デジタル広告の運用は年々複雑化し、複数のプラットフォームを横断して最適な運用をするには膨大な時間と専門知識が必要になっています。
広告運用自動化ツール「Shirofune(シロフネ)」は、このような課題を解決するために開発されたツールです。
本記事では、Shirofuneの主な機能や料金体系、導入メリット・デメリットを詳しく解説します。広告運用の効率化を図りたい、属人化を防ぎたい、広告効果を最大化したいとお考えの方はご一読ください。
またShirofuneとあわせて検討したい広告運用・レポートツールについては、以下の記事で紹介しています。
【目次】
Shirofuneとは?
引用元:Shirofune(シロフネ)
Shirofuneは、株式会社Shirofuneが提供する国内発の広告運用自動化・管理ツールです。Google広告、Yahoo!広告、Meta広告、X広告、LINE広告など主要な広告プラットフォームと自動連携し、広告運用業務を一元管理・自動化できます。
Shirofuneの大きな特徴は、広告運用のさまざまな工程の自動化が可能な点です。予算配分や入札価格の最適化、パフォーマンス改善のための施策提案、さらには広告レポートの自動生成まで、広告運用に関わる多様な業務を自動化することができます。
Shirofuneの導入が向いている企業は、以下の通りです。
- 自社内に広告運用の専門知識やノウハウが不足している企業
- 限られたリソースで効率的な広告運用を実現したい企業
- 広告担当者の運用スキルに偏りがある・属人化を防ぎたい企業
- 複数の広告媒体を横断的に管理し、最適化を図りたい企業
Shirofuneの導入により、これまで広告運用に費やしていた時間を大幅に削減し、より戦略的な業務にリソースを振り向けることが可能になるでしょう。
Shirofuneの料金
Shirofuneは初期費用が無料で、月額料金は広告費に連動する従量課金制となります。
プランによって契約期間の縛りが異なり、自社のニーズに合わせて選択が可能です。Shirofuneには以下の2つのプランが用意されています。
セルフプラン
料金体系 | 月額広告費×5%(税抜)※最低利用金額は月額25,000円※月額広告費が0円の場合は利用料も0円 |
最低契約期間 | なし |
トライアル期間 | 2ヶ月 |
サポート体制 | メールサポート、サポートサイトのみ |
サポートプラン
料金体系 | 月額広告費×5%+月額10万円(サポート料) |
最低契約期間 | 3ヶ月 |
トライアル期間 | なし |
サポート体制 | 専任担当者によるきめ細かなサポート |
料金は、広告予算の規模に応じて利用料金が変動する仕組みとなっており、広告費が0円の月は利用料も0円となります。
広告運用の時期が限られるシーズン性の高い業種や広告出稿に波がある企業でも、無駄なコストを発生させることなく利用できます。
ただし、プランによってトライアル期間とサポート体制に大きな違いがあります。セルフプランではメールサポートとサポートサイトでの情報提供のみとなりますが、サポートプランでは専任担当者によるきめ細かなサポートを受けることができます。
知識やノウハウ不足で広告運用に不安がある場合は、サポートプランを選択するのが安心です。
他の広告運用・管理ツールと料金を比較する場合は、広告レポート自動化ツール比較8選|レポートを効率良く作るためのツールの選び方の記事をご覧ください。
Shirofuneの機能・特徴
Shirofuneには、以下の機能や特徴があります。
- 媒体横断で運用の自動化ができる
- 改善案を自動提案してくれるからノウハウがなくても運用できる
- 予算管理・入札を最適化できる
- レポートを簡単に自動生成できる
ひとつずつ詳しく解説します。
媒体横断で運用の自動化ができる
引用元:Shirofune(シロフネ)
Shirofuneの最大の強みは、複数の広告媒体を横断して一元管理・運用の自動化ができる点です。対応している広告媒体は、以下の通り多岐にわたります。
- Google広告
- Yahoo!広告
- Meta広告(Facebook・Instagram)
- X広告(旧Twitter広告)
- LINE広告
- TikTok広告
- Microsoft広告
- Amazon広告
- Pinterest広告
- LinkedIn広告
個別に媒体管理する煩雑さから解放され、Shirofune一つで広告媒体のパフォーマンスを把握し、最適化することが可能になります。
媒体ごとの管理画面を行き来する手間が省け、横断的な分析や戦略立案がスムーズに行えるようになるでしょう。
改善案を自動提案してくれるからノウハウがなくても運用できる
引用元:Shirofune(シロフネ)
Shirofuneの特徴的な機能の一つが「改善カード」です。システムが広告パフォーマンスを自動分析し、効果改善のための具体的なアクションを提案してくれます。ユーザーは提案された改善カードに沿って画面を操作するだけで、プロレベルの最適化施策を実行できます。
