デジタル広告運用においてレポートは、広告の分析をする上で成功の鍵を握る重要な要素です。特に複数の広告媒体を運用している場合、データを集約して管理・分析することで、より精度の高い施策改善が可能となります。
広告データを集約して可視化し、分析したい時に役立つのがLooker Studioです。
Looker Studioは、Googleが提供する無料のBIツールとして、広告データの可視化において多くの企業に活用されています。
本記事では、Looker Studioを活用したGoogle広告レポートの作成方法から、複数媒体のデータ統合まで、実践的な手順とポイントを詳しく解説していきます。
データ集計・分析のポイントも解説していますので、Looker Studioでのレポート作成にお役立てください。
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【目次】
広告レポートの作成ができるLooker Studioとは?

Looker Studio(旧Google Data Studio)は、Googleが提供するクラウドベースのBIツールです。
様々なデータソースと連携し、直感的な操作でレポートやダッシュボードを作成できるプラットフォームとして、多くの広告運用者に利用されています。
なかでもGoogle広告、GA4、YouTube アナリティクス、Google スプレッドシート、BigQueryなど、Google内のサービスとはスムーズに連携できます。
認証プロセスも簡素化されているので、数クリックでデータ接続が完了します。そのため、特にGoogleのサービスを中心に広告運用している企業にとって、Looker Studioは使いやすいツールと言えるでしょう。
Looker Studioの特徴
Looker Studioの強みは、コネクタ機能にあります。
標準で提供されているコネクタだけでも400種類以上あり、Google広告やGoogle Analytic4(以下、GA4)といったGoogleが提供するサービスはもちろん、外部のデータベースやAPIとも簡単に接続できます。コミュニティコネクタを活用すれば、さらに多様なデータソースとの連携が可能です。
データブレンド機能を使用すれば、異なるデータソースの情報を統合したレポートを作成することもできます。例えば、Google広告のクリックデータとGA4のコンバージョンデータを組み合わせることで、広告のクリックから実際の成果までを一元的に分析できるようになります。
また、Looker Studioではドラッグ&ドロップの直感的な操作で、レポートをカスタマイズできます。グラフの種類、色設定、レイアウトの調整、フィルターの設定など、用途や見せる相手に応じて柔軟にデザインを変更できるのが、Looker Studioの特徴です。
カスタムフィールド機能を使用すれば、独自の計算式による指標も追加できます。
連携可能な媒体
Looker Studioでは、主要な広告媒体と連携できます。
各媒体との主な連携方法は、以下の通りです。
- Google広告: 標準コネクタで対応
- Yahoo!広告:サードパーティコネクタ、またはCSVアップロード
- Meta広告:コミュニティコネクタ、またはAPI連携
- X広告(旧Twitter広告):サードパーティコネクタ、またはCSVアップロード
- LINE広告:CSVアップロード、または専用ツール経由
- TikTok広告:サードパーティコネクタ、またはCSVアップロード
標準コネクタが用意されていない媒体でも、CSV形式でのデータアップロードやサードパーティ製のコネクタを活用することで、主要媒体のデータを取り込むことができます。
または、広告レポート作成ツールを利用している場合は、ツールに集約した広告データをBigQueryに出力し、Looker Studioにデータを取り込むことも可能です。
利用しているツールがBigQuery出力とLooker Studio構築に対応しているかご確認ください。
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表示できるディメンション・指標
Looker Studioで表示できる広告関連の指標は、以下の通りです。
費用関連指標
- 費用(Cost)
- CPM(インプレッション単価)
- CPC(クリック単価)
- CPA(コンバージョン単価)
パフォーマンス指標
- 表示回数(Impressions)
- クリック数(Clicks)
- CTR(クリック率)
- コンバージョン数(Conversions)
- CVR(コンバージョン率)
- ROAS(広告費用対効果)
これらの指標を組み合わせることで、広告パフォーマンスを多角的に分析できるようになります。
