LPO(ランディングページ最適化)とは?スマートフォンサイトのLPOのポイントもご紹介

LPO(ランディングページ最適化)

「LPを制作したけど、成果がイマイチでない」「何から手をつけたらいいかわからない」という方は少なくないと思います。

LPのコンバージョンが思うように上がらない場合、それを改善するために色々な効果を試して、それを分析する必要があります。

そんな時にLPOに注力するのも方法の1つです。

そこで今回は、LPOでCVRを向上させる方法を、そもそもLPOとは何かという解説と共に一からご紹介していきたいと思います。

LPOとは?

LPO(Landing Page Optimization)とは、ランディングページの最適化をすることです。ランディングページとは、広義では検索や広告経由でユーザーが最初に訪問したページのことです。狭義のランディングページは、見積もり請求や申し込み、売り上げを増やすことに特化してつくられたページのことを指します。こちらは基本的に広告からの流入を想定しており、一般的にLPOという時にはこちらの意味を指します。

「ランディングページを最適化する」とは、Webサイト訪問者が商品購買や見積もり請求など収益につながる行動を取る割合(コンバージョン率=CVR)を高めるために、ランディングページの構成や内容を工夫することを指します。

サイト訪問者は、ランディングページを見て、ほんの数秒の間でそのサイトが自身のニーズと合っているかを判断します。またその半数近くがニーズと違うと感じサイトを離脱してしまうと言われています。このようにCVRの向上にはランディングページの最適化が肝要なのです。

LPOでCVRを向上させるための3つのポイント

CVR(コンバージョンレート、コンバージョン率)とは、Webサイトへのアクセスのうち、どれだけサイトの成果である商品の購入や申込み(コンバージョン)につながったかという割合を表す指標のことです。

「CVR(コンバージョン率)=コンバージョン数 / 訪問数」で求めるのが一般的です。CVRは、流入経路や商品カテゴリ・個別ページ単位といった分析単位ごとにパフォーマンスの良し悪しを表します。

ランディングページへ訪問してくるユーザーがサイトを離れる大きな原因は、ユーザーが広告とランディングページ の訴求内容にずれを感じてしまうことです。そのようなサイトではユーザーに商品を購入してもらったり、サービスを利用してもらうことは難しいでしょう。ではLPOでCVRを向上させるためにはどのような施策が必要なのでしょうか。LPOでCVRを向上させるポイントは以下の3つです。

・検索キーワードや流入元の広告からユーザーのニーズを的確に読み取ること

・読み取った情報をランディングページに反映させ改善すること

・改善した結果をABテストで検証すること

  •  検索キーワードや流入元の広告からユーザーのニーズを的確に読み取ること

まずは検索キーワードだけではなく、行動履歴や閲覧地域・媒体などから訪問してくるユーザーの流入状況を調べ、ニーズの傾向を分析しましょう。さらに、アクセス解析などを用いて現状を把握しLPの問題点を洗い出すのも効果的です。よく使われる指標としては、CVRだけではなくCTR(クリック率)、直帰率(サイト全体の訪問数のうち1ページ目のみ訪問して離脱した確率)などをもとに分析するのも良いでしょう。

  • 読み取った情報をランディングページに反映させること

当然のことながら、訪問してくるユーザーは広告の訴求内容に興味を持って訪問してきます。内容と言っても、文面やキャッチコピーばかりではありません。ユーザーのイメージを構築するものとして次のようなものが挙げられます。

・文面

・キャッチコピー

・利用者の声

・商品の画像

・フォントや色などのデザイン

LPの構成

引用:https://ecpack.jp/system/wp-content/uploads/2016/06/img_lpproduction_01.jpg

文字だけでなく、画像や色使いといった雰囲気のように曖昧な要素もユーザーのイメージを構築し、ずれを感じさせる要因となりえます。ユーザーは、ファーストビューでイメージと合う詳細を見たいと思っています。ユーザーの分析に基づいたニーズを踏まえ、広告とのファーストビューで訴求内容をそろえユーザの「あれ、何か違う」を生み出さないようにしましょう。

  • 改善した結果をABテストで検証すること

検証方法としてよく用いられるのは、ABテストです。

ABテストとは

引用:https://www.assion.co.jp/blog/guide-of-abtesting/

ABテストとは、広告のバナー等の画像やLP内のイラストなどをAパターンとBパターンの2パターンを用意し、どちらがより良い成果を出せるのか検証するものです。一定数のユーザーが流入するまで繰り返しABテストを行い、効果測定します。効果が高いパターンを残していくことで、LPを最適なものに近付けていくことができます。2パターンだけではなく、3パターン・4パターンと複数のパターンを用意しテストすることもあります。

スマートフォンサイトのLPOでCVRを向上させるための3つのポイント

近年、ほとんどの人がスマホを持つようになり、スマホでwebサイトを見るユーザーも増加してきています。PCではCVRが稼げているのに、スマホでは稼げないという方も少なくないのではないでしょうか?

