「SEO(サーチエンジン最適化)」について知っている人は多いと思いますが、「ASO(アプリストア最適化)」ってご存知ですか?
SEOはGoogleやYahoo!などのウェブ検索エンジンに見つけてもらいやすくする手法ですが、ASOはAppStoreやGooglePlayなどのアプリストアの検索に見つけてもらいやすくする手法です。
せっかくいいアプリを開発しても、それを見つけてもらわなければ意味がありません。
今回はそのASOとそこで見るべき8つの指標についてご紹介します。
【目次】
ASOとは?
ASOとは、「App Store Optimization」の略称であり、アプリストア最適化の意味を指します。
ASOは、アプリマーケティングのうち、無料でユーザーを獲得するために有効な考え方です。ダウンロード数を低コストで増加させるには最適な戦略です。
なぜ、ASOがアプリの新規ユーザー獲得にあたって有効だとされているかというと、ストアの検索からアプリをインストールするユーザーが最も多いからです。
ASOの仕組み
アプリストアは、それぞれ独自のルールと方式にしたがってアプリのランキングや検索結果を決定しているため、アプリストアに合わせたアプリの最適化が必要不可欠となります。
しかし、ランキング方式についてのメカニズムの大部分は謎のままです。なので、仕組みを知るためにはPDCAを回しながら推測していくしかありません。
ASO対策の効果は何で測定すれば良いのか?
ASOは、ユーザーにあなたの作ったアプリを見つけてもらいやすくすることを目的としています。最適なASOを行うことでキーワード検索で上位に表示されやすくなり、ダウンロード数を増やすことが可能です。
それでは、どのような工夫をすれば検索結果の上位に表示されるようになるのでしょうか?また、あなたのアプリを見つけたユーザーが実際にコンバージョン(インストールや収益)へと繋がっているのかをどのように確認することができるのでしょうか。
以下の8つの指標が効果を測るために重要な指標です。
1.インストール数
最もわかりやすい指標がインストール数です。
ASOを始める前にインストール数を確認しておいて、インストール数の変化を継続的に測定していく必要があります。インストール数(アプリ起動数)とダウンロード数(ストアからダウンロードしただけ)は定義が違う場合がありますので注意してください。
ASOの正確な効果を測るためには、広告などで費用をかけて得たインストール数(有料)とオーガニックのインストール数(無料)は別々に計測してください。
もしASOがうまくいっているのならば、その効果を測るためにも実際にどのチャネル(経路)から流入しているのかを知ることが今より効果を伸ばしていくために重要です。
2.収益&売り上げ
この数値を測定する場合、あなたのアプリの収益モデルが何であるかを考えてください。
アプリの課金による収益か、広告のクリックによる収益などがあると思います。
収益モデルがなんであっても、正しいゴールを設定しなければいけません。
アプリの課金収益は「App Store Connect」や「Google Play Console」といったアプリストアの管理画面で、広告収益は広告ネットワークのメディア管理画面等で見ることができます。
もし期待しているほどの収益が上がっていないのならば、ターゲティングがうまくいっていない可能性があります。つまり、マーケティング戦略の見直しが必要です。
3.キーワードランキング
キーワード最適化の主な目的は、そのアプリに関連する重要なキーワード検索結果で上位になることです。
キーワードは、ストアや国によってもランキングが異なるためそれぞれ把握する必要があります。
4.カテゴリーランキング
カテゴリーランキングの中で上位になることは非常に重要です。カテゴリーはあなたのアプリのメインキーワードの1つになるのです。
つまりカテゴリーで上位に入ることができれば、カテゴリーと同じキーワード名でもランキング上位に入ることは確実です。
またカテゴリーでランキング上位に入ることができれば、カテゴリーに関連するオングテールキーワードも見つけやすくなり、これに関連するワードでも上位を狙いやすくなります。
5.インプレッション数&ページ閲覧数
インプレッション数とはストア内であなたのアプリアイコンが表示された数(検索結果やランキング、フィーチャー枠などの合計)です。またページ閲覧数は、あなたのアプリ詳細ページが表示された数です。
より多くのインプレッションを獲得するには、ASOが必要不可欠となります。またアイコンを工夫することでページ閲覧数を増やすこともできるかもしれません。
インプレッション数が増えページ閲覧数が増えると、おのずとインストール数も増えます。
6.CVR(コンバージョン率)
CVR(コンバージョン率)はアプリ戦略を成功させるために計測し続けるべき最も重要な指標です。
CVRとは、アプリページ閲覧数のうちインストールに至った割合のことです。
CVRを上げるためには、あなたのアプリにおいてユーザーを惹きつけるものは何かを考え、改善することです。アプリ詳細ページには、スクリーンキャプチャ、値段、説明文など様々な情報があります。これらをターゲットユーザーに合わせて最適化することが重要です。
アプリ詳細ページで特に改善すべき項目が以下の8つです。
- アプリアイコン
- アプリ名
- ユーザー評価とレビュー
- スクリーンショット(動画、画像)
- 説明文
- カテゴリー
- ランキング
- アプリサイズ
7.評価とレビュー
アプリをインストールしたユーザーがつけられる5段階評価とレビューコメントは非常に重要です。ユーザーは他のユーザーの評価を見てダウンロードするかを決める傾向があるためです。そもそも質の高いアプリを作ることは大事ですが、アプリ内で高い評価を付けてもらえるようタイミングよくレビューを促すといったことも必要です。
8.LTV
LTVは、「Life-time Value」の略で日本語に訳すと「顧客生涯価値」のことです。
つまり顧客一人から得ることができる将来的な利益のことです。
LTVの高いユーザーはどんな属性のユーザーかを見極めることで、ASOに活かすことができます。ターゲットユーザーに刺さりそうなキーワードやカテゴリを選定したり、動画で訴求したり、キャンペーンを展開することも良いでしょう。
ASOで見るべき指標のまとめ
今回はASOで見るべき8つの指標についてご紹介しました。
せっかくASO対策を行っても、効果を測定しながらやらないとそれ以上の効果は見込めません。また、それぞれの指標には相関関係があるため、別々に見ることはせず、全ての指標を総合的に見て成果を把握するようにしてください。
また、これらの指標は広告出稿においても大事です。広告出稿であっても必ずアプリ詳細ページを閲覧してからインストールされますので、ASO対策はアプリ販促の効果を最大化するためのベースとなります。
そして何より、本質的なユーザーのニーズやターゲットを見極めることで、アプリの品質を高めることが最も大切であることも忘れてはいけません。