広告を掲載する時、資料請求をしてもらう、会員になってもらう、商品を購入してもらう、アプリをインストールしてもらうなど、ユーザに求めているアクション(コンバージョン)があると思います。
コンバージョンを目的とした広告配信を Facebook 行う時、最適化するには入札方法をうまく使うことが必須です!
今回のアップデートにより、入札方式の名称や分類が変更があり、入札戦略として捉えやすくなりました。
目的や予算などの状況に合わせて適切な入札戦略を選びましょう。
この記事ではそれぞれの入札方法の定義から、ベストプラクティスやトラブルシューティングなどの具体的な事項まで解説していきます!入札方法の定義などは知っている!という方はベストプラクティスから読んでみてください。
【目次】
1. あなたに合った入札戦略の見つけ方
①「最小コスト方式」
設定した予算でコンバージョン数が最大になるよう自動で入札が行われる方式です。
メリット: 予算を最大限効率的に使うことができる
デメリット: 予算を使い切ることを前提にしているため、予算増額やオークションの状況によって
コンバージョン単価が高騰することがある
👉 こんな時にオススメ
「目標のコンバージョン単価や入札価格が決まっていない」
「予算を使い切ってコンバージョン数を最大化したい」
②「ターゲット単価方式」
指定したターゲット単価に保ちつつコンバージョン数が最大になるよう入札が行われる方式です。
メリット: コンバージョン単価を一定に保つことができる。
デメリット: 最適化のための情報収集期間の間はコンバージョン単価が不安定になることがある
(最適化対象が50件以上になるとコンバージョン単価を比較的一定に保つことができる
ようになるそうです)
👉 こんな時にオススメ
「目標とするコンバージョン単価が決まっているので、一定に保ちつつ消化金額を増やしたい」
「設定したターゲット単価でどれくらい予算をあげることができるかを見たい」
※以前は15-25件とされていた情報収集期間は50件へ変更となりました
③「最小コスト方式+最大入札価格」
①の最小コスト方式同様、設定した予算で最もコンバージョン数を増やすような入札が行われます。ただし、最大で支払うことのできる単価(最大入札価格)の上限を設定するので、これよりも安い単価でコンバージョンが獲得できると予想がされた場合に限り入札するようになっています。
メリット: 最小コスト方式のコンバージョン単価が高騰するリスクを軽減できる
デメリット:設定価格が低すぎてしまうと広告が表示されずに機会損失となってしまうことがある
👉 こんな時にオススメ
「入札価格の上限を決めておきたい」
「費用を最小限に抑えたい」
2. 入札単価の決め方
そもそも Facebook はどのように支払額を決定しているのか?
→ 実際の支払額は、競合を負かした金額(=オークションで広告枠を得た際に2位だった競合の提示した金額)になります。
つまり、
- 支払額は入札額よりも安くなることが多い
- 入札額を低めに設定してしまうと、本来獲得できたはずの広告枠で競り負けてしまう可能性がある
ターゲット単価の決め方
ターゲット層から得たい成果(購入やアプリのインストールなど)に対して、どれくらい支払うことができるのかという理想の平均単価をはじめに設定する。広告配信、予算の消化など、望んだ結果が出るまでテスト調整を繰り返しましょう。
最大入札価格の決め方
まずは、現在または過去(最大入札価格を設定していなかった状態で)の平均単価を確認し、これらを根拠に設定します。さらに、利益を見ながら最大でどれくらい支払うことができるのかを考慮します。また、最適化対象となる広告セットを1週間で約50件得るために、1日の予算を入札価格の5倍以上程度に設定するのが良いとされています。最小の入札価格をはじめに設定する必要があるのであれば1日の予算を5で割った額を設定し、モニタリングしながら調整していくことができます。
👉 POINT
- 最初から完璧な額を設定しようとせず、モニタリングしながらテストと調整を繰り返す
ただし、調整が必要かどうかの判断は情報収集期間(=最適化対象の広告セット50件を得るまで)を待ってからにする - ライフタイムバリューを大切に
あるユーザのアプリのインストールなどの短期の成果ではなく、中長期的に見て成果を出すことを大事にする
3. ベストプラクティス
・入札価格や目標とするコンバージョンなどが決まっていない、よく分からない時は「最小コスト方式」を選ぶ。
望んでいる成果を得るためにどれくらいの入札額になるのかの目安を見定めましょう!