スマホのLPOでCVRを向上させるポイントは以下の3つです。

・ファーストビューを意識すること

・ページの表示速度を意識すること

・大きさに注意すること

  • ファーストビューを意識すること
    サイトを訪れて、ユーザーが一番最初に見るのがファーストビューです。
    ファーストビューを見て、何のサイトかわからなければユーザーが興味をもたずにすぐにサイトから離脱してしまいます。だからこそ、ファーストビューではそのサイトが何のサイトなのかがすぐにわかるようにしましょう。
  • ページの表示速度を意識すること
    スマホサイトでの表示速度は、PCサイトよりも遥かにCVRに関わってきます。これはPCよりもスマホの方が表示速度に感じるストレスが大きいからです。なので、スマホサイトでは不要なものはできるだけ削除し、サイトの表示速度をあげることを意識しましょう。
  • 大きさに注意すること
    スマホはPCよりも画面の大きさが小さいので、文字サイズや画像サイズもスマホで見やすいサイズに変える必要があります。
    PCのままのサイズだとユーザーが見にくいサイトになってしまうので、離脱率が下がる可能性があります。注意しましょう。

LPOでCVRを向上させるための具体的な施策8選

ここまで読んできたけれど具体的にどのような施策をすればよいかいまいち分からない、といった方のために8つの具体的な施策をご紹介します。どこから手をつければいいか分からない、といった方もまずはこの8つをチェックしてみましょう。

  • フォームの入力項目を減らす

フォームを最適化することは短期間でCVRアップを狙うことのできる施策です。

・ふりがな

・郵便番号

・パスワードの確認入力

など最悪なくても困らない情報はどんどん排除していきましょう。入力項目が多すぎるとユーザーの離脱率は高くなってしまいます。これは入力フォームに限ったことではなくLP全体にも言えることです。なるべく不要な要素を取り除き見やすいページを心がけましょう。

  • 背景色とコントラストのあるボタンカラーに変更する

ボタンカラーについては緑色が最も好まれるとされることも多いですが、背景色とコントラストの効いた色やページ内で他の箇所に使われていない色を使うのがおすすめです。こうすることでボタンを際立たせクリックを促すことが出来ます。

  • ボタンやリンク、サービスメリットなどの文言

ボタンの色と並び良く事例として挙げられるのがLP内に出てくる文言のABテスト。リンクのアンカーテキストを変えただけでクリック率が300%改善したという事例もあるほどLPOを行う上で効果的な施策です。文言の変更はお問い合わせボタンやダウンロードボタンの文言もありますが、FacebookやTwitterのフォローなどを促す際の施策としても有効です。

文言のABテストをする上で大事なことはそのランディングページは誰のためにどのような意図を伝えたいのか明確に言語化しておくことです。LPを制作するときはどうしても細かい文言ではなく、全体的なデザインの完成度に目が行きがちですが、そのLP内でターゲットユーザーに刺さるメリットをどれだけ訴求できるかを追求していくことを意識して改善をしていきましょう。

  • リアルな利用者の声を掲載する

LPに「お客様の声」を掲載することは大切ですが、現実感のないものであってはかえってユーザーに不信感を抱かせてしまいます。「お客様の声」にはできるだけフルネームや顔写真を入れ、本物だと分かってもらえるか確認した上で掲載しましょう。

  • 訴求ポイントを強調したレイアウトにする

商品やサービスの特徴がユーザーにきちんと伝わらなければ、競合との違いをアピールできません。訴求ポイントがLP内で分かりやすく、ユーザーをコンバージョンへと誘導できるような配置を意識しましょう。ファーストビューを意識しすぎるあまりページの上部600ピクセルの高さに大量のコンテンツを詰め込むのはやめましょう。ファーストビューを改善する際には以下の4つに気をつけましょう。

・情報は詰め込み過ぎない

・申し込みボタンをしっかりと入れる

・訪問者の気持ちをつかまえる要素がファーストビューに入っている

・スクロールしてもらえるよう下にコンテンツがあることがユーザーに分かってもらう

  • ページ表示速度の改善

LPOがばっちりであっても、ランディングページを開く際の表示速度が遅いのは致命的です。ページ表示速度を早くすることはユーザーの直帰率に多大な影響を及ぼします。読み込み速度が1秒遅れると、コンバージョン率が7%下がるという調査結果もあります。Amazonでもページ表示速度は重要視されており、昔からページ表示速度をどれだけ早くするかに注力しています。

まずご自身のLPはどれくらいの表示速度なのかを把握し、そのページで表示速度を遅くしている原因は何なのか探っていきましょう。Googleの「PageSpeed Insights」はページ速度をスコア表示してくれ改善案も提示してくれる便利なツールです。

PageSpeed Insights による速度スコア

  • 行動ターゲティングLPO

行動ターゲティング広告(リターゲティング広告)とは、広告の対象となる顧客の行動履歴を元に、顧客の興味関心を推測し、ターゲットを絞ってインターネット広告配信を行う手法です。近年行動ターゲティング広告は従来の広告手法より精度が高く、費用対効果が良いサービスとして注目されています。そんな行動ターゲティングの技術を利用してLPOを行うのが行動ターゲティングLPOです。