例えば、「このキーワードの入札単価が低すぎて露出機会を逃している」「このクリエイティブのCTRが低下傾向にある」などの問題点を自動検出し、適切な対応策を提案してくれます。広告運用の専門知識がなくても、Shirofuneによる分析と提案に従うことで効率的な運用が可能です。
広告運用のノウハウがない企業や、初心者担当者でも効果的な運用ができるようになり、運用の属人化も防ぐことができます。
予算管理・入札を最適化できる
引用元:Shirofune(シロフネ)
Shirofuneは広告予算の最適配分と入札価格の自動調整機能を備えています。初回の予算設定以降は、システムが自動的にパフォーマンスデータを分析し、ROIを最大化するための予算配分と入札価格を算出・実行します。
具体的には以下のような設定と管理の自動化が可能です。
- 広告媒体を横断した最適な予算配分
- 各キーワードやターゲティング毎の入札最適化
- 運用改善の施策出し・設定
- 変化要因の仮説出し
人間による手動調整では困難な精度と頻度で入札価格を最適化し続けることで、広告効果の最大化とコスト効率の向上を同時に実現します。
また、現在運用しているアカウントについては自動運用機能をOFFにすれば、手動で運用することも可能です。自動運用機能と併用することもできるため、柔軟な運用ができます。
レポートを簡単に自動生成できる
引用元:Shirofune(シロフネ)
広告運用におけるもう一つの大きな工数が、レポート作成です。Shirofuneはボタン一つで分析コメント付きの簡易レポートを自動生成できる機能を搭載しています。
さらに、以下のような連携・作成が可能です。
- Googleアナリティクスとの連携で自動入札・レポートなどにコンバージョンデータを活用
- 外部計測ツールなどのデータと連携したレポート作成
- Excel形式でのレポート出力
これにより、毎週や毎月のレポート作成業務を手放し、データ分析や戦略立案に多くの時間を割くことができます。経営層や顧客への報告資料も短時間で準備できるため、担当者の負担を軽減します。
Shirofuneの活用メリット・デメリット
Shirofuneを導入した際のメリットとデメリットを詳しく紹介します。
メリット
広告運用の経験がなくても効率的に運用でき、属人化しにくい
Shirofuneの「改善カード」機能により、広告運用の知識や経験がない担当者でも提案に従うことで効果的な運用が可能です。
「改善カード」による改善施策の提案機能や、予算管理・入札の自動調整により、特定の担当者に依存しない運用体制を構築でき、人事異動や退職による影響を最小限に抑えられます。
時間のかかる業務を自動化し、戦略的業務にリソースを割ける
配信設定の調整、予算管理、入札価格の最適化、レポート作成など、これまで多くの時間を要していた定型業務を自動化することで、戦略立案やクリエイティブ制作など、より付加価値の高い業務に時間を割くことができます。
特に兼任で広告運用を担当している場合、大幅な工数削減が期待できるでしょう。
入札最適化や改善提案で広告効果の向上が期待できる
配信実績をもとにしたアルゴリズムによる継続的な分析と最適化により、効果が見込める入札調整や予算配分を実現します。
また「改善カード」の提案に従うことで、広告パフォーマンスの向上が期待できます。結果として、同じ広告予算でもより高いROIを達成できる可能性が高まります。
デメリット
自動化が全機能対応している媒体が限定されている
現状、広告入稿からレポート作成まで全ての機能を自動化できる媒体は、Google広告、Yahoo!広告、Meta広告に限られています。
その他の媒体ではレポート作成や予算管理などの一部機能のみの対応となる場合があります。
レポート出力はExcel形式しか選べない
レポートの出力形式はExcel形式のみとなっており、Google スプレッドシートなど他形式への直接出力や、Looker Studioなど高度なカスタマイズには対応していません。
ビジュアル性の高いレポートや詳細レポートの追加が必要な場合は、別途レポートを加工する工数が発生してしまいます。
セルフプランではサポート内容が限られてしまう
セルフプランを選んだ場合は、メールのみでオンラインサポートが付いておらず、初期設定でつまずいた際に自社で解決しなければならないケースがあります。
広告運用の知識が乏しい場合は、サポートプランの選択を検討する必要があるでしょう。
Shirofuneとあわせて検討したい広告運用管理・分析ツール
広告運用管理・分析ツールを導入する前に、自社のニーズや課題を洗い出し最適なツールを選択することが重要です。ツール選定にあたっては、以下のような点を明確にしておくと良いでしょう。
- レポート作成・分析が主目的か、予算管理・運用自動化が主目的か
- 全工程の自動化が必要か、特定の作業の効率化だけで十分か
