企業のブランディング成功事例9選〜BtoC企業・BtoB企業・リブランディングの事例などをご紹介〜

企業のブランディング成功事例9選〜BtoC企業・BtoB企業・リブランディングの事例などをご紹介〜

みなさんは「三つ星エンブレムの高級外国車」と言われて何を思い浮かべますか?

おそらくほとんどの人が「メルセデス・ベンツ」を思い浮かべるのではないでしょうか。

これは、顧客の頭の中にブランドイメージを構築するための企業努力があったからこその結果です。この他にも様々な企業が、ブランドイメージを確立するために多くの取り組みを行っています。そこで今回は、企業のブランディング成功事例を9つご紹介します。

そもそもブランディングとは何かについて知りたい方やフレームワークについて知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

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2018.10.02

BtoC企業のブランディング事例

Starbucks(スターバックス)

ブランディング スターバックス

引用:https://www.starbucks.co.jp/company/

<基本情報>

スターバックスは、1971年にアメリカのシアトルで開業した世界規模で展開するコーヒーチェーン店です。現在の日本の店舗数は1581店舗にものぼります。

<企業の取り組み>

スターバックスは、競合他社と比べても高単価でCMなどの広告も打っていません。しかし、今でもとても多くの消費者に愛され続ける人気ブランドです。その人気の一因は、スターバックス店員のサービス品質の高さにあります。

スターバックスでは顧客への対応を徹底しており、一般的な飲食店が研修に費やす時間が2~3日であるのに対し、スターバックスはアルバイトでも一人あたり約1ヶ月を費やします。これは日本でも海外の店舗でも徹底されています。

スタッフ一人一人が徹底されたサービスを提供し、企業理念である「サードプレイス(家でも職場でもない快適な空間)」を体現することで、広告活動を行わずとも「落ち着ける空間」というブランドイメージを確立することに成功しました。

<この事例から学べること>

スターバックスのような、従業員のサービスによってブランドイメージが築かれることを「サービスマーケティング」と呼びます。ブランディングは企業理念や商品・サービスによって形成されるものと認識されがちですが、品質の高いサービスによって顧客の体験価値を高めることも、競合他社との差別化を図るポイントの一つとなります。

東京ディズニーランド

ブランディング 東京ディズニーランド

引用:https://4travel.jp/travelogue/11238121

<基本情報>

東京ディズニーランドは、1983年株式会社オリエンタルランドが開業した「夢と魔法の王国」をコンセプトに掲げる日本一の来場者数を誇るテーマパークです。

<企業の取り組み>

東京ディズニーランドといえば「夢と魔法の王国」と連想する人も多いと思います。

東京ディズニーランドが、「夢と魔法の王国」というブランドイメージを築くことができた一因は、その世界観を守るための徹底された組織文化にあります。

東京ディズニーランドには、キャストが守るべき心構えや安全性についてまとめられた独自の行動基準である「SCSE」と呼ばれる行動基準が存在します。さらに「ゲストにハピネスを提供する」という企業理念を理解し、それに従うことも徹底されています。来場者を「ゲスト」、スタッフを「キャスト」と呼ぶということや、パーク自体をステージとして、キャストは与えられた役をそれぞれの施設やアトラクションなどで演じることを徹底されていることなどが、来場者に「夢と魔法の王国」という世界観を与えるべく組織文化として根付いています。

このようにキャスト自身もショーの一部として一貫した世界観をつくりあげている点が、日本一の絶叫コースターや大観覧車を持たないディズニーランドを他のテーマパークとの差別化できている要因の一つといえるでしょう。

<この事例から学べること>

会社が従業員に世界観や考え方を植え付け、それを体現すべく働いてもらうことでその世界観を体現した従業員のサービスがブランドイメージを築いた成功事例です。他社との差別化を推進し、競争力を高める大きな要因となっていることがわかります。

Apple(アップル)

ブランディング Apple

引用:https://www.apple.com/jp/shop/buy-iphone/iphone-xr

<基本情報>

Appleは、1976年にスティーブ・ジョブズらによって設立されたiPhoneやMacなどのデジタルデバイスを開発・販売するIT企業です。

<企業の取り組み>

Appleの顧客には「Appleの製品だから購入する」という熱烈なファンが多数います。このような熱狂的なファン層は、Appleのブランディング戦略によって形成された賜物とも言えます。

スティーブ・ジョブズはiPhoneを開発する際、製品の価値を「ポケットに入るような小さなコンピューター」と定義しました。また、ユーザーがその商品に触れた時にどう感じるかを重視し、「湖からディスプレイが浮かび上がってくる」というイメージからシンプルで洗練されたデザインのプロダクトを設計しました。