また、カスタムフィールド機能を使用すれば、独自のKPI計算も可能です。
広告分析のやり方と見るべき指標については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
料金
Looker Studioの基本機能は無料で利用できます。データ接続数やレポート作成数に制限はなく、個人から大企業まで幅広く活用可能です。
ただし、有償版のLooker Studio Proでは、追加機能としてアセットを共同で編集できるワークスペースや技術サポート、生成AIのGeminiとの連携などが提供されています。
参照:About Looker Studio Pro | Google Cloud
Looker Studioで広告レポートを作成するメリット
広告レポートをLooker Studioで作成するメリットとしては、以下の4つがあげられます。
- データをグラフや図で簡単にビジュアル化できる
- カスタマイズしやすいから用途にあわせたレポートを作成できる
- 自動更新されていくからデータを取り込む手間がない
- さまざまな形式が選べるから共有しやすい
メリットをそれぞれ紹介します。
データをグラフや図で簡単にビジュアル化できる

広告レポートをLooker Studioで作成する最大のメリットは、複雑なデータを直感的に理解できるビジュアルに変換して表現できることです。
数値の羅列では把握しにくい傾向や変化も、線グラフや棒グラフ、円グラフなどを活用すれば一目で理解できるようになります。
特に広告データの場合、日別のパフォーマンス推移や媒体別の成果比較など、時系列や項目間の関係性を視覚的に表現することで、データの背景にあるインサイトを素早く発見できます。
ヒートマップ機能を使えば、時間帯別や曜日別のパフォーマンスパターンも一目で把握可能です。
カスタマイズしやすいから用途にあわせたレポートを作成できる
レポートの用途や見せる相手に応じて、柔軟にカスタマイズできる点も大きなメリットと言えます。
例えば、経営層向けには全体的なKPIを中心とした概要レポート、運用担当者向けには詳細な分析データをドリルダウンできるレポートなど、同一データから異なる視点のレポートを作成できます。
色設定やレイアウトの調整により、企業のブランドカラーに合わせたレポートデザインも実現可能です。フィルター機能を活用すれば、ユーザーが見たいデータだけを表示させることもできます。
自動更新されていくからデータを取り込む手間がない
一度データソースとの接続を設定すればデータは自動的に更新されるため、手動でのデータ更新作業が不要になります。
例えば、ローデータのダウンロード、数値の集計、図やグラフといったビジュアル化の作業は初期設定のみで済むわけです。これにより、レポート作成にかかる工数を大幅に削減できます。
リアルタイム更新に対応したデータソースの場合、最新の数値が常にレポートに反映されるため、迅速な意思決定が可能になります。
また、定期的なレポート配信機能を設定すれば、関係者への情報共有も自動化できます。
さまざまな形式が選べるから共有しやすい
Looker Studioで作成したレポートは、複数の形式で共有できます。
例えば、以下の共有方法があります。
| 形式 | 概要 |
| Web共有 | ・URLを共有するだけで、リアルタイムのレポートを関係者と共有可能 ・権限設定により、閲覧のみ、編集可能など細かくアクセス制御もできる |
| PDF出力 | ・静的なレポートとして配布したい場合に、PDF形式でエクスポートできる ・会議資料や月次報告書として印刷配布する際に便利 |
| メール配信 | ・定期的な自動メール配信機能により、指定したスケジュールで関係者にレポートを送付可能 ・週次や月次の定型レポートに最適 |
| 埋め込み表示 | ・企業の社内ポータルサイトやクライアント向けダッシュボードに、レポートを埋め込み表示 |
Looker Studioと媒体連携方法
Looker Studioでは、Google広告の標準コネクタが提供されているため、スムーズな連携が可能です。
ここでは、利用頻度の高いGoogle広告との連携方法を詳しく解説します。
手順1:Looker Studioを開く
まず、WebブラウザからLooker Studioにアクセスします。Googleアカウントでログインし、Looker Studioのホーム画面を表示させます。
ホーム画面で「作成」ボタンから新しいレポートを作成するか、「データソース」から新しいデータ接続を設定するかを選択できます。

今回は「データソース」から作成する方法で説明します。
手順2:データソースでGoogle広告を選んで、アカウント選択し接続する
