広告代理店に委託するメリットとデメリット

広告代理店に委託するメリットとデメリット

広告出稿を広告代理店に委託している、という企業は多いのではないでしょうか?

今回は広告代理店に委託する事が自社にとってプラスになるのか、インハウス運用と比較した場合のメリット・デメリットを中心にご説明していきます。

広告代理店とは?

広告代理店とは広告を扱う会社の総称です。代理「店」と呼ばれていますが、一般向けに店舗が開かれているというわけではなく、企業間取引を行う会社です。

広告代理店は、新聞・テレビ・ネットなどの広告を掲載するメディアと、広告を出したい企業(クライアント)を繋ぐ仲介のような役割を担っています。メディアやクライアントからの広告制作の依頼と、メディアから購入した広告スペースをスポンサーに販売することで広告代理店は利益を得ています。

ここで一つの事例から、広告代理店の仕事を見てみましょう。

ある企業Aが、「主婦向け電化製品」を新たに開発しました。すると、企業Aは、その電化製品を販売していく中で、もっと多くの主婦にその商品のことを知ってほしいと考えます。そこで活用するのが「広告」です。「広告」を活用することでその企業がターゲティングしているユーザー(ここでは主婦)に商品のことを認知してもらえます。

広告代理店は、この電化製品を多くのユーザーに知ってもらうために、広告メッセージを考えて、TVCMやネット広告などに掲載できるようメディアと交渉をしたりします。

これが広告代理店の仕事です。

インハウス運用とは?

一方商品やサービスを持つ企業が、広告代理店を通さず、自社でメディアへの広告掲載や広告運用を行うことを「インハウス運用」と言います。

Bannerflow社がDigidayと共同で発表したインハウスレポート「State of In-Housing 2019」によると、「調査対象となった200を越えるブランドのうち91%が、自社のデジタルマーケティング業務の少なくとも一部がインハウス化」しているという結果がでました。この結果からもわかるようにインハウス運用は多くの企業でトレンドとなっています。それではもう広告代理店は不要になってしまったのでしょうか?

なぜインハウス運用が増えているのか?

2019.04.10

広告代理店に委託するメリット

  • 自社は管理するだけで良い

広告出稿のプランニングからクリエイティブ制作、広告運用まで一括して広告代理店にお願いするので、自社では実施した結果レポートを受け取りそれに対するフィードバックを指示するだけですみます。広告運用は非常に手間や労力がかかる部分があるため、それらを自社で行う必要がなくなります。

  • 強みの違う複数の代理店使い分けることができる

広告代理店ごとに強みが違うので、TVCM、デジタル、オフラインなどの施策ごとに代理店を使い分けることができます。また、同じ領域でも、より良い結果を出すために、複数の代理店を競争させることがあります。広告代理店は、営業担当者、プランナー、広告運用者、デザイナーなど複数人のチームでプロジェクトに当たることが多いため、それらのチームを変えることで違った結果を求めることができます。

  • 最新の情報が集まりやすい

日々進化し続けている広告業界において、最新情報の入手はとても重要となります。広告代理店は常に複数社の運用代行を行っているので、最新の情報・事例・競合情報などが集まりやすく共有してもらいやすいです。

広告代理店に委託するデメリット

  • 代理店マネージメントが必要

広告代理店とのコミュニケーションにコストがかかります。毎週の定例会議や電話やメールでのやりとりは社内メンバーとのやりとりに比べて負担は大きいです。広告代理店の営業担当は通常一人で数社〜数十社を担当していることもあり、急を要する依頼にすぐに対応できないこともあります。また、代理店がミスをしたり、悪い結果を出した時に、会社としてどう対応するかの調整も発生します。

  • 自社にノウハウが蓄積されにくい

広告運用を通して、PDCAを回していく事で、成功事例・失敗事例が蓄積されていきます。そのため、自社で広告運用を行えば、このような事例を直接社内にノウハウとしてためていくことが出来ます。

  • ユーザーの反応を感じづらい

広告運用するための広告アカウントは代理店が管理している場合がほとんどです。そのため、どのセグメントのユーザーがどのキーワードやクリエイティブに反応しているか、またどういった時期や時間にどういった反応があるのかをリアルタイムに細かく見ることができません。それによってマーケティングで最も大事なユーザーの動向を見る力が弱くなってしまいます。

  • 広告代理店の手数料がかかる

広告代理店の場合「広告出稿費の20%~30%の手数料」という費用が一般的に発生します。この手数料が妥当かどうかは、行ってもらう業務や成果によって判断が分かれるでしょう。

広告代理店の大手3社の違い

広告業界には大手と呼ばれる広告代理店がいます。今回は「電通」「博報堂」「サイバーエージェント」をピックアップして、これらの会社にどんな違いや強みがあるか見てみましょう。

こちらは2018年度の大手広告代理店の売上高です。

大手広告代理店の売上高

・電通

日本の広告代理店業界において最大手である電通。そのクライアント数は11,000社を超えており、売上高も2位の博報堂に圧倒的な差をつけています。「東京オリンピック・パラリンピック」のマーケティング専任代理店として指名されたり、「FIFAワールドカップ」などの様々な国際イベントを手掛けたりしています。電通が他の大手広告代理店と異なるのは、世界を舞台にしてビジネスを展開している点と言えます。

・博報堂

電通に次ぐ売上を誇っているんが博報堂です。電通は「数で勝つ」という考えの下、複数案をプレゼンするのに対して、博報堂は「質を追求」し、クライアントに対してベストだと判断した案を厳選します。勝つことに一直線である電通に対して、クライアントファーストという社風が博報堂です。「クリエイティブに強い」とよく言われます。

・サイバーエージェント

「21世紀を代表する会社」を目指しているネット専業代理店です。インターネット広告事業を中心に、事業領域を拡大しています。アメブロやAbemaTVなどのメディア事業も持っており、スマホ広告で急成長しました。最近では動画広告のアドネットワークなどに力を入れています。

このように大手広告代理店でも領域や強みが異なり、社風なども各社で異なります。

まとめ

いかがだったでしょうか?

自社のマーケティング戦略において、広告出稿を広告代理店に委託することがベストなのかを検討した上で進めましょう。また、委託するとなった場合どの代理店に委託すべきか、社風や強みを考慮して決めてみてください。ご参考までに。

【徹底比較】大手広告代理店の特徴と強み

2019.06.21