SNS といえば、Facebook、Instagram、そしてTwitter が真っ先に思いつくのではないでしょうか。
Twitter の国内月間アクティブユーザー数は4,500万人(2020年4月時点)となっており、Facebookの国内月間アクティブユーザー数2,600万人(2019年3月時点)、Instagramの国内月間アクティブユーザー数3,300万人(2019年3月時点)と比較しても非常に多くの人に使用されている SNS であることがこのデータから分かります。
Twitterはユーザー層の幅が広く、20代を中心に30代、40代、50代のユーザーも少なくありません。今回はそんなTwitterで広告配信が可能なTwitter広告についてご紹介したいと思います。
【目次】
Twitter広告とは?
Twitter広告とは、Twitterのタイムラインや検索結果に掲載できる広告のことです。ユーザーの興味関心や、ツイート内容、検索内容などを元に様々な角度からのターゲティングが可能です。また後ほど紹介しますが、Twitter広告の特徴として2次拡散があります。これを上手く利用すれば広告料をほとんどかけずに情報の拡散をすることができます。なので上手く運用すればとても費用対効果の高い広告といえるでしょう。
Twitter広告の特徴
Twtter広告の主な特徴は以下の3点です。
- 二次拡散
Twitter広告は、ユーザーの行動ベースで課金される、エンゲージメント課金という成果報酬型の課金方法を採用していますが、二次拡散以降はエンゲージメント課金が発生しない仕組みになっています。
この二次拡散とは、例えば、Aさんが広告Xを見てリツイートをし、BさんがAさんの広告Xのリツイートを見てさらにリツイートをした場合のことを言います。この二次拡散がされればされるほど、広告費を抑えながら広告の効果もアップするようになっているというわけです。
- 若年層へのリーチ
Twitterのユーザーは20代の若年層が中心となっています。そのため、若年層と親和性の高い商品・サービスのプロモーションを行うにはうってつけのプラットフォームといえるでしょう。 - 高精度なターゲティング機能
ユーザーのツイート・フォロワーはその人の趣味嗜好に基づいており、何に興味関心を寄せているのかを容易に把握できます。さらに、そのような興味関心にアプローチするためのターゲティング機能も優れているので、他の媒体よりもピンポイントでターゲティングすることが可能になります。
Twitter広告の種類
Twitter広告は掲載面と掲載方式によって以下の5種類に分かれています。
- プロモアカウント
Twitterのアカウントを宣伝するためのキャンペーンです。タイムライン、おすすめのユーザー、検索結果など、あらゆる場所に広告は表示されます。プロモアカウントはフォロワーの数を一気に増やすことに向いているので、購入、ダウンロード、および登録の数などを増やしたい時には便利な広告手法です。 - プロモトレンド
おすすめトレンドの一番上に表示され、キーワードやハッシュタグを表示させることができます。タイムリーな話題のキーワードに、このプロモトレンドを使って自社キャンペーンや新商品を紹介できるようなキーワードが入っていると、新規ユーザーの獲得に役立てることができます。
Twitter社の広告担当者によると、50人ぐらいが短期間でツイートするとオーガニックでトレンドに載ることがあるそうです 。 - プロモツイート
アカウントではなくツイート単体を宣伝することで、幅広いユーザー層にメッセージを届けたり、既存のフォロワーからのエンゲージメントを刺激できる広告です。Twitter広告には「プロモーション」というラベルが付けられ、他のツイートとは区別されます。 - ファーストビュー・ファーストビューオンリー
タイムラインのトップに掲載することができる1日1社限定の動画広告枠です。最も目に止まる場所に24時間掲載されるので、1日の早い時間に多くのビュー数を稼ぐことができます。そのため、単に拡散を図るだけでなく、会話の中心になったり有意義な口コミを得ることも期待できます。通常はプロモトレンドとセットで販売されていますが、プロモトレンドを併用しない「ファーストビューオンリー」という広告も存在します。いずれも出稿するには広告代理店またはTwitter営業担当経由に限定されています。 - プロモトレンドスポットライト
プロモトレンドスポットライトとは、一社買い切り型の広告プロダクトです。
詳細はこちらの記事をご覧ください。
Twitter広告配信の目的
Twitter広告をはじめると、まず、目的別のキャンペーンを作ることになります。
キャンペーンとは、プロモツイート(広告主がお金を支払う代わりに、幅広い利用者層にリーチしたり既存フォロワーからのエンゲージメントを獲得したりできます)を活用するための様々な方法です。
Twitter広告のキャンペーンの種類は8つあります。
- ブランド認知度の向上
ツイートをプロモーションしてリーチを最大化する - ツイートのエンゲージメント
会話を始める可能性の高い適切なオーディエンスにコンテンツを表示する - 動画の再生数
動画コンテンツの再生回数を最大化する - フォロワー
Twitterのフォロワー数を増やす - ウェブサイトへの誘導数またはコンバージョン
ウェブサイトをプロモーションしてサイト訪問数やコンバージョン数を増やす - アプリのインストール数または起動回数
アプリをプロモーションしてダウンロード数や起動回数を増やす
※業界的には、Mobile App Promotion (MAP) とも呼ばれます。 - インストリーム動画
動画コンテンツを関連性の高いパブリッシャーコンテンツにプレロール動画として表示する - クイックプロモート
目的に基づくキャンペーンを実施する時間がない場合に使用する
Twitter広告のターゲティング種類
Twitter広告では様々なターゲティング方法があるのが特徴です。
Twitter広告では広告グループにおいてターゲティングを組み合わせて設定することができます。
特徴的なターゲティング手法は主に以下の3種類があります。
- キーワードターゲティング
キーワードターゲティングは、こちらで設定したキーワードを含んだツイートをしたユーザーと、そのツイートに反応したユーザーに対して広告を配信することができます。