「データソース」で「作成」を選び、「Google 広告」を選択します。認証画面が表示されるので、Google広告のデータにアクセス権限を持つGoogleアカウントでログインします。
接続するGoogle広告アカウントを選択しましょう。
複数のアカウントを管理している場合は、レポート作成したいアカウントを選択してください。管理者アカウント(MCCアカウント)を選択すれば、配下の複数アカウントのデータも取得可能です。
データの取得範囲(期間、キャンペーン、地域など)を設定し、「接続」ボタンをクリックします。
データソースの作成が完了すると、取得可能なディメンション・指標の一覧が表示されます。
手順3:接続が確認できたらデータソースからレポートを作成する
データソースの接続が完了したら、「レポートを作成」ボタンをクリックします。新しいレポート画面が開き、右側にデータフィールド(ディメンション・指標)が表示されます。
この時点で、Google広告のデータがLooker Studioで利用できる状態になっています。必要なグラフや表を配置し、レポートをカスタマイズしていきましょう。
レポートの詳しい作成方法については、次の「Looker Studioでの広告レポートの作成方法」で解説します。
Looker Studioでの広告レポートの作成方法

分析しやすい効果的な広告レポートを作成するためには、事前の設計が重要です。
以下の手順に従って、体系的にレポートを作成していきましょう。
事前準備:広告レポートのイメージを決めておく
まずは広告レポートを作成する前に、誰に向けた、どのような目的のレポートかなど、事前にレポートのイメージを洗い出しておきます。
以下の点をまとめておくと最適なレポートを作成しましょう。
- レポート目的と対象者を明確にする
- 必要なKPIを選定しておく
- レポートの集計軸を決める
- レイアウト構成を検討しておく
それぞれ説明します。
レポート目的と対象者を明確にする
まずは「誰に向けたレポートなのか」「分析や経営判断など、どのような目的のレポートなのか」を整理しておきましょう。
例えば、以下のようにまとめます。
- 経営層向けの月次報告書なのか
- 運用担当者向けの詳細分析レポートなのか
- クライアント向けの成果報告レポートなのか
対象者とレポートの目的により、作成すべきレポート内容が変わってきます。
必要なKPIを選定しておく
広告データで見るべきKPIを選定しておき、分析に必要な指標や項目でレポートを作成することが重要です。
例えば、目的によって以下のようなKPIがあげられます。
- ECサイトであれば売上貢献度を重視するROAS中心
- ブランド認知が目的なら表示回数・リーチ中心
- サイト誘導が目的ならクリック数・CTR中心
ECサイトの場合は、売上金額や購入金額などからROASを見ていきます。
日々の運用で見ているKPI指標を洗い出しておきましょう。
レポートの集計軸を決める
Looker Studioでは、Excelのピボットテーブルのようにドラッグ&ドロップで集計項目の入れ替えや集計表の作成が簡単にできます。
以下のように、あらかじめどのような集計軸で分析したいかと決めておくと迷わず作成できます。
- 期間別分析(日別・週別・月別)
- 媒体別分析(Google広告・Meta広告など)
- キャンペーン別分析
- デバイス別分析
- クリエイティブ別分析
レイアウト構成を検討しておく
レイアウト構成はレポートの見映えに大きく影響する要素です。
サマリー情報や詳細分析データの配置、グラフと表の使い分けも考えておきましょう。
手順1:ディメンションや指標などの要素を配置していく
レポートの基本構造を作るため、まずは配置の順番を決めてから主要なディメンション(分析軸)と指標を設定しましょう。
基本的な配置順序として、以下の流れで要素を配置することをおすすめします。
- 期間フィルター(日付範囲の選択機能)
- 主要KPIのサマリー(スコアカード形式)
- 時系列推移グラフ
- 分析軸別の詳細データ
配置できたら、ディメンションと指標を設定します。ディメンションと指標に設定できる項目の例は、以下の通りです。
▼ ディメンション例
- 日付(Date)
- キャンペーン名(Campaign)
- 広告グループ名(Ad Group)
- デバイス(Device)
- 地域(Geographic)
▼ 指標例
- 費用(Cost)
- 表示回数(Impressions)
- クリック数(Clicks)
- コンバージョン数(Conversions)
- ROAS(Return on Ad Spend)
手順2:グラフや表を選び配置していく
データの特性や表現したい内容に応じて、適切なグラフタイプを選択します。
グラフタイプの例を紹介します。
時系列データの場合