このように、ユーザーの感性や感情に強く訴求する言葉とデザインの力によってAppleは強いブランド価値を持つ企業へと成長しました。

<この事例から学べること>

ブランディングを行う上で商品・サービスの価値をどのように定義するか、そしてどのように訴求するかが重要であるとわかります。

Appleは、iPhoneを「小さな携帯電話」ではなく「小さなコンピューター」と定義し、感性を揺さぶる製品設計によって他社との差別化に成功した事例といえます。

BtoB企業のブランディング事例

salesforce.com(セールスフォース・ドットコム)

ブランディング SalesForce.com

引用:https://www.salesforce.com/jp/

<基本情報>

セールスフォース・ドットコムは、アメリカに本社を置くクラウドコンピューティング・サービスを提供する企業です。顧客関係管理サービスの提供を主としています。

<企業の取り組み>

セールスフォースは、自社の製品、株式、社員一人一人の就業時間のそれぞれ1%を社会貢献に当てるという「1-1-1モデル」と呼ばれる活動を設立当初から行っています。これによって、社会がセールスフォースに対していいイメージを持つというだけではなく、従業員も社会貢献をしている自社に誇りを持てたりと社内外に対するブランディングに成功しました。従業員のロイヤリティも向上させることで、採用ブランディングにも繋がっています。

<この事例から学べること>

企業ブランド力を高くする重要性を学ぶことができます。設立当初から一貫したブランディングを行うことで、企業としての信頼感を得ることができるとともに、社会貢献を会社として行うことで社員のロイヤリティも向上させることに繋がることが分かります。

IBM

ブランディング IBM

引用:https://www.ibm.com/jp-ja

<基本情報>

IBMは、アメリカに本社を置くコンピューター関連企業です。現在では世界170か国以上で事業を展開しています。

<企業の取り組み>

IBMは2010年代より、自社が提供できる価値の差別化と明確化を図るため「コグニティブコンピューティング」を提供する企業として自社の製品・サービスを再定義しました。コグニティブコンピューティングとは、「人間がある物事を認知し、それが何であるか理解するプロセスのこと」を指します。つまり、単なる「情報処理の機械」としてではなく、「人間のように理解・解釈し、学習していくシステム」として自社の提供価値を明確化し、再定義することによってブランド力を向上させました。この考え方はIBMが提供する全サービスのコンセプトとなっています。

<この事例から学べること>

提供するサービスの価値を明確に定義することで、他社が受けることのできるソリューションが明確になり、それがブランディングに繋がることが分かります。今回の事例は、価値の再定義によってブランドイメージを拡大させることで、ブランディングに成功した事例と捉えることができます。

商品ブランディングの事例

RedBull(レッドブル)

ブランディング レッドブル

引用:https://okiresi.com/archives/4997783.html

<基本情報>

レッドブルは、1978年に生まれたオーストリアのRedBull GmbHが販売する清涼飲料水です。2005年に日本に参入しました。

<企業の取り組み>

レッドブルは「冒険者を称え、翼をさずける」をブランドコンセプトとして掲げています。テレビCMにおいて他社の商品が「カフェインゼロ」や「タウリン1000mg配合」といった商品の成分をうたっているのに対し、レッドブルは一貫して「レッドブル、翼を授ける」という誰かを応援するメッセージを伝え続けています。

また、スポーツイベントの協賛では認知度を上げるためにロゴを大々的に掲げることが多いですが、レッドブルは「レッドブル エアレース」という飛行機タイムトライアルレースを自主開催しています。このイベントによって「翼を授ける」というコンセプトを崩すことなく、ブランド認知度の向上も促しています。

<この事例から学べること>

この事例からは、ブランドイメージ構築に対するメッセージの一貫性の重要性を学ぶことができます。いくら良い成分が入っていて味が良くても、その価値がユーザーに伝わらなければ心は動きません。ブランディングとは、長期的に売れる仕組みを作るための戦術なので仮に短期的に売れたとしても、類似商品が出た際に選ばれる理由がなくては意味がありません。

レッドブルは、誰かを応援するという姿勢を「翼を授ける」というメッセージとして訴求し続けたことで、徐々にブランドイメージを築いていった事例として捉えることができます。

NIVEA(ニベア)

ブランディング ニベア

引用:https://woman.excite.co.jp/article/lifestyle/rid_Angie_117975/

<基本情報>

ニベアは、1911年にドイツで発売されたスキンケアのブランドです。日本ではニベアと花王の合弁会社であるニベア花王が日焼けクリームやデオドラント剤などを販売しています。

