【徹底比較】大手広告代理店の特徴と強み

【徹底比較】大手広告代理店の特徴と強み

広告代理店と一言でいってもその特徴はそれぞれ異なります。

今回は大手広告代理店の特徴とその強みについて徹底比較していきたいと思います。

そもそも広告代理店とは?

広告代理店とは広告を扱う会社の総称です。

では具体的に広告代理店は、どんな仕事をしているのでしょうか。

クライアントに代わり、広告戦略の立案と広告制作の主に2つの仕事を行なっています。

広告代理店は、広告を出したい企業(広告主)と、ネット・テレビ・新聞などの広告を掲載するメディア(媒体)、を繋ぐ仲介者のような役割を果たしています。

広告主からの広告制作の依頼を受けたり、メディアから購入した広告スペースをスポンサーに販売することで広告代理店は利益を得ています。クリエイティブな社員たちが、人の心を動かす広告を制作していきます。

広告主とメディアとの仲介、そして広告物の制作。特に後者のクリエイティブな仕事が、広告代理店の”華やかなイメージ”を形成している要因であるといえそうです。

広告代理店とは

出典:https://matcher.jp/dictionary/articles/31

広告代理店の種類とは?

広告代理店とはどんな企業なのか理解できたところで、広告代理店の種類についてお伝えします。広告代理店の種類は大きく以下の3種類があります。

① 総合広告代理店

② ハウスエージェンシー

③ 専業広告代理店

① 総合広告代理店

総合広告代理店は、ある特定の1つのメディア媒体にとらわれず、テレビやラジオ、新聞、雑誌などいわゆる4マスを中心とした広告を取り扱っている代理店です。みなさんがご存知である電通や博報堂はこの総合広告代理店に該当します。上記以外にも、インターネット広告なども取り扱っている代理店もあります。

このように、総合広告代理店は全てのメディアを網羅しているため、複数のメディアに横断的にアプローチすることが可能です。

② ハウスエージェンシー

ハウスエージェンシーとは、特定の企業専属の広告代理店のことです。金融面で特定の広告主から支援を受けている場合も多いです。近年では、特定の企業との取引を行うだけではなく、他社からの案件を引き受ける代理店も増えてきています。

具体的には、JR東日本のハウスエージェンシーであるJR東日本企画や東急グループの広告を担う東急エージェンシー、トヨタの広告を担うデルフィスなどがあります。

③ 専業広告代理店

専業広告代理店は、総合広告代理店のように様々なメディアを扱うのではなく、ある特定の媒体やジャンルに特化した広告代理店です。具体的には、特定の広告媒体の枠を売るための営業活動をしています。

それぞれのジャンルに特化したノウハウを有し、その広告枠で効果的な費用対効果を出すことに強みを持ちます。

大手広告代理店の比較

ここから大手広告代理店の特徴と強みを徹底比較していきたいと思います。

電通(Dentsu)

http://www.dentsu.co.jp/

1901年の創業以来、日本の広告代理店最大手であり続けるのが電通です。世界的に見ても、世界5位の売り上げ規模を誇っています。

電通の社風は、一般的にも言われているように「体育会系企業」と言えるでしょう。

「とにかく人数で押せ」という言葉があるように、勝負所には総力戦をかけるのが特徴です。この営業力が結果として、他社を引き離すことに繋がっています。また、その圧倒的な政治力により、電通でしか扱えない広告枠を多く持っています。

例えば、オリンピックやワールドカップなど、その広告枠が多額で売買されるものは、電通でしか取り扱えません。なので、流行に敏感という点も強みとなるでしょう。

電通の一番の強みとしては、近年強化しているグローバル展開です。

電通は、イギリスの広告企業であるイージス社の買収を皮切りに、海外事業を拡大しました。その豊富な資金力を武器に各国において広告関連企業を買収し、広告活動を展開するに至りました。

博報堂(Hakuhodo)

https://www.hakuhodo.co.jp/

電通にならび、日本の2大広告代理店として知られる博報堂の創業は1895年と、実は電通よりも古い歴史を持っています。博報堂の社風は「スタイリッシュで個人主義」です。電通とは真逆といってもいいでしょう。

データに基づいた営業やスタイリッシュな物腰が就職活動生にもウケています。特徴としては、まず「クリエイティブの博報堂」と呼ばれるほど制作部門が強いことが挙げられます。2017年には、広告領域における世界最大規模の祭典である「カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル2017」にて16の賞を獲得。また、日本国内最大の祭典である「ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS」では、グランプリ3賞を含む33の賞を獲得など、クリエイティブ分野において高い実績を誇っています。

さらに博報堂は、データの収集・分析に強みを持っています。データを元に効果的なマーケティング施策を打ち出していくことはこれからの時代においてより重要になっていくでしょう。特に博報堂は生活者データに長けており、Web行動データや購買データといったような消費者データを、デジタルソリューション広告に活かしています。

アサツーディ・ケイ(ADK)

https://www.adk.jp/

大手広告代理店の一角として名を連ねるADKは、1999年に旭通信社と第一企画が合併して誕生しました。ADKといえば、やはり「アニメとラグジュアリー」ではないでしょうか。そう言えるほど明確な強みがあることがADKの特徴といえます。

「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」「ガンダム」といった有名作品の版権を持っているだけでなく、グループ会社のADKマインドシェアでは、「ルイヴィトン」や「Christian Dior」などラグジュアリーブランドの広告を一手に引き受けています。

そのため、広報の企画や制作業務以外にもキャラクターの商品化や商品タイアップなど幅広く仕事を請け負っています。これからの時代はこのように幅広い分野に強い企業が伸びてくるかもしれないですね。

