客を呼び込むとともに、見込み顧客を顧客、顧客をサポーターへと育てましょう。