- どの業務の工数削減を最優先したいか
- 必要なサポートレベルはどの程度か
Shirofuneとあわせて検討したいのが、以下のツールです。
ツール名 | 料金 | 主な機能 | こんな人におすすめ |
Roboma(ロボマ) | 40,000 円/月~ | ・広告データの一元管理・レポートの自動作成・予算進捗率・推奨日予算の自動計算・データ分析 | データ分析とレポート作成を自動化したい方 |
Databeat | 50,000 円/月~ | ・37 広告サービス連携、自動収集、整形、蓄積・BI ツール/ Excel /スプレッドシート出力・無料テンプレート、専門スタッフサポートあり | レポート形式を柔軟に選びたい方 |
アドレポ | 30,000 円/月~ | ・20 媒体以上対応・豊富なテンプレート・Excel / Googleスプレッドシート/ BigQuery 出力 | レポート作成の効率化を図りたい方 |
広告運用管理・分析ツールについては、以下の記事で詳しく紹介していますので、Shirofuneとあわせて検討されることをおすすめします。
例えば、広告の運用状況をモニタリングできるダッシュボードや、広告データを蓄積して分析など利活用したい場合は、「Roboma(ロボマ)」がおすすめです。
Robomaは媒体横断で広告データの可視化や分析にも活用できる、充実したダッシュボード機能を備えています。
Robomaの特徴として、権限を分けて管理画面に招待できるユーザー招待機能があり、ダッシュボードやレポート画面を広告主に直接共有できる点があげられます。
これにより、広告運用の内製化を目指す広告主にも適しています。
また、ボタン一つでクリエイティブレポートが作成できるため、クリエイティブのPDCAサイクルを効率的に回したい企業にもおすすめです。
Robomaの詳しい機能や導入事例については、以下の記事をご覧ください。
Shirofune導入時のよくある疑問・質問
Shirofuneを検討する際に、知っておきたい質問や疑問をまとめました。導入を考える際にお役立てください。
サポート体制は充実しているのか?
Shirofuneのサポート体制はプランによって大きく異なります。
セルフプランでは、サポートサイトでの情報提供とメールでのサポートのみとなります。広告運用の知識がある程度ある企業や、コストを抑えたい企業に適しています。
基本的には自社で操作方法や問題解決する必要があり、専任の担当者は付かない点を理解しておきましょう。
サポートプランでは、専任担当者による細かなサポートを受けることができます。初期設定のサポートはもちろん、運用開始後も定期的な運用相談や改善提案を受けられるため、広告運用の経験が少ない企業や、確実な成果を出したい企業に適しています。
ただし、月額10万円のサポート料が別途かかるため、コスト面での検討が必要です。
自社の広告運用知識やリソース状況に応じて、適切なプランを選択することをおすすめします。
無料トライアルはあるのか?
Shirofuneのトライアル提供状況は、プランによって異なります。
セルフプランには、2ヶ月間のトライアル期間が設けられています。この期間中は実際のツールを利用しながら、自社のニーズに合うかどうかを確認することができます。ただし、初期設定のサポートは受けられないため、自ら設定する必要があります。
サポートプランにはトライアル期間が設けられていません。最低契約期間が3ヶ月となっているため、導入を決定する前に十分な検討が必要です。
ただし、サポートプランでは専任担当者による手厚いサポートが受けられるため、初期設定から効果的に活用できる体制が整っているといえるでしょう。
まとめ|Shirofuneなど広告運用自動化・管理ツールで作業時間を削減しよう
広告運用自動化ツール「Shirofune」は、広告運用業務の効率化と効果最大化を同時に実現できるツールです。複数の広告媒体を横断的に管理し、予算配分や入札価格の最適化、改善提案、レポート作成までを自動化することで、広告運用にかかる工数を大幅に削減します。
特に、広告運用のノウハウが少ない企業や、限られたリソースで効率的な運用を目指す企業、広告運用の属人化を防ぎたい企業にとって、Shirofuneは有効なツールといえるでしょう。
月額広告費に連動した料金体系と、プランに応じたサポート体制により、企業規模や目的に合わせた柔軟な活用が可能です。
ただし、自動化が全機能対応している媒体が限定的であることや、レポート出力形式に制約があることなど、いくつかの制限もあります。自社のニーズや課題を明確にした上で、Shirofuneだけでなく、他の広告運用管理・分析ツールも併せて検討することをおすすめします。
最終的に重要なのは、ツール導入によって何を達成したいのかを明確にすることです。
広告運用の効率化、コスト削減、ROI向上、属人化防止など、自社の課題に合わせたツール選定をすることで、デジタル広告運用の成果を最大化できるでしょう。