- 折れ線グラフ:パフォーマンスの推移を表現
- 面グラフ:複数指標の積み重ね表現
比較データの場合


- 棒グラフ:配信金額の前月との比較
- 円グラフ:構成比の表現
詳細データの場合

- 表形式:具体的な数値の確認
- ピボットテーブル:多次元でのデータ集計
- 散布図:CPAとCVRの相関関係など
- ヒートマップ:時間帯×曜日のパフォーマンス分布
各グラフには適切な色設定を行い、企業ブランドに合わせたデザインに調整します。
また、必要に応じて目標値の線を追加し、実績との比較を視覚化することも効果的です。
手順3:コントロールを追加し作成できているか確認する
次にレポートの使いやすさを向上させるためにコントロール機能を追加します。
例えば、期間フィルターでは日付範囲コントロールを追加し、任意の期間でデータをフィルタリングできるようにします。デフォルト期間は「過去30日」に設定しておくと良いでしょう。
媒体・キャンペーンフィルターでは、ドロップダウンリストやチェックボックスで、特定のキャンペーンや広告グループのみを表示できる機能を追加します。
デバイス・地域フィルターでは、モバイル・PC別の分析や、地域別の成果確認ができるよう、該当するフィルターを設置します。
コントロールを追加できたら、以下の項目をチェックし動作確認をしましょう。
- 各フィルターが正常に動作するか
- グラフと表のデータが連動して更新されるか
- 表示速度に問題がないか
- モバイル表示での見やすさは適切か
レポートが意図した通りに機能することを検証しておくことが大切です。
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Looker Studioで作成した広告レポートの共有方法
作成したレポートを効果的に共有するため、Looker Studioでは複数の共有オプションが用意されています。組織の規模や用途に応じて、最適な共有方法を選択しましょう。
レポート上部の「共有」ボタンから、個別のユーザーにアクセス権限を付与できます。
権限レベルは以下から選択可能です。
- 閲覧者:レポートの閲覧のみ可能
- 編集者:レポートの修正・更新が可能
- オーナー:全ての権限を持つ最高権限
Google Workspace環境では、組織グループやチームグループに対して一括で権限を付与できます。新しいメンバーがチームに参加した際も、グループに追加するだけで自動的にアクセス権限が付与されるため、管理工数を削減できます。
静的なレポートとして配布する場合は、PDF形式でエクスポートできます。印刷配布や会議資料として活用する際に最適です。PDFエクスポート時には、ページ設定やレイアウトの調整も可能です。
Looker Studioのスケジュール配信機能を使用して、定期的に関係者にレポートをメール送信できます。週次・月次の定型レポートとして活用すると有効です。配信頻度、時刻、宛先を詳細に設定可能で、PDF添付、またはレポートリンクでの配信を選択できます。
企業の社内ポータルサイトやクライアント向けダッシュボードに、iframe形式でレポートを埋め込み表示できます。これにより、他のシステムとシームレスに統合されたレポート環境を構築できます。
権限管理においては、情報セキュリティの観点から最小権限の原則に従い、必要最小限のアクセス権限のみを付与することが重要です。
また、定期的なアクセス権限の見直しも実施しましょう。
Looker Studioへ広告データを集約・データ分析する時のポイント
効果的に広告データ分析を実現するためには、データの統合方法と分析手法に関する戦略的なアプローチが必要です。
ここでは、Looker Studioに広告データを集約・統合し、データ分析する際のコツを紹介します。
媒体データだけではなくGA4など広告に関するデータも連携する
Google広告、Yahoo!広告、Meta広告、X広告(旧Twitter広告)、LINE広告、TikTok広告などの広告媒体データだけでなく、GA4などの計測ツールのデータも連携することで、広告のクリックから最終的なコンバージョンまでの全体的なユーザー行動を追跡できます。
単純なクリック数やCTRだけでなく、その後のサイト内行動(セッション時間、ページビュー数、直帰率など)や、最終的な成果(購入、問い合わせ、資料請求など)までを統合的に分析可能になります。
例えば、CRMシステムのデータを連携すれば、どの広告チャネルが最終的にどれだけの売上に貢献したかを明確に把握できます。CRMシステムのデータと連携することで、初回接触は広告経由だったものの、実際の購入は後日のページに直接訪問した場合だった場合も判別することが可能です。
複数のタッチポイントを経由して成果に至るカスタマージャーニーを分析し、各接触点の貢献度を正確に評価できるようになります。
