Facebook広告のコンバージョン最適化で重視すべき3つのポイント

Facebook広告のCV数最適化で重視すべき3つのポイント

Facebookの広告運用でなかなか効果が上がらない、LPやクリエイティブのA/Bテストをしたり、ターゲットを変えたり、入札方法を変えたり、いろいろ細かくPDCAを回しているはずなのに、最適化がうまくまわらないと困っているマーケターの方も多いのではないでしょうか。

Facebook広告では媒体側の最適化機能をうまく活用することが第一に重要です。その際、最適化がうまく機能するための「条件」というのが存在します。

この条件をしっかり把握して、正しい運用を行うことが、効果を上げるための最短ルートです。今回はFacebook広告の最適化を行う上で気をつけるべきポイントをご紹介します。実際に数多くの運用実績と知見を基にした、なるべく実践的な内容をお届けします。

Facebook広告の最適化とは?

Facebook広告の最適化とは、Facebookの広告配信システムが機械学習により、広告主が設定した目的に応じて、最適な効果を出すように常に学習することを言います。

広告が表示されるたびに、広告配信システムが最適なターゲット、時間帯、配信面、クリエイティブについて学習を行います。そして、広告を表示する機会が増えるほど、より良いパフォーマンスが出せるように最適化を行います。

上の図は、予算全体に対して情報収集期間中の消化金額が少ないほど(つまり、学習期間を適切に終わらせてパフォーマンスが安定してからの運用が長くなるほど)、CPAが下がる傾向にあることを示しています。

では、Facebook広告の最適化を最大限引き出すにはどうしたら良いのでしょうか?

広告セットあたり1週間で50CV以上

Facebook広告の機械学習は「広告セット」単位で行われます。

そして、Facebookが提示している機会学習に必要なデータ量が「1週間で50コンバージョン以上」という目安です。

・最低日予算を把握
1週間で50コンバージョンということは、1日あたり7コンバージョンが必要ということになります。また、コンバージョンとは目標としている「成果」のことですので、目標CPA(コンバージョンあたりの獲得コスト)を掛け合わせることで、広告セットあたりに必要な日予算が導き出されます。
例えば、目標CPA5,000円だとすると、1日7コンバージョン必要ですので、CPA5,000円 x 7CV = 35,000円で、広告セットあたり最低日予算3.5万円必要ということになります。

・ターゲットは広めに、重複させない
広告セットでは主にターゲットユーザーや配信面、入札戦略などを設定します。ターゲットごとに細かく広告セットを分けてしまうと、必要なコンバージョン数を確保できないことになってしまいます。そのため、ターゲットはなるべく広めにとって、かつ複数の広告セット間でターゲットオーディエンスが重複しないようにすることがポイントです。
ターゲットの重複度合いは、広告セットの「確認」ボタンから、「オークションの重複率」というところで見ることができます。この値が大きい場合は、ターゲットが重複していることが考えられるため、広告セットを統合するか、より効果の良いターゲットのみに絞るかすると良いでしょう。

・日予算が少ない場合はMCV最適化
とはいえ、最初はテストのためにも、少額の日予算で始めたいという広告主も多いでしょう。また、成果地点が深く想定CPAが1万円以上と非常に高くなる場合は、MCV(マイクロコンバージョン)を活用した最適化を行うと良いでしょう。MCVとは、最終的な成果地点(例えば「購入」)の手前の、浅い成果地点(例えば「カート追加」)のことを意味します。その浅い成果地点を「コンバージョンイベント」に設定することで、少ない日予算で素早く最適化をまわすことができます。
例えば、購入CPAが5,000円で、カート追加CPAが2,000円だとすると、購入コンバージョンで最適化すると、上述のように広告セットあたり日予算3.5万円が必要ですが、カート追加コンバージョンで最適化すると広告セットあたり日予算1.4万円で学習させることができるということです。
もちろん、購入コンバージョンで最適化した方が、より購入しやすいターゲットに向けて最適化しやすいのでより効果的ですが、予算の都合やリスクを抑えたい場合場合などにはぜひ検討してください。

・コンバージョンウィンドウを最適設定に
「コンバージョンウィンドウ」とは、広告のクリックもしくは表示から何日までの成果をコンバージョン数にカウントするかという設定です。通常は「クリックから7日間」にすると良いでしょう。
短かすぎても学習に必要なコンバージョン数を確保できませんし、広告表示をコンバージョン対象に含めてしまうと間接効果を重視してしまうため学習があいまいになってしまうので、注意してください。

「情報収集期間」のステータスに注目

Facebook広告の「情報収集期間」とは、最適化を行うのに十分なデータが貯まるまでの期間を意味します。

広告セットの配信ステータスには、以下のようなものがあります。

  • アクティブ
  • 情報収集中
  • 情報収集が不十分
  • オフ

・「情報収集中」
「情報収集中」は1週間で50CV溜まるまでの機械学習している期間です。「情報収集中」にオンマウスすると、50CV溜まるまでにあとどれぐらいのCV数が必要かというのを確認できます。情報収集期間が終了する前に、キャンペーン、広告セット、広告に一定の変更を行うと、情報収集期間がリセットされてしまいますのでご注意ください。50CV溜まるとステータスが「アクティブ」に変更されます。

・「情報収集が不十分」
「情報収集が不十分」は、1週間で50CV以上の獲得が見込めない場合に表示されます。その要因としては、クリエイティブの効果が悪い、オーディエンスサイズが小さい、日予算が少ない、広告数が多すぎる、最適化イベントの頻度が低い、入札価格が低い、オークションの重複率が高いなどが挙げられます。一度「情報収集が不十分」と判定されても、これらを改善すれば学習は進みます。

「情報収集中」はなるべくいじらない

情報収集期間がリセットされると、また50CV溜まるまで待たないといけないので、なるべく変更を行わないようにするか、大きな変更はまとめて行うようにしましょう。

情報収集期間がリセットされてしまう理由は以下の8つです。

「情報収集中」にやってはいけない8つのこと
  1. 新しいクリエイティブの追加
  2. 日予算の大幅な変更
  3. ターゲット設定の変更
  4. 配置の変更
  5. 最適化イベントの変更
  6. 入札戦略の変更
  7. 入札価格の大幅な変更
  8. 7日間を超える一時停止

この中でも特にやりがちなのが、「新しいクリエイティブの追加」です。効果が悪くなってくると、新しいクリエイティブをつい追加したくなります。しかし、これだとせっかく学習されたものもリセットされてしまいます。また、広告セット内で特にCV数が大きい広告の停止や削除もリセットにつながります。

そのため、新しいクリエイティブの追加はなるべくまとめて行うか、情報収集期間が終わってパフォーマンスが安定した後に行うなどの工夫が必要です。

Facebook広告のCV数最適化のポイントまとめ

いかがだったでしょうか?

Facebook広告の機械学習や最適化は常に進化しています。そのため、最適化に必要な最新の条件を理解して、やるべきこととやらないべきことを明確にすることが、広告効果を上げるために重要です。広告運用に困ったらぜひ参考にしてみてください。

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