DMP(Data Management Platform)の種類と仕組み

DMPの種類と仕組み

DMPは比較的新しいマーケティング支援ツールですが、企業への導入が続々と進んでいます。例えば、各部署が所有している顧客データのフォーマットが異なりデータを上手く整理できていないことが多いのではないでしょうか。そこで、役に立つツールがDMPです。

今回は、DMPの種類や仕組みについてご紹介したいと思います。

DMPとは

DMPとは「Data Management Platform(データマネジメントプラットフォーム)」の略で、インターネット上の様々なサーバーに蓄積されるビッグデータや自社サイトのログデータなどを一元管理、分析し、最終的に広告配信などのアクションプランの最適化を実現するためのプラットフォームのことです。

情報を収集・分析することにより、消費者の嗜好性や興味・関心をリアルタイムで把握し商品の改善・開発につなげたり、新規顧客開拓につなげたりすることができます。また、オンライン広告の運用では、広告主がターゲットとする顧客に的確にアプローチし、費用対効果を高めていくために欠かせない仕組みとなっています。

DMPの仕組み

出典:https://service.plan-b.co.jp/blog/dmp/5785/

DMPは「オープンDMP」と「プライベートDMP」の2種類に分類できます。データはWeb広告やコンテンツの出し分け、分析などさまざまな分野で利用されています。

簡単にまとめると

・オープンDMPは、外部メディアの持つ情報を活用できるDMP

・プライベートDMPは、オープンDMP+自社データを活用できるDMP

となります。

DMPの種類

《オープンDMP》

「オープンDMP」は、Webサイト訪問ユーザーの情報や、興味関心・嗜好性等などの外部のオーディエンスデータとデータエクスチェンジさせることができるクラウド型のデータプラットフォームのことです。オープンDMPはパブリックDMPとも呼ばれます。

オープンDMPの代表的なサービスには、「Yahoo! DMP」や「Intimate Merger」などがあります。

Yahoo! DMP

月間740億PVとも言われる日本最大のサイトであるYahoo!JAPANが提供する国内最大のオープンDMPです。オープンDMPとしては国内一の知名度を誇ります。多くのオープンDMPがYahoo! DMPとデータ連携できるようになっています。

IM-DMP

IM-DMPは、 DMP 専業最大手の株式会社インティメート・マージャーが提供する DMP です。約4億件のオーディエンスデータを提供し、Google や Yahoo! のディスプレイネットワークをはじめとした広告掲載面や、アクセス解析などの各種マーケティングツールとの連携が充実しています。

《プライベートDMP》

「プライベートDMP」は、オープンDMPから得た様々な情報に加え、企業独自のマーケティングデータ(自社サイトのアクセス履歴、購買履歴、アンケート情報、顧客情報や各種プロモーションの結果等)を集約し、これを外部のオーディエンス情報とシンクさせ構築するプラットフォームです。データ格納先は企業側にあります。

プライベートDMPの代表的なサービスには、「Rthoaster」や「Juicer」などがあります。

Rthoaster

株式会社ブレインパッドが提供する国内最大級のDMPで、プライベートDMP機能に加えて広告配信、レコメンドメール、アプリ連携などマーケティングアクションまで行うことができ、幅広い業種にも対応できることが強みです。

Juicer

Juicerは無料で提供されている国内プライベートDMPで、誰にでもわかりやすいUXを提供しています。無料にもかかわらずPV制限なしでA/Bテストやユーザーの導線分析などを行なうことができます。

1st・2nd・3rd Partyデータ

DMP導入を検討する際など、「1st・2nd・3rd Partyデータ」という言葉を耳にすることがあるかもしれません。その違いをご説明します。

1st・2nd・3rd Partyデータとは?

出典:https://service.plan-b.co.jp/blog/dmp/5785/

1st Partyデータとは、自社で収集したデータの総称です。Webサイトや広告運用で得たデータや、実店舗のPOSから得たデータなどを指します。

2nd Partyデータとは、他社からCookieSyncなどにより直接入手したデータの総称です。1st Partyデータを補完する目的で利用されます。

3rd Partyデータとは、データ収集を専門とするベンダーから入手するデータの総称です。

データの活用例

DMPの大きな特徴の1つに、分析効果をそのままアクションに移すことができるという点がありますが、下記のような活用方法が考えられます。

・ディスプレイ広告配信

・メール配信

・広告プランの検討

・ユーザー毎のコンテンツ出し分け

・ユーザー毎のオンラインクーポンの出し分け

など

具体的な例としては、化粧品会社で顧客毎の膨大なデータ(肌の悩みや購買履歴、アンケート等)を蓄積・活用することで、店舗で対面で行っていた対応をWebサイト上でも可能にし、売上向上に繋げるといった活用方法などが考えられます。

DMPとCDPは同じ?

DMPはしばしば、CDP「Customer Data Platform(カスタマー・データ・プラットフォーム)」と混同されます。CDPは、CRM(顧客管理)のデータ及び、オンライン広告などにおける顧客の行動データやデモグラフィック・データを統合し管理するプラットフォームです。これにより、他システムと連携しつつ個別顧客に対応したマーケティング施策を実行することができます。

DMPとの違いは、個人を特定できるデータを扱うかどうかというところです。DMPは、基本的にCookieデータや広告識別子といった個人を特定できないデータだけを扱いますが、CDPでは顧客データ(IDや氏名、電話番号、メールアドレスなど)を紐付けて管理します。ただし、他のシステムとの連携機能を持ったプライベートDMPの延長として提供されているCDPもありますし、目的が顧客管理に明確化されたシステムであるというイメージなのでプライベートDMPとCDPを厳密に区分することは難しいとも言えます。

DMPとCDP

出典:https://dmlab.jp/adtech/cdp.html

まとめ:データ管理のゴールを明確に

データは増えれば増えるほど、統合管理が煩雑になるので、データ統合のプラットフォームは早晩必要になるでしょう。

しかし、「ビッグデータを集めれば何かが生まれる」と言って、しばしばデータを管理することが目的になってしまうケースも多々あります。

ただデータを集めて管理するだけでは意味がないので、何をするために、どんな効果を上げるために、データ管理を行うのかのゴールをしっかり明確にすることが大事です。

ぜひ、参考にしてください。