若者の消費低迷が続いている中、若者に対するプロモーションに頭を悩ませているマーケティング担当者の方も多いのではないのでしょうか。
そんな中で若者に人気の動画コンテンツを提供する「YouTuber(ユーチューバー)」の存在が、社会的に注目されています。
その影響力からYouTuberが企業とタイアップして商品やサービスを紹介する広告スタイルは珍しいものではなくなってきました。
今回は、その中でも人気YouTuberについてご紹介していきたいと思います。
【目次】
YouTuber(ユーチューバー)とは
YouTuberとは、広義では「YouTubeに自主制作の動画を継続的にアップロードする人たち」のことを指しますが、狭義では「YouTubeの動画再生による広告収入を主な収入源として生活している人たち」のことを指します。
2011年4月に、YouTubeを提供するGoogle社が「YouTubeパートナープログラム」というYouTube上の広告から一定の割合で収入を得ることができる制度を一般に公開しました。これをきっかけとして、動画再生回数の多い投稿者には広告収入が入ることになり、一気に注目の職業として火がつきました。
それに伴って、動画再生回数の多いYouTuberを活用して、若年層向けに動画プロモーションという形で広告を展開する企業も増えてきています。YouTuberには一定数のファンがついていて、インフルエンサーとしての価値があるので、YouTuberを起用することで一定数のファンが能動的に動画を見てくれます。人気Youtuberとなると1つの動画だけで数百万再生となることもあるのです。
YouTuber(ユーチューバー)の影響力とは
YouTuberについてご説明してきましたが、実際にその影響力はどのくらいあるのでしょうか。
まず、Youtuberを支持しているのは主に若年層ということもあり、YouTuberのタイアップ広告はほとんどが若年層向けの広告になります。そんな中で、YouTuberのタイアップ広告が順調な伸びを見せている理由が2つあります。
1つは、「若年層はテレビ番組よりもYouTuberの動画を好む傾向があるということ」です。テレビのような受動的に見るものよりも、能動的に選んで動画を視聴するYouTubeを好んで再生するということで、その影響力は大きなものになります。
もう1つは、「商品購入時におけるYouTuber動画の影響力は若年層ほど大きいこと」です。企業からの一方的な情報と捉えられてしまう従来の広告とは違い、YouTuberはユーザー側に立って、その商品やサービスの良いところも悪いところも素直に教えてくれる、信頼できる友達という存在です。身近な人が検証して本当にいいものだからオススメしてくれているというような第三者評価を与えることができることが大きいのではないでしょうか。
タイアップ動画を視聴するのとしないのでは態度変容効果が随分違うことが下のグラフからも見てとれます。
YouTubeを見ると「はじめしゃちょー」や「HIKAKIN」をはじめとする大物YouTuberのチャンネル登録者数は500万人を超えています。ちなみに500万人という数字は、1つの都道府県に住む人数ぐらいの規模です。つまり、彼らは動画を1つ出すだけで1都道府県の人口以上の人々に影響を与えることができるということになります。YouTuberの影響力の大きさがわかりますね。今でも伸び続けているYouTube市場。これからもこの影響力はさらに大きくなっていくことが予想されます。
YouTuberタイアップ事例(ジャンル別)
人気YouTuberと企業のタイアップ事例を商品・サービスジャンル別にご紹介していきたいと思います。
アプリのタイアップ事例
禁断ボーイズ × フリル(Fril)
https://www.youtube.com/watch?v=oauLxKgWZdE
禁断ボーイズは、いっくん・モーリー・メサイア・田中からなる20代の男性4人組YouTuberです。チャンネル登録数は140万人を超えている人気YouTuberです。
この禁断ボーイズがタイアップした企業は、スマートフォンのフリマアプリ「フリル(Fril)」です。
前半は、普段の投稿と同じようにメンバー同士の会話から始まります。その後、メンバーの1人であるメサイヤさんが、グッズの服を販売するということでその際にフリマアプリの「フリル」を紹介しています。写真を撮るだけで簡単に出品できることを紹介して、しっかり宣伝という目的を果たしつつも、普段の面白さを追求している点が垣間見えます。
飲食店のタイアップ事例
スカイピース × 株式会社富士逹「七輪焼肉 安安」
https://www.youtube.com/watch?v=7wgmL3wWN4o
スカイピースは、じん・テオからなる20代の男性2人組YouTuberです。こちらもチャンネル登録数は100万人を超える人気YouTuberです。
今回スカイピースがタイアップした企業は、株式会社富士逹「七輪焼肉 安安」です。
普段の投稿でも行なっている1万円企画にお店からの依頼が来たということで、焼肉屋で1万円を食べきる企画をタイアップで行なっています。
テレビ番組のような企画でありながら、グルメ番組のような必要以上に大きなリアクションもなく淡々と食べていくところにリアリティを感じます。店舗の宣伝も多くはないので、ファンであれば何度も見られる動画になっています。
食品のタイアップ事例
HIKAKIN × LOTTE
https://www.youtube.com/watch?list=PL6iEYBm7tyKbZdIzcksH8ySsUh5_SnrbW&v=oQSoETD63io
HIKAKINは日本の大物YouTuberの1人です。チャンネル登録数は400万人超えです。日本で一番人気なYouTuberなのではないでしょうか。
今回HIKAKINがタイアップしたのは、LOTTEのアイスクリーム「爽」のキャンペーン。氷漬けになっているタレントの名前がわかればキャンペーンに応募できるというものです。HIKAKINは普段の投稿も商材の紹介をしているものが多いため、タイアップ動画といっても他の動画とそれほど違和感なく見ることができます。
キャンペーン説明もしっかりとしつつ、自ら氷をたくさん入れた浴槽につかってアイスクリームを食べるといった場面を挟むことで視聴者が飽きないような構成になっています。
コスメのタイアップ事例
関根りさ × SUQQU(スック)
https://www.youtube.com/watch?v=5VJR8jJXXhc
関根りさは、人気女性YouTuberの1人です。チャンネル登録数は100万人超えです。
そんな彼女がタイアップしたのは、SUQQU(スック)という女性憧れのコスメブランドです。SUQQU縛りのメイク動画という形で複数の商品を一気に紹介しています。商品紹介だけでなく、マッサージ方法も紹介しており、タイアップ動画ながらコンテンツもかなり充実しています。
まとめ
今回は、YouTuberについて事例を交えてご紹介しました。ポイントは、どのYouTuberのタイアップ動画も普段投稿している動画の延長線上にあり、見ていて違和感がないところです。そういう点でも若年層からの人気を集めているのではないでしょうか。
YouTuberによるタイアップ動画は、タイアップする商材とYouTuberの普段の投稿がうまくマッチングすれば、非常に高い宣伝効果が期待できます。
もし、若年層へのプロモーションに頭を悩ませているようでしたら、自社がターゲットとするユーザー属性と相性の良いYouTuberを探して、タイアップを検討してみてはいかがでしょうか。