近年、FacebookやTwitterなどのSNS(ソーシャルネットワーク)の普及により、プライベートだけでなくビジネスにもSNSを活用したいという企業が増えてきています。
そこで今注目されているのが「社内SNS」です。
今回はその社内SNSについてご紹介していきたいと思います。
【目次】
社内SNSとは?
社内SNSとは、企業や組織内で人同士を繋ぎ、情報を共有できるSNSの仕組みを利用したシステムです。
部署や世代をまたいだ情報共有を促進する目的で導入する企業が増えてきています。FacebookやTwitterやLINEなどがビジネス仕様になったシステムをイメージすると理解しやすいと思います。
近年のSNSの普及によるコミュニケーション手段の変化などにより、ビジネスシーンでのSNSの活用が注目されています。
社内SNSの機能
社内SNSの主な機能には以下のようなものがあります。
・チャット
・音声・ビデオ通話
・コンタクト管理
・グループ作成・投稿
・タスク管理
・ファイル共有
・通知
・プロフィール
・ユーザー・グループ管理
・機能制限
グループウェアと似ている点が多いですが、グループウェアよりもコミュニケーションを円滑に進める機能に特化していると言えるでしょう。
社内SNSを導入する目的
- 社内の情報・ノウハウの共有を促す
メールや電話などの従来のコミュニケーションツールでは、情報共有が行いづらく、行えたとしても一部のみにとどまってしまいます。
社内SNSを使用して、情報やノウハウなどを一人が投稿すれば、手軽に社内全体に共有し蓄積することができます。また、ナレッジやノウハウを気軽に共有できる環境を作ることで、新入社員の研修に生かすこともできますし、社内の全体的な課題を把握しやすくなるでしょう。 - コミュニケーションの活性化
社内SNSは、従来のコミュニケーションツールのような一対一のコミュニケーションは起こりません。なので社員誰もが気軽に閲覧でき、コミュニケーションを取り合える環境作りを促すことができます。 - 多様な働き方の実現
コロナウイルスの感染拡大に伴いリモートワークを導入する企業が増え、今後は社員の働き方がますます多様化していくことが予想されています。
そのため、意識しなければ社員同士のコミュニケーションが希薄になり、トラブルや生産性が低下するという事態も生まれかねません。
社内SNSは、セキュリティを担保しながら外部からアクセスすることが可能なので、社外で働いている社員とのコミュニケーションを取るためのツールとして導入が見込まれています。
社内SNS導入のメリット
- 社内の情報共有がスムーズになる
情報をリアルタイムで共有できる、同時に複数人に共有できるなど情報共有の効率化を図ることができます。またインターネット環境さえあれば、いつでもどこでもアクセスが可能になります。 - 業務状況を把握しやすい
スケジュール管理やタスク管理機能が搭載されているので、メンバーの業務状況の進捗を簡単に把握することが可能です。確認の手間を省くことができるので、業務の効率化をアップさせることができます。また、状況を把握しやすくなることでタスクのリマインドがしやすくなります。
- ノウハウの蓄積ができる
メールや紙媒体で資料を管理することは難しいです。しかし、社内SNSを使えば、検索機能もあるので欲しい資料をワード検索ですぐに見つけることができます。ノウハウの蓄積がスムーズになるので、社員のスキルアップに繋がるでしょう。
社内SNS導入のデメリット
- 教育コストがかかる
使い始めたら便利な社内SNSですが、人によっては使いこなすまでに時間がかかる可能性があります。初めの方は、サポートや教育コストがかかることも認識しておいた方がいいでしょう。
- 社内に浸透しない可能性がある
導入初期は、真新しいものとして受け入れられる可能性が高いですが、しっかりと目的を持って導入しないと社内に浸透しない可能性があります。既存のツールで十分と思われてしまわないように、最初に目的を持って導入しましょう。
社内SNS導入に失敗してしまう理由
社内SNSの定着率は未だ30%前後にとどまっており、導入に失敗してしまうケースが多々あります。そこで、社内SNSの導入に失敗してしまう理由と注意するべきポイントをご紹介します。
- 社員の自主性を促すことができない
社内SNSはあくまで社員が自主的に行うもので、毎日行う業務としての位置づけはされていません。つまり業務としての強制力はないので、社員は他の業務を優先的に行い後回しになってしまうケースがあります。
社員が自主的に投稿してくれる環境を作るために、初めのうちは何らかのルールが必要になるかもしれません。
- 導入する目的が明確化されていない
まず「何のために導入するのか」を明確にした上で導入するようにしましょう。「とりあえず導入して後から改善点を探す」というスタンスでは社内に定着し辛く、失敗に終わる可能性が高まるので注意が必要です。
- プライベートとビジネスの区分けが行われていない