・コンバージョンに対して払うべき価格に検討がついているのであれば、「ターゲット単価方式」もしくは「最小コスト方式+最大入札価格」オプションにする。
予算を増額させつつコンバージョン単価を一定に保ちたい、もしくはその CPA でどれくらいの金額を消化できるか確かめたいなら
→「ターゲット単価方式」
コンバージョン単価を一定に保つことよりもコストを抑えて予算内でコンバージョン数を最大化したいなら
→「最小コスト方式+最大入札価格」
・短期間で入札方式を変更することは避ける!
Facebook の配信システムが広告の表示のさせ方などを再学習することになってしまい、精度の高い広告配信ができなくなってしまいます。
・ターゲット層に応じてを調整する
例えば価値の高いターゲット層に応じてはターゲット単価や最大入札価格をあげることなども一つの有効な手段です。ただしターゲット層のセグメント分けは慎重に行うことが必要です。ただし、ターゲットを細分化しすぎてしまうと広告が配信されにくくなってしまいます。
4. それでもうまくいかない時は?(トラブルシューティング)
・参考にしている過去のデータは適切か?
最大入札価格やターゲット単価を決めるのに過去のパフォーマンスを参考にしている場合には、その設定を見直すと良いかもしれません。具体的には、レポートのアトリビューションウィンドウの設定を調整するなどです。
・広告を見た人がアクションを起こしやすいイベントに切り替える。
入札単価の決め方にもある通り、より正確な判断をするためには情報収集のために最適化対象の広告が50件以上必要で、これは1週間で得たほうが良いとされています。現時点でこれが達成できていない場合には、ユーザ側にとってハードルの低いキャンペーンに切り替えることをおすすめします。具体的には、広告を見た人に対し「購入」というアクションを望んでいた場合、これを「カートに入れる」に切り替えることでより多くのアクションを得られるようにしています。
・ターゲット層を見直す
あなたの広告に興味がありそうなターゲット層は以下の3つを混ぜ合わせたものにすると良いです。
- 既存の顧客と似た層の類似オーディエンス
- 既存の顧客データやサイト訪問者から構成されたカスタムオーディエンス
- 行動履歴から導かれる関心度の高いユーザー
・クリエイティブを更新する
現在のクリエイティブの効果がある程度わかったら、違うデザインのクリエイティブでテストしてみましょう。インプレッション数やリーチを確認して効果の検証が十分であるかを確認できます。
・入札方式の変更
もし広告キャンペーンの結果が不十分で、上記の入札戦略を試した結果どのような修正をすればいいかがわからない場合には、最小コスト方式(最大入札価格の設定なし)に切り替えてみましょう。最小コスト方式を用いることで、コンバージョンに対して実際どれくらいのコストがかかるかどうかを知ることができます。
まとめ
入札単価の決め方などをはじめとする広告運用において、一発で確実にうまく方法というのは存在しません。
まずは「予算内でコンバージョンを最大化したい」や「ターゲット CPA をいくら以下に抑えたい」などのプロモーションの目的を明確にして、広告レポートをモニタリングしながら試行錯誤(PDCA)を繰り返すしかありません。(ただし入札調整のタイミングは広告セットのコンバージョンが50件を超えてからがおすすめです。)
入札単価の細かい調整は Facebook のシステムがやってくれる一方で、コンバージョン獲得のための大きな舵取りは私たちで行わなければいけないんです。入札戦略と上手に付き合い、 Facebook 広告配信の最適化を目指しましょう!