<企業の取り組み>

ニベアの社内では「ニベアネス」というニベアらしさを表すコンセプトが共有されています。保湿力などの機能面はもちろんのこと「母の深い愛情」などを商品が想起させることから、時代を超えてニベアのブランド価値を高めています。

また、ビジュアル面では全ての商品でブランドのシンボルカラーであるミッドナイトブルーを一貫しています。

<この事例から学べること>

ブランドアイデンティティとブランドカラーの重要性を学ぶことができます。「母の深い愛情」という他社とは方向性の違う訴求点と、一貫したブランドカラーによって強いブランド連想を生んでいることがわかります。

リブランディングの事例

リブランディングとは、既に構築された商品・サービス等のブランドを再構築・再定義し、更なる効果を発揮するブランドへ昇華させることです。時代の経過と消費者のニーズの変化に合わせてブラッシュアップを行わなければ、その価値は次第に低下していきます。

湖池屋

ブランディング 湖池屋

引用:https://mag.sendenkaigi.com/kouhou/201909/cbc2019/016785.php

<基本情報>

湖池屋は、スナック菓子を中心とする商品の製造・販売を行っている日本の菓子メーカーです。

<企業の取り組み>

2016年より社長が交代し、新たな経営体制としてブランドイメージの一新に取り組みました。これまでのコアバリューであった「親しみ」「安心」「楽しさ」に「本格」「健康」「社会貢献」を加えました。さらに、社屋を老舗旅館のような雰囲気に改築し、企業の新たな考えやルールをまとめたブランドブックを作成して社員全員に配布するなど、社内の意識改革を促すための「インターナルブランディング」を推進しました。

さらに、ポテトチップスのパイオニアメーカーとして従来のポテトチップスの製造工程を一から見直し、国産じゃがいもを100%使用した「KOIKEYAPRIDE POTATO」を発売しました。

結果として新規商品の品切れが続出し、2016年から2019年の間に売り上げは急速に拡大していきました。

<この事例から学べること>

全社一丸となってブランディングに取り組むことの重要性が伺えます。トップが自ら先導して抜本的な改革に取り組まなければ短期的な施策として終わってしまいます。

また、社屋の改築やブランドブックの作成などを行うことで、社内外にブランドイメージを浸透させることに繋がります。

マツダ

ブランディング マツダ

引用:https://matsui-takeshi.com/mazda-brand-essence-movie/

<基本情報>

マツダは2020年に創業100周年を迎えた、トヨタ、日産、ホンダに次ぐ国内4位の自動車メーカーです。

<企業の取り組み>

皆さんは「マツダ地獄」という言葉をご存知でしょうか?

1990年代にマツダは、販売数を増加させるために店舗ごとで取扱ブランドを分ける「多チャネル化戦略」を実施しましたが、この戦略は成功しませんでした。そして在庫処理のために値引きをした結果、新車の値段が安くなったため、下取り価格も下落してしまう自体に陥りました。そのため顧客はマツダに下取ってもらうしかなく、次の自動車もマツダを購入しなければならなくなる事態に陥りました。これによってブランド価値が大きく低下したことが「マツダ地獄」です。

この事態を解決するために、マツダは自社のファンである2%の顧客に焦点を当て「自社の製品を愛してくれる人のために最高の製品を提供する」という、ブランドの価値を取り戻すための大胆な方向転換を図りました。そして主役を「車」ではなく「顧客の生活や価値観」として「Be a Driver」という新たなコンセプトを打ち立てました。

結果としてマツダはリブランディングに成功し、競合とは異なる独自のブランドポジションを確立しました。

<この事例から学べること>

この事例からは、ブランディングにおける自社が闘うポジションを明確化することの重要性が伺えます。マツダは既存の顧客にフォーカスした製品開発を行うことで、ブランド価値を回復させました。

企業のブランディング成功事例のまとめ

いかがでしたでしょうか?

これまでは高い技術力があれば、自社を選んでもらう差別化の理由として十分でした。しかし、モノやサービスが溢れ性能による差が小さくなった現代において、それでも自社を選んでもらうためには、「顧客に価値があるモノ」と認知してもらうことが必要です。今回のブランディング成功事例を通して、愛されるブランドとはどのようなものなのかを感じ取ってもらえたら幸いです。

ブランディングについて詳しく学びたい方はこちらの記事をご覧ください。

ブランディングとマーケティングの違いをわかりやすく解説

2020.11.04