広告運用において時間を要する作業の一つが、複数の広告媒体からデータを収集し、レポートを作成することです。
Databeatは、煩雑な作業を自動化し、広告担当者の業務効率を向上させる広告レポート自動作成ツールです。
本記事では、Databeatの機能や料金体系、活用するメリット・デメリットを詳しく解説します。広告レポート作成の効率化を検討されているマーケティング担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
Databeatとあわせて検討したい広告レポート作成ツールについては、以下の記事で紹介しています。
【目次】
Databeatとは?

引用元:Databeat
Databeatは、アジト株式会社が提供する広告レポート自動作成・管理ツールです。最大の特徴は、Google広告、Yahoo!広告、Facebook広告、X広告、LINE広告、GA4など、39の広告サービスと自動連携できる点にあります。
各媒体からデータを自動的に収集し、Databeat上でデータ整形した後、Google BigQueryにデータを蓄積することが可能です。これにより、異なる媒体間でもデータ形式や指標が統一され、横断的な分析ができるようになります。
さらに、データ出力先の選択肢が豊富なのも大きな魅力です。Excel、Googleスプレッドシート、Looker Studio、Tableauなど、ユーザーが普段使い慣れたツールにデータを出力できます。
また、DatabeatではLooker StudioやExcelなどの豊富なレポートテンプレートを無償で提供しており、導入後すぐに実用的なレポートを作成できる環境が整っています。
Databeatの料金
Databeatの料金体系は以下のとおりです。
- 初期費用:無料
- 月額費用:50,000円から
- 最低契約期間:1ヶ月
料金プランは、以下の2つから選択できます。
- 広告アカウント数による従量課金プラン:月間広告アカウント数 × 500円
- 広告費による従量課金プラン:月間広告運用金額 × 0.5%
どちらのプランを選択しても、最低利用料金は50,000円からとなります。
また、Databeatのプラン料金とは別に、データ蓄積先となるGoogle Cloud Platformの利用料金(従量課金)が発生しますので、予算計画時には考慮しておく必要があります。
広告運用規模や連携したいアカウント数によって最適なプランは異なりますので、自社の状況に合わせて選択するとよいでしょう。
多くの媒体を少額で運用している場合は広告費課金、少数の媒体で大きな広告費を使っている場合はアカウント数課金を選ぶと費用を抑えられる傾向があります。
他ツールと比較する場合は、広告レポート自動化ツール比較8選|レポートを効率良く作るためのツールの選び方の記事をご参考にしてください。
Databeatの機能・特徴
Databeatには、以下の機能や特徴があります。
- 主要媒体・GA4など39媒体と自動連携できる
- 無料で使えるレポートフォーマットが豊富
- BigQueryに広告データを蓄積できる
- Excel、Google スプレッドシート、Looker Studioなどデータの出力先を選べる
それぞれ詳しく解説します。
主要媒体・GA4など39媒体と自動連携できる
Databeatは、業界でもトップクラスの連携媒体数を誇ります。Google広告、Yahoo!広告などの主要検索広告はもちろん、Meta、X、LINEなどのSNS広告、さらにはDSP広告やアフィリエイト広告まで、幅広い広告媒体をカバーしています。
具体的な連携媒体には以下のようなものがあります。

引用元:Databeat
複数の広告媒体を横断的に管理している企業にとって、数多くの媒体と連携できることにより、データ収集作業の大幅な効率化が期待できます。
無料で使えるレポートフォーマットが豊富

引用元:Databeat
Databeatでは、すぐに使えるレポートフォーマットが豊富に用意されています。特に、データビジュアライゼーションツールとして人気のLooker Studioのテンプレートと、多くの企業で利用されているExcelテンプレートが充実しています。
Looker Studioのテンプレートには、メディア横断分析レポート、時系列分析レポート、広告効果分析レポートなど、目的別に最適化されたフォーマットが用意されており、データを自動連携するだけですぐに実用的なダッシュボードが完成します。
これらのテンプレートは無償で提供されているため、レポート作成の知識がなくても、プロ仕様の分析レポートを簡単に作成することができるのが大きなメリットです。
BigQueryに広告データを蓄積できる
Databeatの重要な特徴として、連携した各広告媒体から取得したデータを、表記の異なる同じ意味の指標を整形・統一したうえでGoogle BigQueryに蓄積する機能があります。
例えば、「クリック率」という指標が、ある媒体では「CTR」、別の媒体では「ctr」と表記されていても、Databeat上ではすべて同じ指標として統一されます。これにより、異なる広告媒体間での効果比較や横断的な分析が格段にしやすくなります。
また、BigQueryにデータが蓄積されることで、過去データの長期保存や高度なカスタムクエリによる分析が可能になり、データ活用の幅が大きく広がります。
Excel、Google スプレッドシート、Looker Studioなどデータの出力先を選べる

