オフラインマーケティングの効果を上げる方法

オフラインマーケティングの効果を上げる方法

日々進化する新しいWebマーケティングの技術。企業のマーケティング現場では、それらのWebマーケティングの新技術をいかに施策に取り入れるか、研究に余念がありません。

しかし一方で従来から使われている紙媒体や対面によるオフラインマーケティングには、Webにはない強みがあり、顧客獲得やより良いブランド体験を提供する上で依然として欠かせない要素です。

今回はそのオフラインマーケティングとその効果を上げる方法についてご説明していきたいと思います。

オフラインマーケティング(Offline Marketing)とは

オフラインマーケティングとは、広義ではテレビCMや新聞広告といった従来のマスマーケティングも含まれますが、最近では「オフラインからオンラインへと繋げるためのマーケティング」という定義が浸透してきています。

例えば、街を歩いてたり、店舗のチラシを見ていると目にするQRコードなどが代表的な例です。

以前は、情報を探索することが大変だったため一方的なセールストークやパンフレットなどで十分集客でき、売上を伸ばすことができました。

しかし現在では、ネットの普及やスマホ・SNS利用者の増加により、オンラインでの情報収集が容易になり、ユーザーが自分自身に合った商品やサービスを判断するための情報を得ることができるようになりました。その結果、企業の一方的な情報だけでは、売上を伸ばすことは難しくなってきています。

ユーザーのマインドフローとオフラインマーケティング

以下の画像は、オフラインマーケティングにおけるユーザーのマインドフローです。

オフラインマーケティングの戦略を考える際に、ぜひ参考にしてみてください。

オフラインマーケティング マインドフロー

出典:https://www.enlike.jp/offlinemarketing/

以前はWebサイトで配られるクーポンを実店舗で使用する「O2O(Online to Offline)マーケティング」が盛んに行われていましたが、現在では「オフラインからオンラインに繋げる」施策の重要性が高まっています。

効果的なオフラインマーケティング

カタログ・ラジオ・新聞・テレビなど、オフラインマーケティングのチャネルには優れた選択肢がたくさんあります。その中でももっとも効果的なオフラインマーケティングの手法をご紹介したいと思います。

ダイレクトメール

ダイレクトメールは、クーポンやチラシを郵送して商品をプロモーションするもっともオーソドックスな手法です。ほとんどを斜め読みされるか、無視される電子メールに対して、ダイレクトメールはクーポンを回収することで施策の効果を測定したり、A/BテストをしてPDCAサイクルを繰り返すことによって、効果を改善できる点が看板広告やテレビ広告よりも優れています。

レスポンス率が高いこともダイレクトメールの特徴です。ダイレクトメールで効果を上げるポイントとしては”一目で注意を引くようなビジュアルとコピーが作れる”かどうかです。紙質や印刷方法によっても幅広い表現が可能で、それによって相手の印象も大きく変わります。ピザ屋のチラシやクレジットカード会社のお知らせなどが代表的な例ですね。

POSシステム

まずPOSシステムとは、簡単にいえばレジのことです。しかし単なる計算機のようなものではなく、売上を商品単位で集計し、その集計結果に基づいて売上や在庫を管理したり分析を行ったりするシステムのことです。

キオスクや実店舗、またはその両方がある場合、POSシステムを利用して適切なメッセージを伝えれば、顧客に特別な感覚を共有できます。店員がタブレットを使用し、目の前の顧客の統合されたプロファイルにアクセスできれば、顧客の購入履歴や興味関心がわかり、より効果的なコミュニケーションが可能になります。

例えば、ある顧客が店舗の1つに入店しスマートフォンにアプリが入っていれば、入店を歓迎するメッセージとともに、店の限定情報や割引のオファーなどその顧客にあった商品やサービスなどを提供できます。しっかりとその人にあったサービスを提供できるかどうかが鍵となります。

セミナーやイベントの開催

今、多くのBtoB企業がオフラインマーケティングの施策として自社セミナーを開催しています。これらは「コミュニティマーケティング」とも言われています。セミナーの良いところは、相手と面と向かってコミュニケーションが取れるところです。自社のサービスに興味はあるが、営業担当者を呼ぶほどではないというような見込み客もいるかと思います。そこでセミナーが役に立つというわけです。

