皆さんは「SaaS(サース)」という言葉をご存知でしょうか?
Googleなど有名企業が提供するサービスにも、SaaS製品がいくつもあり、おそらく誰もが一度は利用したことがあるはずです。
IT業界ではもはや当たり前のように使用される用語の一つとなっています。
しかし、SaaSについていまいちよくわかっていないという方も少なくないのではないでしょうか?
そこで今回は、クラウドサービスとはそもそも何か?という部分から、SaaSモデルについてまで詳しくご説明していきます。
【目次】
そもそもクラウドサービスとは?
引用:https://www.robotpayment.co.jp/blog/business/5149/
クラウドサービスとは、従来は利用者が自身のコンピュータで利用・管理していたツールやソフトウェアを、ネットワーク経由でサービスとして利用者に提供するものです。
クラウドサービスを利用すると、パソコン・スマートフォン・タブレットなど様々な端末から、いつでもどこでもインストールの必要なしにインターネット上で自由にサービスを利用することができます。
クラウドサービスは利用形態によってこれからご紹介する「SaaS」、その他に「PaaS」、「IaaS」という3つに分けられます。後ほど、それぞれの特徴と違いについてご紹介します。
SaaS(サース)とは?
SaaS(Software as a Service)とは、ネットワークからサービスにアクセスすることによって、ソフトウェアとしての機能を必要に応じて切り分けて提供するクラウドサービスです。身近なものでいうと、GmailなどのWebメールやDropboxなどのオンラインストレージ、Microsoft Office 365などのオフィスソフトが挙げられます。
ユーザーのパソコンやスマホに、ソフトウェアをインストールするのではなく、プロバイダ側で稼働して、ソフトウェアの機能をユーザー側がネットワークを通じて活用するという点が特徴です。SaaSでは、ユーザー側は、自分が必要になった時に、必要な機能を使うことが可能です。
SaaS、PaaS、IaaSの違い
SaaS、PaaS、laaSの違いは、簡単にいうと「どこまでクラウドで用意するか」です。各々のサービスがどのレイヤーまで提供しているかによって、SaaS、PaaS、IaaSと名称が異なります。
- SaaS(サース)
SaaSとは先ほどもご紹介した通り、アプリケーションなどのソフトウェアをインターネット経由で提供するサービスのことです。ソフトウェアの開発が不要なので、購入するコストや時間が大幅に改善することができます。近年最も利用されているクラウドサービスです。 - PaaS(パース)
PaaSは、アプリケーションの開発環境や実行環境をクラウドで提供するサービスです。スマートフォン向けアプリやWebアプリケーションなどを開発するための開発基盤やツールがまとめて用意されています。主に、PaaSは企業でのサービス開発に利用されます。
Webアプリの開発・公開が可能なGoogle App EngineやHeroku(Salesforceにより買収)などがPaaSの代表的なサービスですが、システム開発に携わるような人でないと馴染みはないかもしれません。 - IaaS(イァース/アイアース)
IaaSは、ネットワーク経由でシステムのインフラを提供するサービスのことです。サーバーやストレージ、ネットワーク機器などを、ユーザーが必要なときに必要な分だけ、オンデマンドで仮想的に構築することが可能です。
IaaSもPaaSと同様、アプリ開発や情報システム部門などに所属している人でないと馴染みはないかもしれませんが、クラウドで仮想サーバーやデータベース、ストレージなどをレンタルすることができる Amazon Web Service(AWS)、Microsoft Azure(Azure)、Google Cloud Platform(GCP)などが代表的なサービスです。
OSのレイヤーから下を提供するのがIaaS、ミドルウェアまでを提供するのがPaaS、アプリケーションまでを提供するのがSaaSとなります。これらを目的に応じてうまく使い分けるのが良いでしょう。
SaaSの市場規模
国内では年率15%の勢いで急成長していて、2021年には約5,800億円規模になると言われています。最近の盛り上がりを見ると、実際にはもっと行きそうな予感があります。