引用元:Databeat
Databeatは、データの出力先として様々なツールをサポートしています。具体的には以下にデータを出力できます。
- Microsoft Excel
- Google スプレッドシート
- Looker Studio
- Tableau
企業内で既に使い慣れているツールを継続して使用しながら、データ収集の自動化だけを実現することができます。
例えば、Excelベースのレポートフローがすでにあれば、フォーマットを維持したままデータ収集だけを自動化することが可能です。
また、より高度なビジュアライゼーションが必要な場合は、Looker StudioやTableauへのデータ連携もできます。
Databeatの活用メリット・デメリット
Databeatを導入するメリットとデメリットを詳しく紹介します。
メリット
自動連携媒体が多いためデータの集約がしやすい
Databeatは39の媒体と連携可能なため、複数のプラットフォームを使って広告運用している企業にとって、データ収集作業の大幅な効率化をもたらします。
これまで各媒体にログインして手動でデータをダウンロードしていた作業が不要になります。そのため、導入することで担当者の工数削減に直結するといったメリットが得られるでしょう。
BigQueryにデータを蓄積できるからデータを柔軟に活用できる
BigQueryというデータウェアハウスにデータが蓄積されることで、単なるレポート作成だけでなく、高度なデータ分析やBIツールとの連携など、データ活用の可能性が大きく広がります。
例えば、広告データと自社のCRMデータを統合し、LTVベースの広告効果測定なども実現することが可能になるわけです。
2週間の無料トライアルがある
Databeatでは2週間の無料トライアル期間が設けられており、実際の環境で機能や使い勝手を確認してから導入を決定できます。
導入前に自社の広告アカウントとの連携テストや、出力されるデータの確認ができるため、ミスマッチのリスクを低減できます。
デメリット
初期設定はエンジニアがいないと難しい
Databeatの初期設定、特にBigQueryとの連携設定には、ある程度のIT知識が必要です。社内にエンジニアリソースがない場合、導入のハードルが高くなる可能性があります。
ただし、導入時のオンボーディングサポートもあるため、サポートを活用することで対応することもできるでしょう。
導入後のサポートが他社に比べて少ない
Databeatは機能面では充実しているものの、導入後のサポート体制は他社ツールと比較するとやや限定的という声もあります。
積極的にサポートを受けながら運用したい場合は、サポート内容について事前に確認することをおすすめします。
Databeatとあわせて検討したい広告レポート作成ツール
広告レポート作成ツールは数多くの種類があり、それぞれ特化している機能が異なります。運用にのせるには、自社の目的に適したツールを選ぶことが重要です。
Databeatとあわせて検討したいのが、以下のツールです。
ツール名 | 料金 | 主な機能 | こんな人におすすめ |
Roboma(ロボマ) | 40,000 円/月~ | ・広告データの一元管理・レポートの自動作成・予算進捗率・推奨日予算の自動計算・データ分析 | データ分析とレポート作成を自動化したい方 |
Shirofune | 月額広告費×5%(税抜)~ | ・新規広告配信設定の自動化・予算管理・自動入札の最適化 | 運用全般を自動化したい方 |
アドレポ | 30,000 円/月~ | ・20 媒体以上対応・豊富なテンプレート・Excel / Googleスプレッドシート/ BigQuery 出力 | レポート作成の効率化を図りたい方 |
例えば、単純なレポート出力だけでなく、広告運用の効率化と成果最大化を実現するためのデータを集約し、データ基盤を構築したい場合は、ETLのように活用できるツールを導入するのがおすすめです。
例えば、Robomaは各媒体から収集・統合した広告データと、自社の売上データやCRM情報、営業データなどを組み合わせることで、広告運用とビジネスでの成果を一気通貫で可視化できます。

Robomaの管理画面上では、プロジェクト管理、コンバージョン管理、マージン管理などを設定できるため、広告データを整形した状態でBigQueryに出力可能です。
広告データを整形できるので、無駄なデータ処理の手間を大幅に削減できます。
広告データの利活用によって広告成果を上げる、広告データインフラについては、以下の記事で詳しく紹介していますのでご覧ください。
Databeat導入時のよくある疑問・質問
Databeatの導入を検討する際によくある質問や疑問をまとめました。
サポート体制はあるのか?
Databeatでは、以下のようなサポート体制があります。
- 有人チャットサポート:平日の営業時間内であれば、専門スタッフによるチャットサポートを受けることができる
- ヘルプ記事:よくある質問や基本的な操作方法については、充実したヘルプセンターで解説記事が提供されている
- 操作解説動画:基本機能の使い方を解説する動画コンテンツも用意されており、視覚的に操作方法を学ぶことが可能
- オンボーディングMTG:導入時には60分のオンボーディングミーティングが設けられており、初期設定や基本操作についてのレクチャーを受けることができる
特に初期導入時のオンボーディングMTGは、スムーズな立ち上げに役立つため、積極的に活用することをおすすめします。
BigQueryの費用はプランに含まれていますか?
BigQueryの利用料金はDatabeatの月額料金とは別途発生します。BigQueryの費用は、主にデータストレージ容量とクエリ処理量に応じて課金される従量課金制となっています。
一般的な広告データの場合、小規模〜中規模の広告運用であれば月額数千円〜1万円程度、大規模な広告運用や長期間のデータ保存を行う場合は、それ以上の費用が発生する可能性があります。
正確な費用については、自社の広告運用規模や分析頻度に応じて、Google Cloud Platformの料金シミュレーターなどで事前に確認しておきましょう。
まとめ|Databeatなど広告レポート自動作成ツールで広告データを活用して分析しよう
Databeatは39の広告媒体と自動連携可能で、収集したデータをBigQueryに蓄積し、様々なフォーマットでレポート出力できるレポートツールです。
Databeatの主なメリットは、多数の広告媒体との自動連携によるデータ収集の効率化、BigQueryを活用した柔軟なデータ活用、豊富なレポートテンプレートによる素早いレポート作成です。一方で、初期設定の難しさやサポートが限定的といったデメリットもあります。
広告レポート作成の自動化は、単に作業効率を上げるだけでなく、データ分析に充てる時間を増やし、より戦略的な広告運用を実現するための重要なステップです。Databeatをはじめとする広告レポート自動作成ツールを活用することで、これまで煩雑だったデータ収集・集計作業から解放され、データ分析や戦略立案により多くの時間を割くことができるようになります。
自社の広告運用規模や目的に合わせて最適なツールを選び、データドリブンなマーケティング活動を推進していきましょう。