行動ターゲティングの主要な方法は大きく3つに分類できます。それぞれどのようなLPOが必要なのかも合わせてご説明します。

  1. 流入経路
    サイトに対して100のアクセスがあった時、そのアクセスの流入元は一つではありません。検索、SNS、バナー広告、メルマガなどさまざまな流入元が考えられます。流入元の違いはユーザーの目的、質に反映されます。・ある悩みを解決するために検索してサイトに訪れた→その悩みを解決させるためにCVしやすいようにお問い合わせのボタンを普通より多めに出現させる・バズった記事をFacebookのタイムラインで見た際に興味を持ち、フラッと訪れた

    →継続的に情報を受け取って欲しいので、Facebookページへのイイねを促す、メルマガの購読ボタンを表示する

    ・自分がよく読むサイトにバナー広告が出ていたので、気になってクリックした

    →コラボ先との実績などを示し、信頼性を高めて問い合わせに誘導する

    このように流入経路ごとにクリエイティブの違いを作流のがおすすめです。

  2. エリアターゲティング
    例えば全国展開しているスポーツジムを運営している場合であれば東京在住のユーザーと福岡在住のユーザーに対して見せるページは別であったほうが良いですよね。福岡のユーザーに対しては博多のスポーツジム、東京のユーザーには新宿や銀座のスポーツジムを表示させるのがエリアターゲティングLPOです。また、サイト訪問者の各都道府県からのアクセスを判別し、各地域の祭りや行事に合わせたギフト商品の表示方法に特色を持たせることもできます。「すごく美味しい」というのを北海道では「なまら美味しい」、大阪では「めっちゃうまい」というように、各地からアクセスする人に親しみを持ってもらえるよう方言を活用し、クリック率、コンバージョン率の向上した事例もあります。
  3. ユーザー属性
    ユーザーの年齢や性別によってページの内容を変えていくLPOの手法です。例えば女性向けの通販サイトを運営している時、男性は女性へのプレゼントを調査する目的で訪れている可能性が大きいですが、女性の場合は自分で使うために訪問している可能性が大きいです。その場合は男性向けには「女性に向けたプレゼント特集」のような形でページの内容を変えると良いでしょう。
  • スマートフォンやタブレットでも見やすいように工夫する

ユーザーはパソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットからもLPに訪れることが多くなっています。そのためパソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットでLPを閲覧したときのファーストビューも重要です。スマートフォンやタブレット用にLPを作成することは手間がかかるかもしれませんが効果的です。

今まで述べてきたようにLPOはWebサイト運営やネット広告運用において重要なものです。しかし、LPOだけではCVRを上げることが出来るとは言えません。なぜならLPOに力を入れても、そもそもサイトへの訪問数が少なくてはCVR向上にはつながりません。

LPOするべきサイト

LPOはユーザーに読んで欲しいコンテンツを提示することを可能にするためサイト全体のコンテンツ量が豊富であり、ユーザーの個々のニーズに応じたコンテンツを提案しやすいECサイトなどに効果的である傾向があります。

なかでも資料請求を目的とするサイト、情報系サイトなどにおいて特に高い効果を持ちます。LPOによって商品やお問い合わせ数、見積もり申込数を増やすことができます。

一方、コンテンツや商品数の少ないサイトの場合はLPOよりもSEOに力を入れたほうが良い傾向にあります。

LPOによる改善事例

ぐるなびウェデイング

ウエディング総合情報サイト「ぐるなびウェディング」は、サイトへの流入データを分析し、結婚式場関連のキーワードと地名・駅名キーワードの組み合わせがサイト訪問者のコンバージョンに強い影響力を持っていることが分かりました。

その分析結果を活かし地名を含んだランディングページを設置したところ、顧客獲得単価を抑えることに成功し、前の月に比べCVRが約9倍にアップしました。

LIONウェルネスダイレクト

ページを表示したときに最初に画面に表示されるファーストビューは、ページで一番重要な部分です。ユーザは自分が求めているページか否かをファーストビューで判断するため、ユーザの興味を喚起し、読み進める意欲を掻き立てるような情報を提示する必要があります。

ファーストビューを改善を改善し、の信頼性を担保する情報として「体験者100万人突破」という実績をファーストビュー内の目立つところに配置して安心感を訴求したり、「飲むだけで痩せられる」というキャッチコピー・広告原稿・画像を整合させることで、成約率を向上させました。

LPOでCVRを向上させる方法のまとめ

SEOとのバランスやサイトのLPOへの適性なども視野に入れながら、広告とランディングページとの間のユーザーの感じるずれを少なく出来るようなLPOを行いCVR向上につなげましょう。

ちなみに、簡単にLP(ランディングページ)を作成できるツールはこちらを参照ください。中にはLPOを支援する機能を搭載しているものもあります。

LP作成の料金相場とオススメ簡単LP作成ツール

2018.12.04