また、SaaS市場が先行している海外に目を向けると、こちらも年率20%で成長しており、2020年には10兆円規模の市場に成長すると言われています。とにかく、世界はSaaS化の波が押し寄せていると言えるのではないでしょうか。
SaaSが広がっている理由
インターネットを経由してサービスを利用することができるSaaSでは、複数の端末から同じアカウントでアプリケーションを利用することができ、1つのデータを複数のユーザーが共有して閲覧・編集することも簡単です。
また、新機能は共通してアップグレードされるため、最新の機能を利用できたり、利用数の増減にも柔軟に対応できるというメリットがあるため、実際に運用してみないと利用頻度が分からないというユーザーにとっても便利です。
提供する事業者にとっても、ユーザーそれぞれの保守サポート負担が軽減されたり、新規ユーザーを獲得しやすいといったメリットがあるため、SaaSモデルのサービスを提供する企業は増えています。
一方で、多くの人が使用しやすいようにサービスが作られているため、個別の機能追加などのカスタマイズ対応が難しく、自社に合わせたサービスを提供してほしいという要望が叶いにくい面もあります。個人情報や大事なデータがクラウド上に保存されているという部分で、不安に感じるユーザーも少なくないようです。
代表的なSaaS企業
前述した通り、SaaSモデルのサービスを提供する企業は続々と増えています。SaaS製品を提供する代表的な企業をご紹介します。
- Google
検索エンジン、アナリティクス、ドキュメント作成、Gmailなどを包括した「G Suite」を提供。 - Microsoft
Microsoft社は、クラウドプラットフォーム「Microsoft azure」を運営する企業です。SaaS製品として、「Microsoft Office 365」や「メール」などを提供。 - Sansan
老舗のSaaS企業です。クラウド名刺管理「Sansan」を提供。 - MoneyForward / freee
経理や会計、人事労務に使える「MFクラウド」や「freee」などを提供。 - サイボウズ
サイボウズOfficeやkintoneなど「cybozu.com」の提供。 - セールスフォース・ドットコム
元祖SaaSとも言われます。顧客管理(CRM)ソフトの「Salesforce」、マーケティングオートメーションツール「Pardot」などのソリューションを中心としたサービスを提供。 - アドビシステムズ
それまでのインストール型ソフトからクラウド型ソフトに事業転換して大成功をおさめています。「Adobe Reader(アドビリーダー)」「Photoshop(フォトショップ)」「Illustrator(イラストレーター)」などのソフトウェアを提供。 - Zendesk
中小企業向けのSaaSで世界規模に展開しています。クラウドベースのカスタマーサービス・プラットフォーム「Zendesk」を提供。 - ServiceNow(サービスナウ)
ServiceNowとは、企業向けのサービスマネジメント製品を提供するSaaS企業です。IT Workflowというプラットフォームの元、コストの最適化を図る「IT Asset Management」やセキュリティ管理の「Security Operations」などの業務効率化製品を提供。
SaaSのトレンド
SaaSといえば、営業部門の顧客管理を支援する「SFA/CRM」や人事部門の「勤怠管理システム」など、業界に関係なく特定の職種に特化した「Horizontal SaaS」が一般的です。しかし近年では、特定の職種最近では業界特化のSaaSサービスを提供する「Vertical SaaS」と呼ばれるスタートアップも増えてきました。弊社の広告運用に特化した Roboma (ロボマ) も Vertical SaaSの一つです。
また、弊社も含めた AI、VR、IoT といった Vertical SaaS x テクノロジーの企業もトレンドになっています。
SaaSモデルのまとめ
いかがでしたでしょうか?
SaaSという言葉は知らなかったけど、サービスは利用していた!という方もいらっしゃるかもしれません。
これからますますSaaSモデルのサービスは広がるかもしれません。今後の展開に目が離せませんね!