twitterなどの普段使用しているSNSと社内SNSの区別が必要です。日常の会話レベルまで社内SNSで行ってしまうと、重要な情報を見逃したり、利用者が限定されてしまったりして、本来の機能を果たせなくなってしまいます。
成功のポイント
最後に、社内SNSを導入する上で意識すると良いこと、成功のポイントを挙げていきたいと思います。
- 使用方法・用途を明確化する
導入する際の目的を明確化する必要があると先ほど述べましたが、明確化した目的を実際に使用する社員レベルまで共有することが重要です。加えて、使用方法やルールなどをきっちり設けて利用してもらうようにしましょう。「業務上の使用のみに制限する」などのルールはマストで必要かもしれません。
- 段階的に導入する
社内SNSに限らず新しいツールを導入する際には、定着させるための何らかの工夫が必要になります。いきなり社内全体に導入するのではなく、特定の部署に限定して導入し、改善点を洗い出した上で他部署にも適用していくなど、段階的に導入することで定着率が向上するでしょう。 - 社員への継続的なフォロー
頻繁に利用する社員と関心の低い社員で差が生まれてしまうのはしょうがない話です。しかしそのままほったらかしにしてしまうと情報格差が広がり、いつまで経っても定着しません。特に重要な情報は利用者全体に行き届くように継続的なフォローが必要になるでしょう。
社内SNSのおすすめサービス(無料)
Facebook Workplace(フェイスブック・ワークプレイス)
Facebook Workplaceは、Facebookが提供している世界中で30000社以上が導入する実績をもつ社内SNSです。
容量無制限のファイル共有が可能なことや、音声・ビデオ・チャットでのコミュニケーション機能が搭載されているのが特徴です。
無料プランのほかプレミアムプランまで用意されてます。
非営利団体や教育機関であれば、プレミアムプランでも無料で利用できることも特徴の1つでしょう。
Yammer(ヤマー)
Yammerとは、Microsoft社のOffice365に搭載されている社内SNSです。
このサービスはよく「企業向けTwitter」として紹介されます。
Twitterに近いUIでフランクな感じで投稿することができるので、社内コミュニケーションの活性化に繋がりやすいサービスとなってます。
Slack(スラック)
Slackは2013年にアメリカでリリースされ2018年には世界100カ国で800万ダウンロードを突破、日本でも毎日50万人以上が利用する、世界的に有名なビジネスチャットツールです。
Google Driveやtwitterなど外部ツールとの豊富な連携機能を持っており、画像を含めたどんなファイルでも手軽に共有することができます。
iOS、Android、Mac、windowsなど様々なデバイスに対応しています。
さらにオリジナルの絵文字を作成したりと、カスタム機能も充実しており、エンタメ性もあるので使用していて楽しいのも大きな特徴です。
chatwork(チャットワーク)
chatworkは国産のビジネスチャットツールです。
複数名が参加するチャット機能はもちろんのこと、過去のファイルを簡単に探すことのできる「ファイル管理機能」や「タスクの作成・管理機能」など、マルチに使用するための機能が豊富に搭載されています。
無料版の場合、広告が表示されるなどのいくつかの制限があります。
社内SNSのおすすめサービス(有料)
Talknote(トークノート)
Talknoteは、社内のコミュニケーションを活性化させるエンゲージメントクラウドです。
利用している社員のアクセス情報をAIが分析して、タスクの状況やモチベーションが落ちていないかなどを計測してくれることが特徴です。
またサポートも充実しているので、導入もスムーズに行うことができるサービスです。
SKIP(スキップ)
SKIPは「ムダな時間をなくして、本来やるべきところに時間と機会を作る」をコンセプトに開発された社内SNSツールです。PanasonicやJTなど、国内の大手企業が数多く導入しています。
画像のようなUIとなっており、複数人が同時にコメントしても何についての話かが一目で理解できるような構造になっています。
さらに、SKIP内でファイルを添付したチャットを送ると、ファイルの中身も含めて検索することができます。後から探したいものが出てきても簡単に見つけることが可能でしょう。
Salesforce Chatter(セールスフォース・チャター)
Salesforce Chatterとは、Salesforceの機能の1つとして搭載されている社内SNSです。
プロジェクトやデータ、社員のステータスがリアルタイムで把握でき、指定したファイルをメンバーの誰かが編集したら、その通知がくるようになります。
クラウド型のサービスなので、インターネット環境さえあれば、いつでもどこでもアクセスできるサービスです。
社内SNSツールのまとめ
今回は社内SNSについてご紹介してきました。
社内SNSをうまく活用するためには、導入目的をはっきりさせることが重要です。
そのあとに自社にあっているサービスを探してみるといいでしょう。
これを機会に導入も考えてみたらいかがでしょうか。