適切なASO対策、できていますか?
広告運用に手一杯で、おろそかになりがちなASOですが、実はアプリの露出量や自然ダウンロード数を伸ばすために、非常に効果的です。
今回は、アプリマーケター必見のASOの仕組みから対策方法までご紹介します。
【目次】
ASO(アプリストア最適化)とは?
ASOとは、App StoreやGoogle Playなどアプリストア内の検索表示順位を上げることで、アプリの自然(オーガニック)ダウンロード数を増やすための取り組みです。
「App Store Optimization」の略で、日本語では「アプリストア最適化」と表されます。
アプリマーケティングの中でも、広告費をかけない新規ユーザー獲得の最も定番な手法です。
ASO対策がなぜ重要なのか?
世の中には、200万以上のアプリが存在していると言われています。その中で自社のアプリをユーザーに選んでもらうには、流入の入り口であるアプリストアページの露出量を向上させ、ユーザーにとって魅力的なコンテンツを用意するのは必須といえます。そのプロセスこそがASOです。
ASO対策の目的は、大きく2つあります。
- アプリ検索エンジンからの流入数の増加
新規のアプリを探す際、約60%のユーザーがアプリストア内での検索を利用すると言われています。つまり、アプリストア内からの流入ボリュームはとても膨大です。このユーザー層を獲得できるか否かで、アプリページのインプレッション数、クリック数が大きく左右されます。
- アプリ広告のCPI(インストール単価)の削減
アプリページの文言やスクリーンショットなどを最適化することで、アプリページ内のCVR(ここではダウンロード率)を向上できれば、CPIの改善が期待できます。CPIが改善すれば、広告予算をより効果的に運用することができます。
ASO対策で抑えるべきポイント
それでは、実際にASO対策に取り組む際、何をすればよいのでしょうか。
App StoreとGoogle Playストアでそれぞれ公開されている開発者向けガイドラインを参考に、抑えるべきポイントをご紹介します。
App Store(iOS)のASO対策
App Storeが重要視しているポイントは以下の通りです。
- キーワード
上限100文字でユーザーが検索しそうな言葉をキーワードとして設定することができます。アプリの特徴や機能キーワードに設定することで、検索結果を向上させることが可能です。
キーワードを選ぶために、Google Keyword Plannerや、Ubersuggestといったツールを使ったり、アプリの特徴を具体的に表すキーワードを考えるのがおすすめです。 - アプリ名
シンプルで機能が伝わるアプリ名を30文字以内で設定します。一般的な語句や既存のアプリと類似しすぎている名前は検索順位を低下させる原因となるので避けるようにしましょう。 - サブタイトル
サブタイトルとは、アプリ名の下に表示されるアプリの短い説明文のことです。30文字以内でアプリの魅力や特徴をできるだけ具体的に記載するようにしましょう。 - 説明文
アプリの説明文では、スクロールなしで目に止まる場所でアプリの機能を簡潔に説明し、続く段落で詳しい説明を記載するのが理想的です。不要なキーワードは避け、アプリのイメージに沿った文章を作成することを意識しましょう。 - カテゴリ
カテゴリは、ユーザーが検索表示を絞りこむ時に利用されます。自社のアプリにあった適切なカテゴリを選択することで、検索結果に表示される可能性を高めることができます。 - アプリの質
ユーザーのDAUやMAUなどの継続率、すぐに落ちるアプリや長い間改善が見られないアプリは、ランキングが下がると考えられています。特に
・リテンション率などは、アプリの質を計測する上で重視しているそうです。
・アップデート頻度
・クラッシュやバグの数
- 評価/レビュー
評価とレビューは、実際にアプリをダウンロードする際の基準となり、検索順位にも影響を与えます。
ユーザーから高評価を得ているアプリは検索順位が高くなるので、積極的にレビューを呼びかけましょう。また、ユーザーの声を聞くこともできるため、アプリのサービス改善にも役立ちます。 - カスタマーサポート
ユーザーに問題が発生した際に、アプリストア内に直接連絡できる方法を記載するようにしましょう。素早く問題を解決することで、ユーザーの低評価を防ぐことができます。 - アプリ内課金
アプリ内課金に関する情報を載せることで、検索結果を向上させることができます。課金内容や金額を正確に記載するようにしましょう。
Google Playストア(Android)のASO対策
Google Playストアが重要視しているポイントは以下の通りです。
- アプリ名
アプリ名は簡潔に、アプリの内容がユーザーに伝わるようにします。タイトルが長すぎたり、一般的すぎると検索順位は向上しづらいです。
- 説明文/プロモーションテキスト
説明文はユーザーがアプリで体験できることに焦点を当てた文章にします。最も伝えたいことがスクロールせずに見える位置に配置されるようにしましょう。プロモーションテキスト(説明文よりも短いアプリ紹介用の文章)も同様に、アプリの機能を一文で記入します。Googleでは、SEOのスターターガイドを参照するように促されています。 - 画像
アプリアイコンや画像は視覚的に印象を与えられるのでASOでは重要視されます。特にスクリーンショットは、アプリの雰囲気を掴むためにユーザーが必ずと言って良いほど目にする箇所です。最も訴求したい機能や特徴がひと目で伝わるように、選定・作成しましょう。スマートフォン、タブレットなど、対応するデバイスがユーザーにわかるようにそれぞれの端末ごとに用意することがポイントです。 - 他言語に翻訳する
アプリの掲載情報が他言語対応である点も重要視されます。自動翻訳機能だけでなく、プロの翻訳サービスを利用することでより検索結果が向上します。 - アプリの質
App Storeと同様に、アプリの質は検索順位に大きな影響を与えます。以下の点を改善するようにしましょう。
・リテンション率
・アップデート頻度
・クラッシュやバグの数
- ユーザー体験の向上
アプリの評価基準には、実際に利用したユーザーからの評価も加味されます。そのため、アプリの機能を充実させるだけでなく、実際に使用するユーザーの体験価値を向上させることも重要なポイントです。
具体的なポイントは以下の通りです。
・定期的にアプリメンテナンスを行う
・評価やコメントによってユーザーからのフィードバックを得る
・カスタマーサポートの充実
Play Console ヘルプ – Google Play でアプリを見つけてもらいやすくする
Engadget Google Playの検索アルゴリズム、高品質アプリを優先するよう強化。低品質アプリのランクはダウン
ASO対策のまとめ
ASOの概要や対策すべきポイントをご紹介しました。リソースの問題でなかなか手が回らなかったり、効果もすぐに現れにくい「ASO対策」ですが、アプリダウンロードの入り口を改善することは、広告費をかけずに最も効果を上げるマーケティング手法の一つですので、ぜひいろいろ試してみてはいかがでしょうか。
ただし、アプリストアのアルゴリズムは数ヶ月に1回変更される傾向にあるので、「これだけやれば安心」ということはありません。
常に自社アプリの検索順位を見て、順位が下がったらその都度改善してきましょう。
また効果を測る指標についてはこちらの記事をご覧ください。