皆さんはモバイル広告市場でひときわ注目されている広告である「インフィード広告」という言葉をよく耳にするのではないでしょうか。今日はその「インフィード広告」についてご紹介したいと思います。
【目次】
インフィード広告とは?
インフィード広告とは、ソーシャルメディアやモバイルサイトのフィード(feed)の中(in)に表示される広告という意味で、コンテンツとコンテンツの間に表示される広告のことを指します。
よく目にするものとしてはFacebookやTwitterなどのSNSでタイムライン上に表示される広告が挙げられます。テキストと画像を組み合わせたものが一般的で、クリック課金形式が主流です。
インフィード広告は記事と記事の間に溶け込むことで、クリック数やコンバージョン率を増大させるだけでなく、新規ユーザー獲得にも繋げることができます。
動画広告におけるインフィード広告の意味
動画広告におけるインフィード広告は、ウェブメディア上の広告枠に配置される広告であるアウトストリーム広告のうちの一つです。
動画広告は別の動画コンテンツに挿入されるインストリーム広告とウェブメディア上の広告枠に配置されるアウトストリーム広告とに二分されます。アウトストリームの中でも、記事コンテンツの間に動画広告が挿入されるパターンを意味します。
インフィード広告が出稿できる主な広告媒体
インフィード広告が出稿できる主な広告媒体には以下のようなものがあります。
・Twitter広告 ・Facebook広告 ・Instagram広告 ・Yahoo!プロモーション広告・YDN(インフィード広告) ・LINE Ads Platform ・SmartNews Ads ・Gunosy Ads ・Google 広告(ディスプレイキャンペーン)
スマートフォンが普及し始めた当初、タイムラインやニュースフィード形式のサービスはFacebookやTwitterといったモバイルを主体としたSNSでは一般的でしたが、デスクトップが主体の時代から続くサービスではスマートフォンへの対応は不十分でした。
大きな転換となったと言われているのが、Yahoo! JAPANのスマートフォン版およびアプリのトップページのタイムライン化です。これに伴って提供を開始されたのが、Yahoo!プロモーション広告のYDNの広告フォーマットであるインフィード広告です。日本国内最大規模のポータルサイトにおいて用いられたことで大きく普及したと言われています。
インフィード広告のメリット・デメリット
インフィード広告には次のようなメリット・デメリットがあります。
<メリット>
インフィード広告はコンテンツとコンテンツの間に表示されるため、ユーザーの目に入りやすいというメリットがあります。クリック率も通常のバナー広告に比べて10倍以上出るケースも多く報告されています。
インフィード広告は、ネイティブ広告(バナー広告のように広告として目立つものではなくメディアに溶け込むように表示される広告)の1つです。
<デメリット>
ユーザーの目に入りやすいというメリットの反面、騙された気分になるというデメリットもあります。
これはネイティブ広告全般に当てはまることです。ユーザーがコンテンツと勘違いして広告をクリックしてしまった場合、記事だと思ったのに広告か、と反感を買う可能性があるということです。
実際、ジャストシステムによる印象調査結果では、ネイティブアドをクリックしたことがある人のうち、77.3%が「騙された気分になる」と回答し、ネイティブアドに対してネガティブな印象を持っていることが明らかになりました。よってインフィード広告を実施する際も、このようなユーザー心理を理解しておく必要があります。
インフィード広告のポイント
リスティング広告などがニーズの顕在化しているユーザーに対して強みを持っているのに対して、インフィード広告は潜在層に対して強みを持っています。
ここまで述べてきたインフィード広告の特徴を踏まえ、どのようなことを意識して広告を作成すれば良いのでしょうか。ポイントは以下の5つです。
① 注意ではなく関心を引く ② 繰り返し目にされることを想定する ③ LPとの親和性を意識する ④ スピーディーに効果検証を行う ⑤ ターゲティングを行う
- 注意ではなく関心を引く
これまでのバナー広告はいかにユーザーの注意を引くかが重要でした。ユーザーに広告を認識してもらえるように「今すぐ登録」「40%引き」「限定」などといったフレーズや目を引く色などでアピールする必要がありました。一方でインフィード広告ではいかにユーザーに興味を持ってもらえるかが重要です。ニュースや情報を見るモードのユーザー心理に合わせて「このコンテンツ面白そう!」とユーザーに思ってもらうことが重要です。
- 繰り返し目にされることを想定する
インフィード広告はユーザーがよく目にする媒体に掲載されるため、1ユーザーが同じ広告を何度も目にする可能性が高くなります。そのための対策としてフリークエンシーキャップを設定(ユーザーに同じ広告を表示する回数を制限する機能)するのももちろん大切ですが、同時に「何度目にしても不快に思わない」クリエイティブが重要と言えます。
- LPとの親和性を意識する
Yahoo!の情報によると、今のスマホ向けYahoo!ディスプレイ広告に比べて、2倍以上のクリック数があると言います。高いクリック率を記録しているからこそ、通常のバナー広告以上に、クリック後のLP(ランディングページ)をどう組み合わせるかが重要となります。広告フォーマットが従来のバナー広告などにくらべ、ユーザーにストレスを与えにくいものであるからこそクリックして行き着いた先に、求めていた情報がなければユーザーにネガティブな印象を与えてしまいます。インフィード広告では記事風、いわゆるブログ風のLPが設定されることが多いです。LPについての関連記事はこちらをご覧ください。
- スピーディーに効果検証を行う
②と③で述べたように、インフィード広告は他の広告と比べてフリークエンシーが高く、LPとの親和性がより重視されるため様々な検証軸を設けテストをする必要があります。インフィード広告の広告フォーマットは、画像・タイトル・説明文、そしてLPの4つの要素で構成されています。その4つを軸に複数の広告パターンを用意し、スピーディーにクリエイティブを改善し続けることが肝要になります。
- ターゲティングを行う
Yahoo!などのインフィード広告ではリターゲティングやサーチターゲティングとの掛け合わせが可能です。広告効果の様子を見ながら、少しずつ配信したいという場合は、まずはインフィード広告をリターゲティングで行い、獲得見込みの高いユーザーにだけ広告配信をすることをオススメします。
インフィード広告に向いている商品・サービス
旅行や不動産、車、健康食品といった購入までの検討期間が長いものが相性が良いといえます。インフィード広告によって、ユーザーに認知してもらって、商材の良さや魅力を情報量と時間をかけて伝えることで、購買活動につながる単価の高い商材に適しているといえます。
逆に、単価の安い日用品や小売商品はあまり向いていないでしょう。また、初期に多くの課金を必要とせず、利用期間に応じて課金するクラウドサービスなどもインフィード広告に向いています。
インフィード広告のまとめ
コンテンツに溶け込んで潜在層の関心を引き、コンバージョンへと繋げることのできる新たな広告として注目を集めているインフィード広告。上手く活用して商品・サービスの購買に繋げましょう。