従来のラストクリック評価では見落としがちだった広告チャネルの価値も適切に評価することが可能です。
適切にアトリビューション分析をすることで、広告の真の価値を評価できるようになるでしょう。
分析しやすくするためにデータ構造の統一とルールを決める
各広告プラットフォームでキャンペーン名、広告グループ名、キーワード名、指標名などが異なる場合、命名規則を統一することでLooker Studio上での集計やフィルタリング作業が大幅に効率化できます。
例えば、以下のような統一命名規則を設定します。
- キャンペーン名: [媒体][商品][ターゲット]_[配信方法](例:GGL_ProductA_20-30F_Search)
- 広告グループ名: [テーマ][地域][デバイス](例:Brand_Tokyo_Mobile)
キャンペーン、広告グループ、日付、デバイス、地域など、複数の広告プラットフォームで共通して分析したいディメンションを事前に明確化し、それらが各データソースで取得できているかを確認します。
Looker Studioのカスタムフィールド機能を活用すれば、Google 広告の「費用」と Meta広告の「消化額」といったデータソース間で異なる指標名を「費用」に統一したり、ROAS(売上 ÷ 費用)といった独自の計算指標を作成したりできます。
複数のデータソースを結合してレポートを作成する際には、Looker Studioのデータブレンド機能を使いましょう。日付、キャンペーン名などの結合キーを正確に設定することで、異なるデータソースのデータを統合したクロスプラットフォーム分析が可能になります。
チーム運用を考慮してレポート設計する
案件ごとにゼロからレポートを作成するのではなく、基本的な分析項目を網羅したテンプレートを作成し、複製して利用することで、レポート作成時間を大幅に短縮できます。
テンプレートには、以下の要素を含めるとモニタリングしやすくわかりやすいレポートを作成できるでしょう。
- 基本KPIのサマリー表示
- 時系列推移グラフ
- 媒体別比較表
- キャンペーン別詳細データ
- 標準的なフィルター設定
チームメンバーの役割や分析ニーズに合わせて、複数の粒度のレポートを作成することも効果的です。
例えば、以下のように対象者ごとに適したレポートを作成できます。
- エグゼクティブ向け:全体概要を把握できるサマリーレポート
- マネージャー向け:予算管理と成果評価に焦点を当てたレポート
- 運用担当者向け:詳細な分析とドリルダウンが可能な詳細レポート
- クライアント向け:成果を分かりやすく表現したビジュアルレポート
チーム運用においては、適切な権限管理とデータガバナンスの確立が重要です。
機密データへのアクセス制限、編集権限の適切な付与、データ品質の維持などを考慮したレポート設計をしましょう。
KPIとビジネスゴールに基づいてデータを可視化する
レポート上でコンバージョン数、CPA、ROAS、インプレッション数、クリック数など各広告案件のKPIを明確にし、一目で理解できるように可視化することが重要です。
例えば、スコアカード形式で主要KPIを上部に配置し、目標値に対する達成状況を色分けで表現することで、パフォーマンスの良し悪しを瞬時に判断できます。
また日別、週別、月別などの推移をグラフで表示し、広告パフォーマンスのトレンドを把握できるようにします。季節性やイベントによる変動も視覚的に捉えたい場合は、期間設定と比較機能を実装すると良いでしょう。
前月同期比、前年同期比など前期間との比較や、異なるキャンペーン・広告グループ間の比較を簡単に行いたい場合は、フィルタやコントロールを設置しておきます。データの比較ができれば、パフォーマンス向上・低下の要因分析を効率的に実施することも容易です。
概要レベルから詳細レベルへと、ユーザーが自由にデータを深掘りできるようにレポート構造を設計すると分析やすくなります。
キャンペーン全体の成果から特定の広告グループ、さらに個別の広告クリエイティブのパフォーマンスまで、段階的に詳細化できる仕組みを構築しましょう。
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Looker Studioにデータ集約、広告レポートを作成するならRoboma

ここまでLooker Studioで広告レポートを作成・共有する方法を紹介してきましたが、広告データの連携やレポートの構築を一から始めるには時間がかかるものです。
Looker Studioですぐに活用できる広告レポートを構築したい場合は、広告レポート作成ツールのLooker Studio構築サービスを利用するのもおすすめです。
