アトリビューションモデルとは?

アトリビューションモデル

アトリビューションモデルについてご存知でしょうか?

ユーザーはコンバージョン(成果)発生に至るまでにさまざまなメディアや広告に接触します。ある商品について、SNS で広告に接触し、ブログで記事を読み、検索経由でランディングページを訪れて、購入(コンバージョン)するといった具合です。

アトリビューションモデルは、このコンバージョンに至る経路において、それぞれの経路の「貢献度」を評価するための仕組みです。

今回は、広告運用において知っておくべきアトリビューションモデルについてご説明したいと思います。

そもそもアトリビューションとは?

アトリビューションとは、コンバージョン(成果)に帰属する効果ということで、広告業界では一般的に「直接効果」「間接効果」とも呼ばれます。

例えば、コンバージョン(商品購入)までに、消費者がいくつかの広告(広告A→広告B→広告C)に接触したとします。

これまで一般的な広告効果測定ツールは、コンバージョン直前のラストクリック(広告C)だけを成果の要因としてきましたが、実際にはいくつかの広告(広告A、広告B)も多少なりとも成果に寄与したと言えます。

今回の場合ですと、コンバージョン直前のラストクリック(広告C)を直接効果、それ以前の広告(広告A、広告B)を間接効果と呼びますが、成果に対して何がどれぐらい寄与したのかを明らかにすることがアトリビューションの基礎となります。

ちなみに、広告だけの話に限らず、近年では、広告媒体に加え、ソーシャルメディアやブログなど様々な施策を併用している企業が多数だと思います。その中で、どの施策がどのように貢献しているかを知ることが重要になります。

アトリビューションの重要性

どのメディアやチャネルが、マーケティング活動においてもっとも効率が良いかを把握することは、ビジネスを成功に導くには大切なことです。

先ほど例をあげた広告A、広告B、広告Cですが、広告A、広告Bが広告Cのラストクリックに影響を及ぼしていたにも関わらず、広告Cがラストクリックだからと言って広告Cしか出稿しなくなってしまった場合、コンバージョン率が下がったり、配信面が限られてしまうリスクがあります。その結果、広告出稿自体が先細りしてしまう可能性があります。

つまり、アトリビューションを正しく評価しないと何にどれぐらい広告費をかけるべきか、判断を誤ってしまう可能性があるわけです。

アトリビューションの測定は難しそうに思えますが、実は簡単に計測することが可能です。GoogleアナリティクスやFacebookにもアトリビューション機能がありますので、積極的に活用してみてください。

5つのアトリビューションモデル

一般的なアトリビューションモデルには、終点モデル・起点モデル・線形モデル・減衰モデル・接点ベースモデルの5つがあります。モデルといっても割合の計算ですので、そこまで難しい概念ではありません。

  • 終点モデル(ラストクリックモデル)
    最後のタッチポイントのみをコンバージョンの要因とするモデルです。従来の一般的な広告効果測定ツールで用いられてきたモデルです。購入段階のユーザーに行動を促す広告やキャンペーンを作っている場合や、ビジネスの主たる販売サイクルに検討段階が含まれない場合におすすめです。
  • 起点モデル(ファーストクリックモデル)
    最初のタッチポイントのみコンバージョンの要因とするモデルです。初期のブランド認知を目的に広告やキャンペーンを掲載している場合におすすめです。

  • 線形モデル
    すべてのタッチポイントを均等にコンバージョンの要因とするモデルです。最も使いやすく、オーソドックスなモデルです。キャンペーンを運用する目的が、販売サイクル全体を通じて顧客との接触を維持し高めることにある場合におすすめです。

  • 減衰モデル
    コンバージョンに近いタッチポイントをより強い要因とするモデルです。指数関数的減衰という概念に基づいています。短期的なキャンペーンやプロモーションを展開する場合などにおすすめです。
  • 接点ベースモデル
    最初、途中、最後のタッチポイントの重みを変えてコンバージョンの要因とするモデルです。貢献度の合計を100%とすると、最初と最後のタッチポイントにそれぞれ40%、残りの20%を途中のタッチポイントに割り振ります。ブランド認知のための広告媒体と獲得系の媒体の両方を評価したい場合におすすめです。

5つのアトリビューションモデルをご紹介しましたが、プロモーションやキャンペーンの目的によって選択すべきアトリビューションモデルは異なります。何のために施策を行うのか目的をしっかりと把握し、アトリビューションモデルを活用しながら正しく評価するようにしましょう。

Googleアナリティクスや Google広告には、アトリビューションモデルを比較してチャネルごとのコンバージョン数がどう変化するかをシミュレーションできるツールがあります。こういったものを活用して、評価の違いを把握するのも良いでしょう。

Google アナリティクスのアトリビューションモデル比較ツール

Google アナリティクスのアトリビューションモデル比較ツール

Google広告のアトリビューションモデリング

Google広告のアトリビューションモデリング

アトリビューションモデルのまとめ

アトリビューションモデルを適切に運用することで、より効果的に広告費を使ったり、コンバージョンを最大化できる可能性が広がります。ただし、何が最適なアトリビューションモデルかは時と場合によって異なります。

重要なのは最適なモデルを探すことではなく、達成したい目的において正しい評価の仕方を検討し、仮にアトリビューションモデルを変更しなかったとしても、「直接効果」と「間接効果」が存在することを認識して、短期的に効果がないからといって短絡的に意思決定をしないことです。