また、オフラインマーケティング施策として企業の認知度やイメージを高めるためのイベントを開催する企業もあります。楽しい空間を共有することで、その企業のイメージ向上に繋がるので良いプロモーションとなるわけです。

しかし、この2つの施策には人的リソースや時間などがかなりかかります。そのため、開催する目的を明確化したり、費用対効果の面を意識することは重要でしょう。

コールセンター

人が1対1で対応するというサービスにはどんなマーケティング施策にも敵いません。顧客と直接繋がり、サービスや商品を正しく理解してもらい、顧客に合わせた提案ができます。企業にとっては価値のある努力であり、顧客は自らの意思で対話に参加してくれます。今は、SNSの方が効果があるのでは?と思う方もいるかも知れませんが、やはりSNSと比べると対応の丁寧さの点で信頼されるのはコールセンターの方でしょう。

オフラインマーケティングの活用事例

今回はオフラインマーケティングの事例を「オンライン to オフライン」と「オフライン to オンライン」の事例に分けてご紹介していきたいと思います。

オンライン to オフラインの事例

オフラインマーケティングのO2O施策のうち、Web(オンライン)で集客した見込み客を店頭(オフライン)に誘導し、購買に繋げた事例を紹介します。

・UNIQLO(ユニクロ)

大手ファストファッションブランド「ユニクロ」では、スマートフォンアプリを新規ダウンロードするとクーポンが入手でき、それを店頭で提示すると、割引価格で商品を購入することができます。

また、アプリでは店舗検索や店舗在庫確認もでき、アプリから実店舗へと顧客をスムーズに誘導する仕組みを作っています。顧客にダウンロードした際のメリットを提供することで顧客のダウンロードを促進しています。

オフラインマーケティング 事例 ユニクロ

https://www.uniqlo.com/jp/app/

・ダイソー

100円ショップのダイソーでは、ビジネス利用が可能な「LINE公式アカウント」の運用を開始し、登録顧客に商品情報を提供しています。

一般にオフラインマーケティングでは、顧客にクーポンを配布して店頭に足を運ばせるのですが、ダイソーの場合はクーポン配布を行わず、商品の画像や使い方を含めた商品情報を提供することでコアなファンを増やすことに注力しています。クーポンを配布しなくても、顧客の興味を引くことができ、店頭への誘導に繋がった成功事例です。

オフラインマーケティング 事例 ダイソー

https://www.daiso-sangyo.co.jp/

オフライン to オンラインの事例

最近の若年層の間では、店頭(オフライン)で実際の商品を見てから、Web(オンライン)で商品を購買するというユーザーが増えています。ここでは、そんな店頭からWebへの購買に繋げた事例を紹介します。

・emart(イーマート)

韓国のスーパーマーケットチェーン「イーマート」では、ランチタイム時の12時〜13時に店舗訪問客が少ないという悩みを解決するため、同時間帯に通行量が増える繁華街に立体のQRコードを設置するキャンペーンを行いました。

太陽の位置が高い12時になると、日時計のような仕組みでQRコードの形が影で浮き上がります。正午から13時の間のみ読み取れるそのQRコードをスマートフォンでスキャンすると、ECサイトに繋がり、時間限定のクーポンを取得できるため、顧客の来店やECサイトでの購買に繋がるというわけです。

オフラインマーケティング 事例 emart(イーマート)

http://emart.ssg.com/

・Starbucks Coffee(スターバックス)

大手コーヒーチェーン「スターバックス」では、店頭にあるポップに記載されているQRコードを読み取ることで「好きなブレンドランキング投票」に参加できるというキャンペーンを展開しました。

Webサイト内では、各ブランド知識について学べるという付加価値もつけ、ユーザーをWebサイトへうまく誘導しています。今や当たり前のものとなったQRコードもしっかり活用していくことで、プロモーションに繋がります。

オフラインマーケティング 事例 Starbucks Coffee(スターバックス)

https://www.starbucks.co.jp/

まとめ

今回はオンラインとは一味違う、オフラインマーケティング(Offline Marketing)についてご紹介してきました。

オンラインマーケティングと絡めてチャネルミックスで活用すれば、相乗効果が見込めるかもしれません。是非参考にしてみてください。