ちなみに、2017年10月にアメリカの投資(プラベートエクイティ)ファンドの「ベインキャピタル」に約1,500億円で買収されました。この理由としては、仕切り直しをはかるためであると言われています。以前提携していた企業とのパートナーシップを解消して、新しい企業と提携してみようということです。今後の動向が注目される企業の一つです。

大広(Daiko)

https://www.daiko.co.jp/

関西地域を拠点とする広告代理店が複数社統合して設立されたのが大広です。2003年に博報堂と読売広告社と「博報堂DYホールディングス」を設立し経営統合しています。ちなみに、DYのD=大広、Y=読広(読売広告社)の略です。

徹底したダイレクトマーケティングを強みとしていて、顧客のロイヤルティ化を目指しています。大広は20年以上前からこの分野に注力していて、「ダイレクトなら大広」と言われるほどになりました。これが大広の特徴でもあり、強みでもあると言えるでしょう。

JR東日本企画(Jeki)

https://www.jeki.co.jp/

JR東日本グループのハウスエージェンシーであるJR東日本企画。しかし近年では、他社からの案件を引き受けるようにもなりました。社風としては「成果主義型の人事制度」であることが挙げられます。

そのため新入社員でも結果を出せばそれ相応の役職がついてくるのでこれがモチベーションの維持に繋がります。JR東日本企画の強みとしては、やはり「JR(鉄道)」という資源を持っていることです。

電車や駅の利用者をターゲットにすることができます。そこを利用する人々の気持ちや時間に合わせて人の心に刺さる広告を作っていくことが大切です。その人たちの心に刺されば、すぐにでも購買行動を起こすことができることがメリットでもあります。

サイバーエージェント(CyberAgent)

https://www.cyberagent.co.jp/

1998年の設立時から、その時々で既存事業の利益を新規事業に大規模投資し、次の事業の柱を打ち立てるスタイルでここまで成長してきました。時代の流行にあわせた様々な事業を行なっています。元々は広告代理店として始まりましたが、今ではそれに加えてメディア事業やゲーム事業、クラウドファンディングやプログラミング学習事業なども行なっています。有名なAbemaTVやアメブロといったメディア事業をメイン事業としているのかと思いきや、実際はインターネット広告などの運用型のデジタル広告と、ゲーム事業の2本柱となっています。最近は動画広告にも力を入れています。常に挑戦する姿勢がユーザーにウケていると言えるでしょう。

セプテーニ(Septeni)

https://www.septeni.co.jp/

1990年に設立され、ネットマーケティングとメディアコンテンツ事業を手がけているセプテーニ。運用型のデジタル広告とゲーム業界に強いのが特徴です。

そして2018年、大手広告代理店である電通がセプテーニ・ホールディングスの株式の公開買い付けを発表しました。近年、デジタル広告の出稿額がテレビを超えてしまっていることから大手広告代理店もデジタル広告の存在を無視できなくなっているということがこのことからもわかります。

DAC(デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム)

https://www.dac.co.jp/

1996年に博報堂、ADK、デジタルガレージなどの共同出資によって生まれたインターネット広告会社です。ネットメディアの広告枠を束ねて大手広告代理店経由で広告主に提案する「メディアレップ」という業態からスタートしました。いわゆる純広告に強い会社です。その後、リスティング広告に強いアイレップを買収しました。現在は、博報堂DYメディアパートナーズのグループ企業として、YouTube広告から最先端のアドテクノロジーまで幅広い分野を扱っています。

存在感を増す外資系エージェンシー

最近では、外資系のコンサル会社や会計事務所が次の成長領域としてデジタルマーケティング領域に進出してきています。

Accenture Interactive(アクセンチュア)

https://www.accenture.com/jp-ja

アクセンチュアは世界中のあらゆる分野・産業に対してコンサルティングを提供している世界最大のコンサルティングファームです。

アクセンチュア最大の特徴と言えば、「アクセンチュア・イノベーション・アーキテクチャ」です。デジタル領域に力を入れているアクセンチュアは、これまで蓄積したノウハウなどを使って企業の迅速な成長を実現しています。

Deloitte Digital(デロイト)

https://www2.deloitte.com/jp/ja.html

デロイトは、日本最大級のコンサルティングファームであり、マネジメントコンサルティングのリーディングファームの1つです。

人を育てることを大切にしているというような社風があり、新入社員が一人前になるまでじっくり面倒を見てくれます。このことから新卒採用にかなり力を入れていることが伺えます。

また、日本最大級の有限責任監査法人トーマツのグループに属しているため、世界中の経験豊富なエキスパートと連携していることが強みです。

IBM Interactive(アイビーエム)

https://www.ibm.com/jp-ja/index-h.html

IMBは最先端のテクノロジー技術を活用したビジネスを行なっている会社です。

元々は世界最大のコンピューターメーカーでしたが、パソコン事業をレノボに譲渡してからはクラウドコンピューティングやコンサルティング事業が中心となります。

IBMの強みとして、変化に対応する力が挙げられます。時代の変化に応じて、事業の多角化を進め、必要に応じて既存のコモディティ事業を売却するという柔軟性が、変化の激しいテクノロジー業界で生き残った理由ではないでしょうか。

まとめ

今回は、大手広告代理店の特徴と強みを比較してみました。比較してみると、どの広告代理店も会社としての軸はしっかりしながら他社には無い強みを持っていることがわかります。またM&Aにより買収・合併したり、外資とパートナーシップを組んだりと、業界の再編もめまぐるしいです。今後広告業界にどのような変化が起きるのか楽しみです。

広告代理店に委託するメリットとデメリット

2019.04.18