近年、消費者はモノを購入するよりも、必要な時にだけ使えればいいという人が増えてきました。このビジネスモデルが「サブスクリプション」です。
大手企業でも導入する企業が増えつつあるのですが、まだ新しいビジネスモデルなので、導入に踏み切れないという方も多いかと思います。
そこで今回は、サブスクリプションモデルの成功例と失敗例をご紹介していきたいと思います。
【目次】
そもそもサブスクリプションとは?
商品やサービスを購入するのにお金を支払うのではなく、それを一定期間体験できるという「権利」にお金を支払うビジネスモデルのことです。
以前までは、NetflixやSpotifyなどのデジタルコンテンツが主流でしたが、最近では車やコスメ、ファッションなどのサブスクリプションも増えてきています。このことから、消費者の所有から利用への変化が、リアルなものにまで広がってきていることがわかります。
サブスクリプションが注目されている背景
冒頭でも紹介したように、近年、消費者はモノを購入するよりも、必要な時にだけ使えればいいという人が増えてきました。その時代の中で、このサブスクリプションというビジネスモデルが注目を浴びたのです。
また、人口が増えず、新規顧客を獲得しづらくなってしまった今、お客様一人一人に自社の商品やサービスを出来るだけ長く利用してもらうことが重要になってきました。
その課題をも解決するため、サブスクリプションというビジネスモデルは、モノを持ちたくないという消費者にとっても、自社の商品やサービスを出来るだけ継続して利用してほしいという企業にとってもいいビジネスモデルなので、今注目されているというわけです。
サブスクリプションモデルの成功例
Laxus(ラクサス)
Laxusは、有名ブランドのバッグを月額6800円でレンタルすることができるサービスです。会員の平均継続率は95%に達しています。
多く女性は欲しいブランドバッグ全部を購入することはできません。それでも、季節や気分に合わせておしゃれがしたいという女性のニーズを叶えているサービスだから圧倒的に支持されているのだと思います。
NOREL(ノレル)
NORELは、月額制で自由に車を乗り換えられるサービスです。
最短3ヶ月で他の車に乗り換えることができるため、色々な車を試すことができます。
複数のプランを用意してあるので、長期契約で手軽に車に乗りたい人から、高価な外国車を試したい人まで様々なユーザーのニーズを満たしています。さらに、車というのは、維持費が高く最近は所有する人も減ってきているため、時代にあったサービスといえるでしょう。
Apple Music(アップルミュージック)
https://www.apple.com/jp/apple-music/
AppleMusicとは、Appleが提供している定額制音楽ストリーミングサービスです。
スマートフォンやタブレット、PCなど様々な媒体で音楽を楽しむことができ、Appleユーザーなら様々な製品と連携できるのも魅力の1つです。
最初の3ヶ月は無料で体験できることから、利用した人は自然と使うようになり、そのまま有料会員へ移行してしまう人が多いかと思います。
無料期間を提供することで、サービスの使い方などもわかり、非常にうまい戦略をとっているといえるでしょう。
BLOOM BOX(ブルームボックス)
https://www.cosme.net/bloombox/m/
BLOOM BOXは、月額1620円で、500以上のコスメブランドからビューティーアドバイザーが自分にぴったりのコスメをセレクトして、サンプルサイズのコスメを宅配してくれるサービスです。
低価格のわりにお得感のあるサービスで支持を集めています。
日々色々な種類のコスメが登場する今、色々なコスメを試してみたいという女性のニーズを満たしていることで支持を受けているサービスです。
Blue Apron(日本利用不可)
こちらは海外の事例になるのですが、Blue Apronは、平均40分で調理可能なレシピとそれに使う野菜を宅配してくれるサービスです。
買ったものを温めて食べる過程が増えてきているアメリカで、人気のサービスです。
プランも、カップル向け、家族向けが用意されており、週59.94ドルからの価格設定になります。手軽に手作り料理を楽しめる点、メニューを自分で考えなくていい点が人気を呼んでいるように思えます。
サブスクリプションモデルの失敗例
次にサブスクリプションモデルの失敗例をご紹介していきます。
SAKELIFE
SAKELIFEは、株式会社Clearが2013年に開始した、老舗酒屋の店主がユーザーの好みに合わせて日本酒を厳選し、宅配してくれるというサービスです。
SAKELIFEと同時期に始めた「SAKETIMES」という日本酒に関する情報を発信していくWebサービスにより、ユーザーが日本酒の選び方を会得してしまい、利用者が一気に減ってしまったことから撤退を余儀なくされました。
suitsbox(スーツボックス)
AOKIの「suitsbox」は月額7800円からの料金で、スタイリストが自分に合ったスーツやジャケット、シャツ、ネクタイなど一式をコーディネートして届けてくれるサービスです。
このサービスは2018年11月14日にサービスを開始して、約半年で撤退しています。
20代から30代の若者をターゲットとしていたが、実際の利用者は40代が中心で、スーツ代やクリーニング代にコストがかかりすぎて維持が難しく、サブスク向けにスーツを用意するよりも店頭販売したほうが利益が上がる点と、コーディネートを考えるというこのサービスの核であるコーディネーター不足が原因で撤退することになりました。
DripApp(ドリップアップ)
ロンドンで始まったサービスである「DripApp」は、ロンドンの150店舗以上のカフェと提携し、月額89ポンドでコーヒーの飲み放題が可能になるサービスです。このサービスでは、多くのユーザーを獲得することができたのですが、アプリの管理に必要な資金と人材が不足し、経営自体が困難になり、撤退することになりました。
Tokyo Shave Club(トウキョーシェイブクラブ)
Tokyo Shave Clubが展開していたのは、月額800円で消耗品であるカミソリの替刃を毎月ユーザーに宅配するというサービスです。
これと同じビシネスモデルだったアメリカの「Dollar Shave Club」は大成功したのですが、日本で失敗した理由として、初期のプロモーションに失敗したことを挙げています。
Dollar Shave Clubは最初のプロモーション動画で強烈なインパクトを残し、新規顧客を獲得したのだが、日本ではその強烈なアプローチ方法が通用しないと考え、豆知識系のコンテンツで訴求しました。その結果、新規顧客を獲得できずにサービスが終了してしまいました。
MoviePass(ムービーパス)
MoviePassは、月額固定で映画館で映画を見放題というサービスです。
最初は色々問題点もあり、人気とは言えなかったが、ある時、1ヶ月9ドル95セントに大幅値下げされたことで、大きな注目を集めることになりました。そこで一気に会員数を増やすことに成功したのですが、値下げをしすぎて元が取れない仕組みであったため、経営面でトラブルに見舞われ、サービスは破綻してしまいました。
サブスクリプションモデルの成功例と失敗例のまとめ
このようにサブスクリプションモデルの事例はまだまだたくさんあります。
またサブスクリプション市場は今後まだまだ伸びていくと言われています。
今回ご紹介した成功例と失敗例をそれぞれ分析し、自社のサブスクリプションモデルの成功に役立ててみてください。