例えば、広告レポート自動作成ツールRobomaでは、Looker Studio用の広告レポートテンプレートを提供しています。
広告運用でよく見る指標や、すぐに使える分析パターンが最初から組み込まれているので、Looker Studioの知識がなくてもレポート作成をすぐに開始できます。
Robomaでは、複数の広告媒体データを自動的に集約し、指標名の統一や媒体横断でのコンバージョン定義を事前に処理してからデータを統合・整理します。これにより、個別のCSV管理が不要になり、データ準備にかかる工数を大幅に削減できます。
広告データをBigQueryに出力してからLooker Studioで構築する場合、通常データエンジニアリングの専門知識が必要になります。
しかし、Robomaが提供する「広告ダッシュボード for Looker Studio」では、BigQueryの設定からLooker Studioレポート構築まで全てRoboma側で代行するため、技術的な知識がなくてもレポート環境を構築できるのが大きな特徴です。

現在の広告運用における具体的な課題や分析したいKPIをヒアリングした上で、テンプレートのカスタマイズなど広告データ分析環境を提案しています。
例えば、クライアント別ダッシュボード作成から媒体横断分析まで、レポートの使用用途に応じて柔軟に対応可能です。広告代理店様や広告主様、それぞれにご活用いただけます。
案件ごとにデータを管理できるプロジェクト機能やユーザーごとに権限付与できるユーザー招待機能により、クライアント別にデータアクセスするユーザーを分けて管理することもできます。
またLooker Studioでサムネイルを表示したクリエイティブレポートの作成も可能です。
Robomaでは、レポート構築後もLooker Studioのサポートも行うため、広告運用の変化や新しい分析要件に応じて、レポートの改善・拡張についてのアドバイスにも対応しています。
そのため、社内にエンジニアリソースがない場合でもLooker Studioでの最適な分析環境を維持することができます。
Robomaが提供している「広告ダッシュボード for Looker Studio」については、以下をご覧ください。
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Looker Studioで広告レポートを作成する時のよくある疑問・質問
Looker Studioで広告レポートを作成する時によくある疑問や質問をまとめました。
Looker Studioで広告レポートを作成する際にお役立てください。
そもそも初心者でもレポートを作成できるのか?
Looker Studioは直感的に操作しやすいツールですが、効果的な広告レポートを作成するためには、一定の知識と経験が必要です。
Looker Studioへの媒体連携方法、基本的な集計方法、グラフの種類と用途、フィルター設定などについて、ある程度理解しておくと、より分析しやすいレポートを作成できます。
特に、ディメンションと指標の概念や、データソースの接続方法、基本的なカスタムフィールドの作成方法などは事前に習得しておくと良いでしょう。
ただし、知識を付けてからレポートを一から作成するとなると大幅な時間がかかってしまいます。時間をかけずにレポートを作成したい場合は、テンプレートを活用することも有効です。
広告レポートで必要となる分析項目やレイアウトが既に組み込まれたテンプレートを使用すれば、作成時間を大幅に短縮しながら、プロフェッショナルなレポートを作成できます。
複数媒体のデータをまとめたい場合は?
Google広告のように標準コネクタが用意されている媒体については、比較的スムーズに連携できます。認証プロセスも簡素化されており、数クリックでデータ接続が完了します。
Yahoo!広告やMeta広告、LINE広告など、標準コネクタが提供されていない媒体については、サードパーティが開発したコネクタを活用するか、CSV形式でのデータアップロードが必要です。これらの媒体との連携は、知識がないと技術的なハードルがやや高くなってしまいます。
複数のデータソースを集約する場合や、カスタム計算フィールドを多用する場合は、データエンジニアリングの知識が必要になる場合があります。
特に、BigQueryを経由したデータ統合や、API連携による自動化を実装する場合は、技術的な専門知識が不可欠です。
複数媒体のデータ統合が複雑な場合は、Robomaのような専用ツールで事前にデータを集約・整理してからLooker Studioでレポート構築することで、作業工数を大幅に削減できます。
技術面を気にすることなく、レポート作成に集中したいときは、ツールを検討するのも一つの手段です。
Looker Studio以外にもレポート作成に利用できるツールはあるのか?