特にTwitterでは、「トレンドワード」というタイムリーに変化する人気キーワードを盛り込むことで多くのリーチを稼ぐことができます。これは時間と共に変化するため、世の中の動きやツイート動向を常に確認する必要があります。 - ハンドルターゲティング(フォロワー)
自社サービスに関連するハンドル(ユーザー名)などを基本として、ターゲットになり得るハンドルを指定し、そのフォロワーに配信を行うターゲティング方法です。競合やターゲットユーザーを抱えているであろうハンドルを指定することで、そのフォロワーに広告を表示させることが可能です。リスティングなどでは難しい競合ターゲティングを行うことができます。
また、フォロワー数の多いハンドル(Twitterアカウントの「@———」部分)を指定することで広範囲に配信することができるので、芸能人のフォロワーに対し配信したりすることも有効的です。 - インタレストターゲティング
人々の興味や関心のあるものの相関図(インタレストグラフ)を利用し、アクティブユーザーが興味を持っているトピックに合わせたツイートを表示します。ユーザーのターゲット精度は落ちますが、より広範囲に配信することができます。いずれのターゲティング手法においても、重要なのは「運用」です。Twitterの特性上これらのターゲティング情報はリアルタイムに変化していきますので、Twitter社が推奨しているとおり「ターゲティング情報を定期的に見直すこと」がTwitterの広告運用で効果を上げるために非常に重要であることは間違いありません。また、広告グループ間でターゲットが被ると競合してしまうため、なるべく被らないように運用することも大切です。
Twitter広告の料金体系
Twitter広告はリスティング広告などと同様にオークション形式の課金体系になっています。課金のタイミングは上記でご紹介したTwitter広告のキャンペーンによって異なります。
例えば、フォロワー獲得目的だった場合、フォロワー獲得1件につき費用が発生するようになっています。
最低金額や最低利用期間に制限がないため、1円からでも出稿することができ、いつでも出稿を開始・停止することができます。
実際にTwitter広告を出稿する方法には以下の2つがあります。
- Yahoo!から出稿する方法
Yahoo!プロモーション広告を利用する方法で、Yahoo!の広告出稿プラットフォームに必要事項を記入し、いくつか設定を行うだけで初心者でも簡単にTwitter広告を出稿できます。支払い方法はクレジットカード決済か銀行振込から選べます。
- セルフサービスで出稿する方法
Yahoo!を介さず、直接Twitterに広告を出稿するセルフサービス式です。Yahoo!タグマネージャーを導入する必要がなく、Twitter広告のアクセス解析ツール「Twitterアナリティクス」を無料で利用できます。セルフサービス式は個人事業主や中小企業が対象です。決済方法はクレジットカードのみです。
Twitterアナリティクスの詳細はこちらの記事をご覧ください。
Twitter広告のクリエイティブ
ユーザーへの様々な訴求が可能なフォーマットが用意されており、クリエイティブは大きく4つに分類できます。
- 通常のツイート(テキストのみ)
通常のツイート同様140文字以内のテキストのみの広告です。非常にシンプルですが、他のツイートと馴染み、違和感なくユーザーにアプローチが可能です。 - 画像つきツイート
通常のツイートに画像が追加された広告です。GIF画像など工夫をすると、より目を引きます。複数の画像を加えることも可能です。 - 動画つきツイート
動画が追加された広告です。テキストのみの広告や画像つきの広告よりもたくさんの情報を伝えることができるため、より印象に残るアプローチが可能です。 - Twitterカード
ツイート内にリッチにコンテンツを表示させることができる広告です。画像にリンクを設定できるため、ウェブサイトやアプリダウンロード、アプリエンゲージメント、ツイートの拡散促進に効果的です。Twitterカードは、Summary Card、Summary Card with Large Image、App Card(アプリ配布用)、Player Card(動画サイト用)の4種類あります。
Twitter広告のプロモーション成功事例
最後に、Twitter広告のプロモーション成功事例をご紹介します。
明治:きのこの山たけのこの里国民総選挙2019
株式会社明治は、自社商品である「きのこの山」と「たけのこの里」のどちらがより人気なのかを決定する投票企画をTwitter上で開催しました。元々Twitter上で行われていた「どっち派?」という話題を公式化したこの企画の第二弾となっています。
ユーザーが企画に参加できる投票機能・芸能人などインフルエンサーを起用したツイート拡散・リアルタイムでどちらが優勢か確認できる機能を通して大変話題を呼び、総投票数は428万票にも上りました。
Twitterの特徴である即時性や拡散力を利用した販売促進プロモーションの成功事例と言えます。
高崎市×博報堂ケトル:「農Tube高崎」
こちらは、地方自治体がTwitter広告のプロモトレンドを活用してYouTubeチャンネルへのコンバージョンを促すことに成功した事例です。
プロモトレンドはデジタル広告の中でもマスメディア級のリーチが得られるという特徴に着目しました。さらに広告特有の胡散臭さが出ないことを意識した結果、好感度の高いコメントが多く寄せられたそうです。
こちらの施策は1000万インプレッション、2万7000リツイート、1万7000いいねを記録し、YouTubeのチャンネル登録者数も倍増したと言います。
Twitter広告は双方向的なコミュニケーションをとることに優れています。通常のデジタル広告では測定できない、ユーザーの生の声を聞くことができるのは大きな強みなのではないでしょうか?
さらに多くの事例を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
Twitter広告のまとめ
今回はTwitter広告について、その全体像を解説しました。
Twitter広告をご検討の方は、この記事を参考に、ターゲティングやクリエイティブの改善を行なって効果のある広告配信に挑戦してみてくださいね。
また、Twitterの機能についてさらに理解を深めたい方は合わせてこちらの記事もご覧ください。