Looker Studioの他に、Tableau、Microsoft Power BI、QlikSense、Sisense、Domo などのBIツールが存在します。ツールによって独自の強みがあるので、企業の規模や要件に応じて選択すると良いでしょう。
例えば、Tableauは高度なデータ可視化機能と強力な分析エンジンを持ち、複雑なデータ分析に適しています。特に、大量データの処理能力と豊富なグラフィカル表現が評価されています。
Microsoft Power BIは、Microsoft Office製品との高い親和性を持ち、企業内のExcelユーザーにとって習得しやすいツールです。また、Microsoft Azure環境との統合も優れています。
他のBIツールと比較して、Looker Studioの魅力は、無料で利用できる点です。また、Googleのシステムとの親和性が高く、Google広告やGA4との連携がスムーズです。カスタマイズの自由度も高く、中小企業から大企業まで幅広い層に適用可能です。
ツールコストを抑えたい場合や、Googleサービスを中心とした広告運用を行っている場合は、Looker Studioが最適です。
ただし、より高度な分析機能や大量データ処理が必要な時は、有料のBIツールを検討しましょう。
Looker Studioはメンテナンスの必要があるのか?
Looker Studioで構築したレポートは、継続的なメンテナンスが必要です。
データソースの接続状況、カスタムフィールドの定義、レポートのレイアウトなどを定期的に見直し、常に最適な状態で運用できるよう維持管理をする必要があります。
実際にどのようなメンテナンスが必要なのかを、2つのケースを例にあげて紹介します。
ケース1:レポートの表示速度を遅くなってしまった
レポートの表示速度を向上させたい場合は、定期的な最適化を実施します。
不必要なディメンションや指標は含めないようにして必要最小限のデータをLooker Studioに連携させることで、レポートの表示速度を向上させることが可能です。
さらに使用していない古いデータソースの削除や、データ取得期間の適切な設定により、システム負荷を軽減することも有効と言えます。
Looker Studioのキャッシュ設定を最適化することで、レポートの読み込み時間を短縮できるでしょう。
ケース2:データソースの接続エラーが発生している
Looker Studioで接続エラーが発生した場合の主な解決方法は、以下の通りです。
- データソースの認証情報を確認し、アカウントの権限が有効かチェックする
- ブラウザのキャッシュとCookieをクリアして再接続を試みる
- Google広告などの媒体側でAPI接続が無効になっていないかを確認し、必要に応じて再認証をする
上記の方法で解決しない場合は、データソースを一度削除して再作成することで改善するケースが多いでしょう。エラーメッセージの内容を記録しておくと、サポートへの問い合わせ時にスムーズです。
万が一の時に備えて、データソースの接続エラーやデータの不整合が発生した際の対処フローを事前に確立しておくことが重要です。
例えば、以下のような準備をしておくと良いでしょう。
- 定期的なデータ更新状況の確認
- エラー発生時の関係者への迅速な情報共有
- 技術者でなくても対応できる復旧手順のドキュメント化
- メインレポートに問題が発生した際の代替手段としてのバックアップレポートの準備
組織変更や人事異動に伴い、レポートへのアクセス権限を定期的に見直すことも重要なメンテナンス作業です。
不要なアクセス権限の削除や、新規メンバーへの適切な権限付与を継続的に実施しましょう。
まとめ|Looker Studioで広告レポートを作成して成果の最大化を目指そう
Looker Studioを活用した広告レポート作成は、デジタル広告運用の効率化と成果向上において有効な手段です。
Looker Studioは無料で利用できるBIツールで、Google広告をはじめとする多様なデータソースと連携できます。
特にGoogleとの親和性が高く、直感的な操作でビジュアライズ化したレポートを作成できます。
媒体データだけでなく、GA4やCRMデータなども統合することにより、包括的なユーザージャーニー分析も可能です。
ただし、複雑なデータ統合や高度な分析については、専門ツールやサービスの活用も検討すると良いでしょう。
例えば、複数媒体のデータ統合については、Robomaが提供する「広告ダッシュボード for Looker Studio」を活用することで、技術的なハードルを下げながらレポート環境を構築できます。
複数媒体のデータ統合や計測ツール・CRMツールなどのデータとの突き合わせでお困りの場合は、広告データインフラのRobomaにご相談ください。
Looker Studioを活用した広告レポート作成により、データドリブンな意思決定をおこない、広告運用の成果向上を実現していきましょう。



